世界中で多くの人々に愛されているコーラ。赤いラベルのもの、青いラベルのものなどありますが、私も大好きで箱買いして必ずストックを切らさないようにしているほど大好きです。
ですが、コーラに対して不健康なイメージを持たれる方も多く「コーラを飲むと骨が溶けるって言うからコーラは飲んじゃいけない」なんていう話を子どもから聞くことも。私が子どもの頃も言われていましたが、令和になった今でも語り継がれていることに驚きました。
最近話題になっているクラフトコーラは薬膳コーラとも呼ばれ、たくさんのスパイスを使った新しい健康的なコーラとして注目されています。希釈して飲むクラフトコーラが売られているのを見かけますが、少し検索するだけで様々なレシピが出てくるということもあり私もクラフトコーラを作ってみました。
話題のクラフトコーラってどんな飲み物?
クラフトコーラとはスパイスや漢方を使って作ったコーラのこと。スパイスなどの配合や材料を変えれば自在にアレンジが楽しめるとあって、クラフトコーラ作りを楽しむ方が増えているようです。
現在のクラフトコーラブームを作ったのが、青山のファーマーズマーケットで毎回行列のできる人気店の「伊良コーラ(いよしコーラ)」。2020年2月に東京下落合に世界初のクラフトコーラ専門店をオープンさせました。伊良コーラは100年以上も前のオリジナルコーラのレシピを元に、生のコーラナッツやカルダモン、ナツメグなどの15種類以上のスパイスと柑橘類で作られています。
「クラフトコーラ」でレシピを検索するとたくさんのレシピが見つかります。本格的なホールスパイスをたっぷり使ったものから、近所のスーパーで売っているスパイスを使って作れるものまで種類もさまざま。共通しているのはカルダモンやクローブなどのスパイスと砂糖を加えた水を煮出し、シナモンとバニラを加え、レモンなどの柑橘類で仕上げているようです。
クラフトコーラの材料を買いに行こう
クラフトコーラを作ると決めたら、まず必要なのはスパイス。ささっとネットで注文してもいいけれど、今回はなんとなく自分の足で買いそろえたい気分。
欲しかったのはクローブ(ホール)、カルダモン(ホール)、シナモンスティック、バニラビーンズの4つ。まずはいつものスーパーへ行ってみましたが、見つけられたのはシナモンスティックのみ。クローブやカルダモンもパウダーはあったものの、ホールはありませんでした。
その後イトーヨーカドー、イオン、カフェランテ、カルディ、成城石井をまわり、クローブ(ホール)、カルダモン(ホール)、バニラビーンズを購入しました。
我が家の近所で品揃えがよかったのはカルディ、イトーヨーカドー、成城石井でしたがお値段はややお高めでした。1軒で全部揃うお店はありませんでしたが、店舗によって品揃えは異なるでしょうから、実際に買いに行かれる場合は2軒程度はしごする覚悟は必要かもしれません。
実際にクラフトコーラを作ってみよう
今回私が参考にしたのはニチレイフーズのクラフトコーラのレシピ。スパイスの量など実際に計ってみるとスパイスのグラム数と個数に違いがありましたので、多少違いがある「旅する食卓クラフトコーラ」となっています。
材料
- 水…400ml
- 三温糖…400g ※上白糖でも可(透明に近い薄い色味になる)
- クローブ(ホール)…40粒(約4g)
- カルダモン(ホール)…20粒(約6g)
- シナモンスティック…3本 ※なければシナモンパウダー小さじ1を手順4で加える
- バニラビーンズ…1/2本(7~8cm) ※なければバニラエッセンス5~6滴を手順4で加える
- レモン(ノンワックスのもの)…2個
工程
1、シナモンスティックは手で半分に折り、カルダモンはキッチンバサミで半分に切り種を取り出す。バニラビーンズは縦に切れ目を入れ、包丁の背で中の種をこそげながら取り出す。
2、レモン1個は、厚さ5mmほどの輪切りにする。もう1個は半分にカットし、絞り器やフォークを使って果汁を絞る。絞った皮はさらに半分に切り、5mm幅ほどの細切りにする。
3、1L以上の容量のあるホーローやステンレスなどの酸に強い鍋を用意する。水、三温糖、シナモンスティック、クローブ、レモンは輪切りと皮を入れ果汁は残しておく。
※シナモンパウダー、バニラエッセンスを使用する場合はここでは入れない。
沸騰したら鍋がふつふつとする程度の弱めの中火に落とし、約10分煮る。
4、火を止めて鍋に入れたまま粗熱をとる。粗熱がとれたらレモン果汁を加える。シナモンパウダー、バニラエッセンスを使用する場合はここで加える。鍋に入れたまま秋〜春は常温で、夏は冷蔵庫に移し1日ほど寝かせて味をなじませる。
5、目の細かいザルで濾し、レモンやスパイスのかけらなどを取り除く。清潔なペットボトルやガラス瓶などの保存容器に移して冷蔵庫で保存する(冷蔵で約2週間保存可能)。
コーラシロップ50mlを、炭酸水250~300mlで割って飲むのがおすすめとのこと。コーラシロップ1:炭酸水5~6が目安ですが、お好みで調整してください。
キッチンバサミや手でスパイスを割っていると、部屋いっぱいにスパイスの香りが広がりなんともいい香り。鮮烈で爽快感のある香りはわくわく感を掻き立てます。レモンやたっぷりのスパイスを入れた鍋は見映えもよく、できあがりが一層楽しみになります。
さてこうして作ったクラフトコーラですが、味がなじむ前のクラフトコーラは一体どんな味なのでしょう。手作りだからこそ味わえるできたて、粗熱が取れたコーラシロップを炭酸水で割って飲んでみました。
スパイスの苦味が強くレモンの酸味もあり、ちょっと顔をしかめる感じ。いつもは赤いラベルのコーラが大好きな娘は途中でギブアップ。息子は「苦味があるけどおいしい」とおかわりを要求するほど気に入っていました。確かにかなりのクセがありますが、このスパイシーな味わいはやみつきになりそうです。
茶こしで漉してもスパイスが少し残りますが、飲むときに気になるほどではありません。
一晩寝かせてから飲んでみると、苦味は少し落ち着き酸味はやわらぎ飲みやすくなりました。市販のレモン果汁だと酸味が強くなってしまうので、量を減らして調節してください。
アレンジも楽しめるクラフトコーラ
【クラフトコーラ 作り方のアレンジ】
レシピ通りに楽しむのもいいけれど、お好みのスパイスを加えてアレンジもおすすめです。
冷えが気になるこれからの季節、家にあった材料で早速アレンジしてみました。二度目なので生姜とブラックペッパーを入れ、レモンを柚子に変えてクラフトコーラを作ってみることに。
薄切りにした生姜1かけを、シナモンスティックやクローブと同じタイミング(レシピ手順3)で入れ、家にあったブラックペッパー小さじ1/3を果汁と同じタイミング(レシピ手順4)で入れました。ホールのブラックペッパーを使う場合は小さじ1を潰し、他のスパイスと一緒にレシピ手順3で一緒に煮ます。
柚子は実家で採れたものなので、店頭で売っているものよりは直径4〜5cmほどと小さめ。柚子1個は厚さ5mm程度の輪切りに、もう1個は果汁を搾って残しておき、その皮は5mm程度の細切りにしてレモンと同様レシピ手順3で入れました。柚子果汁はレシピ手順4で入れました。
生姜1かけでもそれほど強く生姜の味は感じませんでした。もう少し生姜の味を感じたいので、次に作る時はもっと生姜の量を増やしてみようと思います。ブラックペッパーもそれほど感じられなかったので、小さじ1/2くらいに増やしてみても大丈夫そう…と飲みながら次のクラフトコーラ作りを考えてしまいます。
ブラックペッパー以外にも、コリアンダーシードやナツメグを加えるのもおすすめとのこと。今回のようにレモンを柚子に変えたり、レモンにオレンジやライムを組み合わせて使ってみたりとアレンジを楽しめます。作りながら自分好みの味を作っていけるので、自分好みのクラフトコーラを作る楽しさも味わえます。
また三温糖に変えて、てんさい糖やきび砂糖を使ってみたり、カラメルを使用するのもおもしろそう。上白糖を使えば透明に近い薄い色味になり、ホワイトなコーラを楽しむことができます。
【飲み方のアレンジ】
クラフトコーラは炭酸水で割って飲むのが一般的ですが、この飲み方でもアレンジも楽しめます。
一番簡単なのが、炭酸水の代わりにお水やお湯で割ってみるアレンジ。お湯で割ったホットコーラはほうじ茶のような見た目。芯から体が温まるような、いい感じです。甘さの中にあるスパイスの刺激が心地よく、寝る前に飲むとぽかぽかとしていつもよりぐっすり眠れたような気がします。
また、少し変わった飲み方ですが意外においしいのがミルク割り。コーラシロップと炭酸水、牛乳を1:1:2で割ると、これまで味わったことのない新しいコーラに出会えます。
クラフトコーラのスパイシーな部分がやわらぎ、牛乳のまろやかさの奥にコーラの甘みを感じられます。あとからふわっとやさしくスパイスの風味を感じられ、ほのかに感じる微炭酸。チャイのようなラッシーのような、不思議な飲み物です。
炭酸水を入れずに、コーラシロップと牛乳を1:4で割るともっと濃厚な味になります。牛乳だけで割った方が酸味を強く感じ、ラッシーのようにとろりとするのでお子さんでも飲みやすい味になりますよ。
初めてのクラフトコーラ作りは、スパイスさえ揃えれば思っていた以上に簡単。そして思っていたよりもずっとおいしい。予想していたよりもアレンジも幅広く自由なので、次はこうしてみようとこれまで常備していた市販のコーラを買わなくなるほどハマってしまいました。ぜひこの冬は自分好みのクラフトコーラを作ってみてはいかがでしょうか。