子どものころ好きだったお菓子を覚えていますか? 聞かれてパッと思い付くお菓子もあれば、お菓子売り場でふと見つけて「ああ、これ好きだったな」と思い出したりするお菓子もあります。記憶の奥底で眠ってたお菓子に会うと、思い出が一気によみがえります。
私が今回出会った記憶に残るお菓子は、八雲製菓の「ウイスキーボンボン」です。
子どものころ、ちょっと背伸びした大人気分を味わった「ウイスキーボンボン」とは
子どものころ、いつも食べているお菓子とはちょっと違う、大人っぽさを味わえるお菓子がありました。
例えば秋になると販売される、ラムレーズンが入ったロッテの「Rummy(ラミー)」。他のラムレーズンとは違って濃厚なラム酒の香りと風味が味わえるチョコレートは、1片しか食べさせてもらえないことも子どもにとっては特別なお菓子でした。
ウイスキーボンボンとは
そしてもっと特別なお菓子が「ウイスキーボンボン」です。
ボンボンとは、フランス発祥のブランデー・ウイスキー入りシロップなどをチョコレートなどで包み込んだ菓子。
日本ではキャンディーに入ったウィスキーボンボンがよく知られています。
外側は半透明のきれいな色、そしてカリッとしていて中からウイスキーが出てきてシャリシャリとした独特な食感。いつもあるお菓子ではなく、頂き物だったり親戚の家で食べたりした印象の方が強いです。
「ウイスキーボンボン」を作る八雲製菓は、今は甘納豆やゼリー菓子を中心に製造していますが、「ウイスキーボンボン」が原点になっています。砂糖の中にお酒を閉じ込めるという難しい技術に加え、素材の質、気温や湿度にも気を配るという「ウイスキーボンボン」を作る時の姿勢が、今もお菓子作りにいかされているのだとか。
関東地方で「ウイスキーボンボン」を買えるお店
最近ではすっかり「ウイスキーボンボン」も見かけなくなって、その存在はすっかり記憶の奥へと仕舞い込まれていました。何年ぶりというレベルではなく、何十年ぶりなんじゃないかなというくらい。
久々に「ウイスキーボンボン」を見つけたのは、お菓子問屋の「二木の菓子」でした。
「二木の菓子」は関東地方にお住まいの方なら一度はおなじみのCMを見たことがあるのではないでしょうか。
菓子問屋の「二木の菓子」には、日本のお菓子や海外のお菓子などが数多く揃っていています。「良い品が安く何でも揃う二木の菓子」がキャッチコピーで、珍しいお菓子も安いので、私がよく行くアメ横にある店舗はいつも人があふれています。
「二木の菓子」で「ウイスキーボンボン」を見つけた瞬間、ぶわっと胸に広がる甘く懐かしい思いが広がりました。
大人になってから味わう「ウイスキーボンボン」
しばらく手に取って眺めてしまうほど懐かしさを覚えます。まるで子どもの頃の手紙でも見つけたような、そんな気持ち。この手描き風のグラスやお酒の瓶が描かれたパッケージ、そそして透けて見える色とりどりの「ウイスキーボンボン」。大人になった今見ても十分ときめきます。
開けてみると、個包装された「ウイスキーボンボン」が出てきます。子どもの頃はキャンディのようにくるくるっと包まれていたように思いますが、今は透明の袋に入れられています。
白、黄色、ピンク、緑。淡い色の「ウイスキーボンボン」を口に入れると、ひんやりとしていてつるんとした舌触り。カリッと噛んでみると中からウイスキーが出てきて、シャリシャリとしたボンボンの食感を楽しめます。ウイスキーの風味が強かったような気がしていましたが、それは子どもだったからかな。
大人になったからこそできる「ウイスキーボンボン」の楽しみかたもあります。紅茶やコーヒーに入れてみたり、炭酸水に入れてみると甘みだけでなくほんのりとウイスキーの香りを楽しむことができます。
あまりの懐かしさに友人にもおすそわけしてみたくなりました。なにかと慌ただしいこの時期、少しでも癒やされる時間を過ごせますように。