進化する食卓

油茂製油「玉絞め一番搾りごま油」の秘伝技法

千葉県香取市にある油茂製油は、創業350年以上の老舗の油屋です。現存する日本最古の油屋で、22代目に至る今まで「玉絞め」という伝統的な搾油方法でごま油を製造しています。こだわりの「玉絞め一番搾りごま油」、どのように作られているのでしょうか。

油茂製油「玉絞め一番搾りごま油」はの製造方法

「玉絞め一番搾りごま油」は、ごまを精選→釜炒り→放冷→砕く→蒸す→搾油→ろ過と言う流れで作られています。

精選:「玉絞め一番搾りごま油」に使われているのは厳選された白ごまです。ごま油作りでは、黒ごまではなく油分の多い白ごまが使われることが多いです。

釜炒り:白ごまをふるいにかけ、直径1m以上もある大きな釜で炒ります。一度に60kgの白ごまを約1時間かけてじっくりと焙煎します。この焙煎で油の色や香りが決まるので、経験と勘が必要なごま油作りの中でも一番神経を使う作業です。

放冷::焙煎されたごまを木の床に並べて冷まします。35〜40℃の人肌程度まで冷やすことでたんぱく質を凝固させ、油を出やすくします。

砕く:白ごまを機械ですりごま状にします。

蒸す:底に穴が空いた木桶に20kgほど仕込んで、100℃以上の蒸気で3分ほど蒸します。蒸しあがった白ごまを、3段でできた鉄の枠(金輪)に木の杵で押し込み、麻袋に包めば玉絞めのセットが完了します。

秘伝技法の「玉絞め」は、油の風味を損ないません

搾油:蒸した白ごまを入れた金輪を玉絞め機に装填し、水圧で下の台がゆっくりと上昇していき搾油が始まります。上からぶらさがっている正当石(しょうとういし)が押し付けられ、少しずつ油が滴り落ちてきます。他の搾油法に比べて圧力が小さいので、油の風味を損わずに手で絞るのに近い方法で搾油できます。20kgの原料から7kgほどしか油がとれないので、1時間以上かけてじっくりと搾ります。

ろ過:搾油した油を一昼夜自然沈殿させ、その後、「こうぞ」から作られた和紙でろ過します。ここでは圧力を一切加えないので、自然で優しい風味のごま油になります。最初の精選からろ過まで4日ほどかけて完成します。

このようにじっくりと手間暇をかけて作られる油茂製油「玉絞め一番搾りごま油」は、2人がかりで1日4回搾っても月産10tしか生産できません。その量は最大手メーカーの1/100以下ですが、ここでしか味わえない最高のごま油です。

「玉絞め一番搾りごま油」油茂製油の公式サイトはこちら

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ひがのあや
東京都品川在住。小学生の2人の子供を育てながら、ファッション・グルメ・トラベル系のWEBライターとして取材・ライティング・リサーチ業務を行う。長いお休みには国内旅行で美味しいモノを食べ歩き、普段は時間があればアンテナショップやデパ地下を巡っている。