シニア食

ユニバーサルデザインフードとは 誰もが安心して楽しめる食卓

誰もが安心して食事を楽しむことができる社会を目指していくために、近年「ユニバーサルデザインフード」という考え方が注目されています。病気や怪我によって、一人で食事をすることが困難になったり、食べ物を噛むことが難しくなったりすることは、普段は問題なく食事ができる人でも起こり得ることです。「ユニバーサルデザインフード」とはどのようなものなのか、詳しく解説します。

ユニバーサルデザインフードは人々の理解とサポートが必須

普通に食事ができない人とは、どのような人でしょうか。高齢者や障害がある方などが一番に思い浮かぶかもしれませんが、一概に「こういう人」と断言することはできません。様々な事情により、一時的に食事がとれない状態の人もいます。

身体的な原因

  • 高齢者や障害者など、身体機能が低下している方
  • 手術や怪我の影響で、手や口が自由に動かせない方
  • 脳卒中や神経系の病気によって、嚥下機能が低下している方
  • 消化器系の病気によって、食事をうまく消化できない方

精神的な原因

  • うつ病や摂食障害など、精神疾患を抱えている方
  • 高齢者などで、食欲が低下している方
  • 食事に対して恐怖心や不安を感じている方

社会的・経済的な原因

  • 経済的な困窮により、十分な量の食事を摂れない方
  • 介護者や支援者が不足しているため、一人で食事をすることが難しい方
  • 食事の準備や配膳が困難な環境に暮らしている方

ユニバーサルデザインフードは誰もが食事を楽しめる社会を目指す

通に食事ができない理由は多岐にわたります。大切なのは、それぞれの状況や背景を理解し、その人に合ったサポートを提供することです。誰もが安心して食事を楽しむことができる社会を目指していくために、私たち一人一人ができることを考えていくことが重要です。

ユニバーサルデザインフードとは、年齢、性別、障害の有無、文化や宗教、経済状況などに関わらず、誰もが安心して楽しめる食卓を実現するための考え方なのです。

ユニバーサルデザインフードとは(日本介護食品協議会)

ユニバーサルデザインフードの食品を探すには?

ユニバーサルデザインフードの認定は日本介護食品協議会が行っています。日本介護食品協議会はもとは、日本缶詰協会(現・日本缶詰びん詰レトルト食品協会)が、介護食品を製造・販売する会員企業を集めて、介護食のガイドラインを策定したことがきっかけです。

7月11日は「ユニバーサルデザインフードの日」

2003年7月11日に、「ユニバーサルデザインフード」の名称とロゴマークが商標登録されたことを記念して制定されました。

ユニバーサルデザインフードとして認定された商品のパッケージには、下記のような認証マーク(UDFマーク)が記載されています。

出典:https://www.udf.jp/outline/udf.html

ユニバーサルデザインフードには上の表のように、「かたさ」や「粘度」の基準によって、「容易にかめる」「歯ぐきでつぶせる」「舌でつぶせる」「かまなくてよい」の4種類に区分されています。

ユニバーサルデザインフードの選び方

ユニバーサルデザインフードは、食べる人の噛む力や飲み込む力に合った区分を選ぶことが重要です。また、そのまま食べられるものもあれば、調理が必要なものもあります。ライフスタイルや環境にあったものを選ぶことも必要です。多くのメーカーがユニバーサルデザインフードを販売しています。医師や栄養士などの専門家に相談すると、より適切な商品を選ぶことができます。

1. かたさ・粘度

  • 区分1:容易にかめる
  • 区分2:歯ぐきでつぶせる
  • 区分3:舌でつぶせる
  • 区分4:かまなくてよい

2. 形状

  • そのまま食べられるもの
  • 温めるだけで食べられるもの
  • 調理が必要なもの

3. 味・種類

  • 和食、洋食、中華など
  • ご飯、パン、麺類など
  • 肉類、魚介類、野菜など

4. メーカー

  • 独自の規格を設けているメーカーもある
  • 介護食品の専門メーカーもある
介護食とは?|状態に合わせた種類や作るときのポイント、便利な市販品も紹介 介護食は栄養補給だけでなく、楽しみや生きがいを感じてもらうためにも重要です。安全とおいしさを両立できるよう工夫することで、噛む力や飲み...

身近にあるユニバーサルデザインフード

もともとは介護食品のメーカーが中心に開発していたユニバーサルデザインフードですが、最近ではさまざまなメーカーが参入して、新しい食の形が広がってきています。

■ココイチ初のユニバーサルデザインフード「やわらかカレー」
日本国内でカレー専門店チェーンを展開する、カレーハウスCoCo壱番屋は、2022年11月に「やわらか野菜カレー」という、ユニバーサルデザインフードを発表しました。食べ物が食べづらくなった方でもココイチのカレーをお楽しみいただけるように、との思いからできた商品です。

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参照:ココイチ初のユニバーサルデザインフード“歯ぐきでつぶせる”「やわらか野菜カレー」を11 月 1 日より公式通販ショップで販売開始

■山崎食パンの「ダブルソフト」「ふんわり食パン」

山崎製パンは、食パン「ダブルソフト」と「ふんわり食パン」に、高齢者や幼児など「かむ力」が弱い人も安心して食べられることを示す「UDFマーク」の表示を開始しました。ソフトな食感が特徴の「ダブルソフト」と「ふんわり食パン」にUDFマークを表示することで、高齢層や幼児なども安心して食べられることの理解を深めることにつなげたいとしています。

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旅する食卓編集部
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