シニア食

介護食宅配サービスの選び方|重視すべきポイントやおすすめのサービスを紹介

「時間や手間がかかる」「レパートリーが少なくて食べ飽きないか心配」など、介護食作りに悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。宅配サービスを利用すれば、介護食にまつわる負担を大幅に軽減できます。食べやすい「かたさ」や「とろみ」になるよう調理されているのはもちろん、おいしさや栄養バランス、彩りまで工夫が施されているので、食べる人にとっても高い満足感を得られるはずです。

しかし、多くの業者が取り扱っているうえに常温・冷蔵・冷凍と種類も多いことから、どれを選んでいいかわからない方も多いはず。そこで今回は、介護食宅配サービス選びで重視すべきポイントを解説します。

介護食宅配サービスを利用するメリット

介護食宅配サービスには次のようなメリットがあります。

  • 献立を考える必要がない
  • 容器のまま温めるだけなど提供に手間がかからない
  • 栄養バランスに優れている
  • 味や食感だけでなく見た目にもこだわって作られている

介護食宅配サービスの最も大きなメリットは、食事作りにまつわる時間と手間を大幅に省ける点です。使い捨ての容器に複数のおかずが盛り付けられているのが一般的で、「献立作り」から「調理」「盛り付け」「片付け」まで、介護者の負担を軽減できます。

また、自宅で作る介護食は「刻み食」や「ミキサー食」などが一般的で、見た目が損なわれがちです。介護食宅配サービスでは、通常食の見た目のまま歯茎でつぶせる柔らかさに調理した「やわらか食」や、料理をペースト状にしたものをムース状に成形した「ムース食」など、食欲をそそるような見た目に仕上げられています。食べる楽しみを感じられるよう彩りや季節感などにも配慮され、食事の時間をより豊かなものにしてくれます。

このように、介護食宅配サービスは介護する側とされる側双方にとって大きなメリットがあります。

介護食宅配サービスを利用するデメリット

介護食宅配サービスはメリットが多い反面、次のようなデメリットもあります

  • 自炊に比べると費用がかかる
  • 対面での受け取りが必要な場合もある
  • メニューが選べない場合が多い

介護食の宅配弁当の価格はサービス業者や商品の種類、セットの食数などにより異なりますが、相場は1食あたり600~800円程度です。自炊に比べて高額で、毎日利用すると費用負担は大きめです。

また、サービス業者が置き配に対応していない場合は、受け取り時に在宅している必要があります。さらに、メニューはおまかせの場合が多く、苦手なものが多い方にとってはデメリットと感じるかもしれません。

介護食宅配サービスの選び方

介護食は通常の食事に比べて安全性や栄養バランスが求められるため、宅配弁当選びは慎重におこなう必要があります。どんな点を重視して選ぶと良いか見ていきましょう。

介護食宅配サービスの選び方①食べやすく調理されている

料理のかたさが噛む力や飲み込む力に合っていないと、食べにくくて食が進まなかったり、誤嚥のリスクも高まります。このため、まずは食べる人にとってちょうど良いかたさに調理されていることが重要です。

介護食宅配弁当では通常食より柔らかく調理した食事のほか、嚥下機能が低下した方でも食べやすい「ムース食」が選べる場合もあります。安全かつ快適に食事を楽しんでもらうため、食べる人の噛む力や飲み込む力に合った商品を選びましょう。

介護食宅配サービスの選び方②味がおいしい

介護食は栄養や食べやすさだけでなく、おいしさも重要です。味がおいしくないと食べ続けることが難しくなり、結果として栄養不足におちいる可能性もあります。

おいしさを確認するためには、まずは「お試しコース」などで実際に食事を試してみるのがおすすめです。食べる方の好みに合うかどうかを確認したうえで、継続して利用するか決められます。

介護食宅配サービスの選び方③使いやすい保存温度        

メリットデメリット
冷凍長期保存が可能で必要なときだけ利用することも可能冷凍庫のスペースが必要保存期間や解凍方法によっては風味が損なわれる場合もある
冷蔵食材本来の風味を感じられる消費期限が短く保存がきかない
常温作りたてで新鮮見守りサービスがついている場合も多い消費期限が短く保存がきかない対面での受け取りが必要

介護食宅配弁当には、冷凍・冷蔵・常温の商品があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。味や賞味期限、配送方法などを比較して最も使いやすい温度帯の商品を選びましょう。

最も主流なのは冷凍商品で、賞味期限が長いことから配送に対応している地域が広く、必要なときだけ利用したい方にも向いています。一方で、1度に7~14食程度まとめて配送されるため広い冷凍スペースが必要です。

冷蔵や常温は冷凍に比べて素材本来の味を楽しめます。しかし、消費期限が短いことから配達エリアが限られていて、お住いの地域によっては利用できない場合もあります。

介護食宅配サービスの選び方④続けやすい価格

介護食宅配弁当の価格は1食あたり600~800円が相場ですが、300円台のリーズナブルなものから1,000円以上の豪華なものまで幅広い差があります。利用頻度も考慮して、家計を圧迫しない価格の商品を選びましょう。

基本的には必要な都度購入するより、定期コースに申し込んだ方が価格は安くなります。また、一度に配送する数が多いほど1食分の価格は安くなります。業者によっては別途送料がかかる場合もあるため、送料を入れた1食あたりの価格で比較しましょう。

介護食宅配サービスの選び方⑤健康状態に合わせて選べる

基本的に介護食の宅配弁当は、高齢者に必要な栄養をバランスよくとれるよう献立が作られています。ただし、持病があったり健康を気にする方にとっては糖質や塩分量が多すぎる場合もあるため、1食あたりの標準栄養価を確認したうえで選びましょう。

サービス業者によっては塩分制限食や糖質制限食など数種類のコースから選べます。食事制限がある方や健康状態に合わせて食事を摂る必要がある場合は、このような商品を選ぶとよいでしょう。

おすすめの介護食宅配サービス

ここまでご紹介した介護食宅配弁当の選び方をふまえ、おすすめのサービスを2つ紹介します。どちらもやわらか食とムース食を取り扱っており、離島など一部の地域を除き全国宅配可能なので、サービス選びの手間を省きたい方にもおすすめです。

おすすめ介護食宅配サービス①ベネッセのおうちごはん

介護食の種類やわらか食、ムース食
温度帯冷凍
1食あたりの料金590円~(ムースのおかずFセット8食)
お試しセット
定期便やわらか食のみ対応(週7・14食)
送料1セットの注文につき送料全国⼀律790円
メニュー選択おまかせのみ
主食(ご飯)の有無

健康で生き生きとした毎日を過ごしていただきたいという思いを込められた「ベネッセのおうちごはん」。管理栄養士が献立の栄養管理をおこない、味や食感を楽しんでもらえるようプロの調理師が日々料理を追求することで、安心とおいしさを両立しています。

介護食はやわらか食とムース食があり、やわらか食は定期便に対応。飽きがこないよう工夫された日替わりメニューが楽しめます。

おすすめ介護食宅配サービス②健康うちごはん

介護食の種類やわらか食(通常・栄養強化・減塩)、ムース食
温度帯冷凍
1食あたりの料金642円~(MFSムース食週14食定期コース)
お試しセット
定期便全品定期便対応(週6・7・8・10・12・14食)
送料全品送料込み
メニュー選択週6食定期コースのみ肉、魚の選択可
主食(ご飯)の有無

医療・介護食専門メーカー「メディカルフードサービス」の提供する「健康うちごはん」は、厳密な栄養計算とおいしさの追求により「食べられる幸せ」をお届け。やわらか食は通常のタイプ以外に栄養強化食と減塩食があり、食事制限がある方でも利用できます。

やわらか食、ムース食ともに定期コースがあり、週6~14食までライフスタイルに合わせて選べます。また、週6食定期コースは肉コースと魚コースや昼用夜用のバリエーションがあるなど、ニーズにきめ細かく対応できるのも特徴です。

介護食はECサイトでも購入可能

介護食は専門の配食サービスだけでなく、楽天市場などのECサイトでも購入できます。冷凍弁当タイプやレトルトタイプなど、嚙む力や飲み込む力、味の好みなどに合わせて多くの商品から選べたり、価格を比較しやすいのが特徴です。

「必要なときだけ購入したい」「より手軽に注文したい」「献立を確認してから購入したい」という方は、ECサイトで探してみてはいかがでしょうか。

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介護食宅配サービスは続けやすさで選ぶのがおすすめ

介護食の宅配サービスは、調理や提供などの手間を省けるだけでなく、おいしく味わえるよう作られています。「介護食作りの負担を軽くしたい」「いつまでも食べる楽しみを感じて欲しい」という方は、上手に取り入れてみてはいかがでしょうか。

食事は毎日のことなので、「味がおいしい」「値段が手頃」「注文しやすい」など、続けやすさを重視して選ぶのがおすすめです。まずはお試しセットを取り寄せて、より続けやすいサービスを探してみてはいかがでしょうか。

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旅する食卓編集部
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