とろけるような食感の求肥を大納言小豆のあんでくるんだ「あも」を始めとした、人気商品がたくさんある「叶 匠寿庵」。全国の百貨店に店舗がありますが、その発祥は滋賀県で大津市には農園も持っています。「寿長生の郷(すないのさと)」と名づけられた農園の広大な敷地には、和菓子の材料となる梅や柚子が植えられ、季節ごとに来園者の五感を楽しませてくれます。梅の実が熟す梅雨の時期、「寿長生の郷」の梅狩りに行ってきました。
【「寿長生の郷」へのアクセス】無料シャトルバスも!
「寿長生の郷」は、琵琶湖から流れる瀬田川の丘陵地にあります。市街地からは遠いため、自家用車での来園者がほとんどです。名神瀬田西・東インターからはともに約20分で、大阪や名古屋方面からも多くの観光客が訪れます。
最寄駅のJR琵琶湖線石山駅からは、無料シャトルバスが1日4往復運行しています。タクシーで20分ほどの距離のため、無料なのは大変ありがたいです。
「寿長生の郷」の梅はどんな梅?
「寿長生の郷」には城州白梅(じょうしゅうはくばい)という品種が約1,000本も植えられています。
他の品種よりも熟す時期が遅く、例年6月下旬から収穫が始まります。
実が大きくなるにつれて白っぽくなるのがその名の由来。大粒で果肉が厚く、桃のような甘い香りの高級品種です。しかし他の品種と比べると収穫量が少なく、京都府城陽市の青谷地域以外ではほぼ栽培されていないそうです。
叶 匠壽庵の創業者は梅の菓子に合う素材を求めて全国を歩き、この品種にたどり着いたのだとか。
6〜7月初旬に楽しめる「寿長生の郷」の梅狩り
梅狩りの参加費はひとり500円。
ですが、梅狩りをするとお菓子の購入や食事に使える500円券がもらえます。また「寿長生の郷」で食事などをすると、そちらで梅狩りの無料券がもらえます。
梅狩りは実質無料ですが、収穫した梅を持ち帰るには別途料金が必要です。受付時に持って帰りたい量を伝え、1kgあたり1,080円支払い、渡されたビニール袋に収穫した梅を入れていきましょう。
粒が大きく、黄色みがかった実を選んで収穫します。
日が良く当たった梅は鮮やかな赤みが差し、いい香り。
梅が傷つかないようにそーっと袋に入れ、袋の端が閉じられるくらいまで集めたら最後に計量してもらいましょう。
1㎏を越えた分は100gあたり108円で持ち帰ることができます。
収穫後には梅ジュースをいただきました。
フルーティーな香りとスッキリとした酸味と甘味が、疲れた身体に染みわたります。
梅酒? 梅ジュース? 収穫した梅の使い道は?
城州白梅は粒の大きさが特徴的な品種です。
大きいものだと60gにもなるのだとか!
60gといえばMサイズの卵とほぼ同じくらいのサイズ…サイズ感が伝わったでしょうか?
そこまで大きなものは見つけられませんでしたが、家に帰ってから量ってみると45gを越える梅がいくつもありました。
南高梅でいうと4Lくらいのサイズ感です。
香りが良く、果肉が厚く柔らかい城州白梅。
梅酒・梅干し・シロップ・梅ジャムとどんな用途にも使えます。
特に梅干しにすると、粒が大きく立派なものが仕上がるとのこと。
合計2㎏の梅を持ち帰ったので半分は梅干しに、残りは梅酒と梅シロップにすることにしました。
うち2粒分は黒糖梅酒に。
粒が大きい城州白梅だからこそ少量アレンジも楽しめます。
どんな味に仕上がるか楽しみです。
>>「叶 匠寿庵」を楽天市場で探す懐石料理から近江食材、カフェまである「寿長生の郷」
「寿長生の郷」には懐石料理や季節のお弁当が味わえる予約制の「山寿亭」、
伊吹そばなど滋賀の食材を使ったメニューが楽しめる「梅窓庵」、
甘味処の「囲炉裏端茶屋」やモーニングメニューの用意がある「Bakery&Café野坐」があります。
梅窓庵は、地元・近江で活躍した杉浦梅窓にちなんで名づけられたそうです。
大きな窓からは広大な梅林を眺めることができます。
梅おろし蕎麦は、大粒で甘い梅干しを崩しながらいただきます。
さっぱりとして、蒸し暑い梅雨の時期でもサラリと味わえるメニューです。
梅酒ゼリー「標野(しめの)」のリニューアル記念で、まるごと1つ出していただきました。
アルコールは1%未満ですが、味はまさに梅酒。
爽やかな梅の香りが楽しめる大人にぴったりのゼリーです。
「寿長生の郷」だけでしか買えない叶 匠寿庵のお菓子も
「寿長生の郷」にはもちろんお菓子売り場もあります。
叶 匠寿庵の定番商品「あも」や、梅酒ゼリー「標野」のほか、ここでしか扱っていない生菓子もあります。
お菓子売り場のとなりにあるホールでは、梅干しや梅ジュースなど梅を使った商品が販売されていました。
昔ながらの梅干しはもちろん、ストロベリー梅干しやメープル梅干しなどちょっと変わった商品もあります。
「寿長生の郷」はファミリーでの散策もおすすめ!
自然豊かな寿長生の郷は、家族連れにもおすすめです。
63,000坪の広大な敷地には、季節ごとに表情を変えるたくさんの草木とテーマパークを思わせる古民家もあります。
ご夫婦で、家族で、カップルで、どなたでものんびりと散策をしながら一日中楽しめます。
梅の花が咲く季節には「梅まつり」が開かれ、景色や香り、季節限定のお菓子など五感で春を感じることができます。
山羊牧場では山羊に餌をあげることも。
1つ1つ選んで収穫した大きな梅の実は、とても愛おしく感じます。
梅好きの方は、「寿長生の郷」の梅狩りに足を運んでみてはいかがでしょうか。