幸せな1日を過ごしたいなら、パワースポットで味わう特別でおいしい朝ごはんなんていかが? 世界的に有名なお店の朝食もいいけれど、心落ち着くのはやっぱり和食。築地本願寺の本堂や境内を眺めながら、築地のおいしいもの18品をいただく優雅なひととき。なかなか予約が取れないと噂の朝食を体験してきました。
まずはお参り!インド様式の建築美にうっとり「築地本願寺」
「築地本願寺」は耳にしたことはあるけれど、実際に訪れたことがある方は意外と少ないのではないでしょうか。
築地本願寺は、京都の本願寺(西本願寺)を本山とする浄土真宗本願寺派の寺院です。
1617年に浅草近くで創建されましたが、1657年に起こった「明暦の大火」で本堂が焼失してしまいます。江戸幕府から再建の地として与えられたのが当時は海上だった現在の場所です。
海を埋め立て、土地を築き、本堂を建立したことから「築地」という名の由来になりました。
1923年には関東大震災による火災で再び本堂は焼失してしまいましたが、1934年に再建され、現在の本堂の姿となりました。現在、長期修繕工事に入っていますが通常通りお参りできます(〜2027年4月予定)。
「築地本願寺」は正門から入るのが絶対におすすめです!
築地本願寺本堂の外観は一般的なお寺の印象とは大きく異なり、インドを思わせるアジアの古代仏教建築を模した荘厳な雰囲気には圧倒されます。
現在の本堂の設計は、東京帝国大学(現・東京大学)名誉教授で建築史家の伊東忠太博士。
建築研究のためにアジア各国を旅した伊藤博士と、仏教の伝来ルートを明らかにするためシルクロードを探検隊と共に旅した大谷光瑞(当時の浄土真宗本願寺派門主)が出会った縁によるものだそうです。
本堂入口のステンドグラスや柱の動物の彫刻が醸し出すオリエンタルな雰囲気からは、仏教伝来のルーツを感じることができます。
本堂の中は撮影禁止ですが、HPや公式Instagram、Xで本堂の中を見ることができます。
圧倒されるほどの金色に驚いたのではないでしょうか。
月に一度、どなたでも参加できるパイプオルガンコンサートがランチタイムに開催されています。気軽に「築地本願寺」の魅力を味わうことができます。
また、Xのhideさんの葬儀が行われたご縁からYouTubeではハラミちゃんがパイプオルガンで演奏する『Forever Love』を聴くことができます。
実際に足を運ぶ前に「築地本願寺」の雰囲気を見てみたいなら、YouTubeをどうぞ。
タイミングが合えば、ライブでお坊さんによる仏さまのお話を聞くことができます。築地本願寺法話を聞く場合は、費用や申込も不要で参加できます。
築地駅から直結!アクセス抜群の「築地本願寺」
「築地本願寺」は銀座や月島といったエリアからも近く、観光や仕事などのちょっとした空き時間に立ち寄ることもできるほど便利な場所にあります。
特に日比谷線の築地駅は地上に出たら築地本願寺と直結しています。
【築地本願寺への最寄駅】
- 東京メトロ日比谷線築地駅 出口1直結
- 東京メトロ有楽町線新富町駅 出口4より徒歩約5分
- 都営浅草線東銀座駅 出口5より徒歩約5分
- 都営大江戸線築地市場駅 出口A1より徒歩約5分
どの駅からもアクセスがいいので、駅で待ち合わせするより築地本願寺に集合するのがベストです。
本堂の参拝時間は朝6:00から、夕方のお勤め終了後の16:00まで。
築地や銀座エリアを観光する前に立ち寄れば、気持ちのいい1日を始められそうです。
築地本願寺カフェは甘味だけじゃなく食事もおいしい
築地本願寺カフェ「Tsumugi」があるのは、築地本願寺の境内。正門から入って正面に本堂が見えたら、左手に見える建物がインフォメーションセンターで、中へ入ると「Tsumugi」があります。
築地本願寺カフェ「Tsumugi」は予約なしでも利用できます。
ただし、朝食メニューの「18品の朝ご飯」は数に限りがあるため、朝食の時間に行っても終了している場合があります。
どうしても「18品の朝ご飯」を食べたい方は、必ず予約をしましょう。予約さえ取ってしまえば確実に「18品の朝ご飯」を食べられるので、予約したい日の30日前に予約してしまいましょう。
また、こまめにチェックしていると直近の日にちでキャンセルが出ることもあるので、諦めないでチェックしてみてください。
予約済みの方は時間になったら案内してもらえます。
予約のない方は店頭にあるタブレットで受付を済ませ、呼ばれるのを待ちましょう。
平日だったため予約がなくても5〜30分ほどで呼ばれているようでしたが、週末には1時間ほど待つこともあるようです。
築地本願寺カフェ「Tsumugi」の営業時間は8:00~18:00、年中無休です。
メニューは大人気の「18品の朝ごはん」だけでなく、お茶漬けや30品目のバランスブッダボウル、定食やハンバーグや京抹茶の生パスタなど、意外と言ったら言葉は悪いですが、お食事メニューも豊富にそろっています。
豊富なのは食事だけではありません。
モンブランやブリュレなどのケーキやあんみつ、パフェなど、ちょっとしたカフェよりもスイーツメニューも充実しています。
天然氷を使った、ひとつひとつ手作りのかき氷もあります。お好みで練乳や様々なフルーツソースなどの追加トッピングを楽しめ、かき氷専門店のような本格的なふわふわで濃厚なかき氷を食べられます。
ドリンクは日本茶だけでも宇治玉露やかぶせ茶、和紅茶など6種類、親鸞聖人好みやバランス、アクティブなどオリジナルブレンドハーブティーも6種類あります。
抹茶ラテやほうじ茶ゼリーラテなどお茶を使ったオリジナルドリンクや、コーヒーやみかんジュースもあります。
築地本願寺カフェ一番人気「18品の朝ご飯」を実食!
私たちの予約は10:00。5分ほど前に到着し、念のため店員さんに来店していることを伝えて待っていると数分で席へ案内してくれました。
大きな窓から外が見える、開放的な窓側の席で、それだけでうれしくなってしまうような素敵なお席です。
メニューはもちろん「18品の朝ごはん」!
日本茶がセットになっているので温茶か冷茶を選びます。セルフサービスですが、カウンター近くにお水も用意されています。
温茶に使われているのは、三重県産や福岡八女産のかぶせ茶。
摘む前の茶葉に布をかぶせることでお茶の色味が鮮やかになり、渋みの少ないまろやかな風味が特長です。冷茶に使われているのは鹿児島県産深蒸し茶。濃厚なコクとうまみがあり、美しく澄んだ色が特長です。
メニューに書かれている説明を見ながらお茶を淹れていると、すぐに「18品の朝ごはん」が運ばれてきました。四角いお盆いっぱいに乗せられた18品に胸がときめきます。
この「18」という数字にも意味があります。
「いのちあるものをすべて救うことのできる仏になりたい」と決意された阿弥陀さまが、長い間考えをめぐらせて48の願いを建てられました。
その18番目の願いが「本当に安心できる世界に、いのちあるものすべてを平等に生まれさせたい」というもの。
築地本願寺ではこの18番目の願いを、阿弥陀仏の根本の願い=本願(ほんがん)として大切にしているのだそうです。
「18品の朝ごはん」の18品の内容は、お粥とお味噌汁、16種類のおかず。
お粥のおかわりは無料です。小さいお皿にちょこっと乗っているおかずは、築地の名店やおなじみの和食のおかずが並んでいます。
【上段】
- 南高梅梅干 / 築地江戸一の黒豆 / 湯葉いくら / 築地江戸一の甘口昆布の佃煮 / オレンジ(季節のフルーツ)/ 抹茶ゼリー
私のお気に入りは「南高梅梅干」と「湯葉いくら」。酸味と甘みのバランスのいい大粒の梅干はお粥に良く合い、湯葉の濃厚な風味といくらの塩気はほっとするおいしさです。
【中段】
- つきぢ松露の卵焼き / 揚げ茄子大豆そぼろ / 里芋田楽/豆腐の柚子あん / 卯の花(季節の副菜)/ 海苔明太
中段はこってりめもさっぱりめも楽しめます。「卵焼き」はしっかりかためでしっかり甘いのがたまりません。むちっとした里芋と味噌のハーモニーの「里芋田楽」や冬らしい爽やかさを味わえる「豆腐の柚子あん」がお気に入りです。
【下段】
- お粥 / タコの塩麹和え / 合鴨の山椒焼き / 築地紀文のお魚とうふおぼろ揚 / 築地吉岡屋のべったら漬け / お味噌汁
「お粥」は5〜7倍粥の間くらいで、ほどよくお米の粒が残っていて温かさとやさしいとろみに胃がほっとします。
「タコの塩麹和え」や「合鴨の山椒焼き」は、やさしい味のおかずが多い中で食感や鴨の風味がいいアクセントになっています。
築地本願寺での朝食はもっと敷居が高いのかなと不安でしたが、そんな心配はまったくいりませんでした。
築地本願寺という神聖な場所でおいしい食事をゆったりと楽しむ、こんな贅沢はなかなかありません。ぜひパワースポットでもある築地本願寺で、気軽に絶品朝食を食べに行ってみませんか?