群馬県高崎市の名物を聞かれたら「高崎パスタ」を思い浮かべる方も多いのでは? 高崎市では「キングオブパスタ」という来場者が投票して優勝を決めるコンテストが今年で16回目を迎え、高崎パスタを盛り上げる一大イベントに成長しています。今回は高崎をはじめとする群馬のパスタ界のパイオニアとも言われている群馬の老舗イタリアン「シャンゴ」でパスタを堪能してきました。
「シャンゴ」をはじめとする高崎パスタとは?
群馬県は人口に対してイタリア料理店の割合が多く、上毛新聞によると人口10万人あたりの店舗数は全国1位なのだとか。
高崎パスタの特徴は豊富なメニューとそのボリュームです。
2024年「キングオブパスタ」のメニューを見てもらうと分かるように、「高崎パスタといえばこれ!」といったものはありません。
- トリュフ香る 上州牛 ウシボナーラ
- トリュフ香る 〜魚介のアクアパッツァ地中海風〜
- 自家製パンチェッタとインカのジャガバタポモドーロ プッタネスカ風
- 黒いベスビオ
- 旬の県産ネギと薄切り牛タンのクリーミーポテト
- トマベーゼ
- ガーリックシュリンプとほうれん草のペペロンチーノ タコのトマト煮込み添え
- 上州もち豚ミートソースパスタ
- 高崎産の野菜とプリプリのエビトマトクリーム
- シチリア メンフィ地方伝統の手打ちパスタ カポラータ
- 群馬県産シルクサーモンとクルミのレモンパスタ
- ほろほろ地鶏のゆずコショウ香る 和風クリームパスタ
- 上州麦豚と舞茸の柚子胡椒クリーム
- アジプル ~Stile coreano~
- メカジキと焼きネギのカッチョエペペ ~白ワイン醤油で~
- 群馬県産もち豚ホホ肉と沼田リンゴ ストゥファート・バール仕立て
- Buongiorno! とろける”えばらハーブ豚”の本格ジェノベーゼ
ご覧の通りバラエティーに富んだパスタが揃っているのが高崎パスタ。人気のパスタだけでなく自分だけのお気に入りも見つかりそうです。
「キングオブパスタ」の目的は、「高崎を中心とした周辺地域における小麦文化と豊かな農作物に育まれた食文化を、パスタを通じて再認識するとともに、高崎の食文化の更なる発展を図ること」。どのお店も群馬県産や高崎産の食材を使っているのが特徴です。
小麦の栽培が盛んな群馬県では、品種改良により県オリジナルブランドの小麦も栽培されています。
例えば県内の多くの地域で栽培されている「さとのそら」、平野部で多く生産されている「ゆめかおり」、さらに「百年小麦」や「きぬの波」など地域をあげて生産されている品種もあります。
高崎パスタのボリューム感をシャンゴのパスタで見てみると、Sサイズ150g、Mサイズ200g、Lサイズ250g、LLサイズ300gとなっています。
食べ慣れたファミレスのメニューと比較したかったのですが、パスタの量を明記しているところは見つけられませんでした。
そこで比較してみたのが冷凍パスタ。一般的な冷凍パスタを見てみると大体260〜300g、シャンゴのパスタサイズと照らし合わせるとLとLLの間です。不思議なものでシャンゴのSサイズはこういった冷凍パスタよりも量が多いように感じました。もっちり太めのパスタにたっぷり入った具材がそう感じさせるのかもしれません。
高崎パスタ発祥の「シャンゴ」は群馬県内に7店舗
「シャンゴ」が誕生したのは1969年。今でこそ日本の食卓にすっかりなじんでいるパスタですが、当時はまだまだ珍しかった時代。
東京のホテルで洋食の修行をした現社長の父で創業者の関崎省一郎氏が、出身地の高崎で「シャンゴ」を開店させました。
開店当時はイタリア料理がまだ一般的でなかったこともありパスタの種類は少なく、カレーなどの洋食メニューも提供されていたそうです。修行時代に開発したミートソーススパゲッティが口コミで広がり、そのミートソーススパゲティにとんかつを乗せた「シャンゴ風」や日本で初めてといわれるスープスパゲッティを発案するなど、常に創意工夫にあふれたメニューを生み出してきました。
一方でシャンゴで修行した料理人が独立して開業することが多く、「シャンゴ学校」と呼ばれた時代もあったのだとか。現社長の関崎晴五氏は、群馬県内のパスタ界が競争激化するきっかけになってしまい申し訳なかったと父親から言われたことがあるそうです。ですが関崎氏は、高崎市内でパスタを扱う店が増えたことを「ライバルが増えた」と考えるのではなく、切磋琢磨しながらパスタの街を作りあげてきたと考えていたそうです。
シャンゴの店舗は現在7店舗。高崎市内には徒歩5分ほどの距離にある問屋町本店と問屋町支店、倉賀野バイパス店と3店舗あります。前橋市には前橋石倉店と前橋南店の2店舗、伊勢崎市には伊勢崎店とDue伊勢崎店の2店舗あります。
今回私がお邪魔したのは前橋南店。子どもの頃に家族で食事を楽しんだレストランのような、ちょっぴり懐かしさと郷愁を誘う雰囲気があります。
シャンゴをお得に楽しみたいならランチタイム!
「せっかくだから定番メニューを食べたい」「でも私には辛いかも(多いかも)」と、あれこれ迷ってしまうことってありませんか?
最近では「おいしいお店は何を食べてもおいしいはず!」と信じて自分の食べたいものを楽しむことも増えました。シャンゴのパスタは量が多いので、何人かでシェアして食べてもいいですね。
シャンゴのランチタイムは11:00〜16:00ですので、シャンゴでの食事をお得に楽しみたい方や初めてシャンゴを訪れる方におすすめです。
今回注文したのは休日限定の「シャンゴランチ」で、気まぐれサラダ、パスタS(150g)、ドリンクがセットになっています。
私が訪れた店舗では、3種類のパスタから1つ選べました。
- 山と海の幸をふんだんに使用した「モンテマーレ」
- 辛口トマトソースのパスタにミートソースと温泉卵を乗せた「シスポーザ」
- 海の幸とオリーブオイルのおいしさを堪能できる「マーレビアンコ」
ドリンクはエスプレッソやコーヒー、カフェラテ、紅茶やロイヤルミルクティー、リンゴジュースやアイスピーチティーなど15種類から選ぶことができます。ホットもアイスも用意されているドリンクも多く、ドリンクの選択肢が多いのは嬉しいですね。
パスタはSサイズからMサイズ、Lサイズ、LLサイズへ変更することもできます。追加でおまかせドルチェやセットスープも注文できます。
平日にも限定ランチメニューが用意されていて、店舗や季節によってメニューや値段に違いがあります。パスタは休日ランチよりも豊富な4〜5種類から選べ、お値段は休日よりもさらにお得です。
ランチタイムではない時やランチメニュー以外のパスタが食べたい時には、セットメニューがおすすめ。
ドリンクとミニサラダの軽めなセットやしっかりサラダを食べたい方向けのセット、サラダだけじゃなくパンやライスもついたセットやスイーツが付いたセットもあります。ドリンクはランチセットよりもさらに種類豊富な23種類から選ぶことができ、シャンゴのメニューを存分に堪能できるセットが揃っています。
高崎パスタ代表「ベスビオ」と「モンテマーレ」
今回注文したパスタは「ベスビオ」と「モンテマーレ」。
店内に大きなポスターも貼ってある「ベスビオ」はシャンゴ発祥のメニューで、今では高崎パスタを代表するパスタとして有名です。
その名の由来はイタリアのベスビオ火山で、トマトベースに魚介のうまみが溶けこんだ、にんにくと唐辛子が効いた真っ赤なピリ辛パスタです。群馬県内では知らない人はいないと言われるおなじみの一品です。
「ベスビオ」ように辛味のあるメニューには、名前の横に唐辛子マークがついています。辛いのが得意でない方やお子さまがメニューを選ぶ際の参考になります。
辛くないメニューを選びたかった私は、きのこや魚介がたっぷりのトマトクリームパスタ「モンテマーレ」を選びました。きのこや海老、あさりがたっぷりでなんともおいしそう!
注文後、しばらくしてサラダが運ばれてきました。休日限定「シャンゴランチ」のサラダとAセットのサラダなのですが、具材やドレッシング、サイズなど結構違いがありました。
その後パスタが運ばれてきましたが、まずはそのボリュームにびっくり! これでSサイズ? これで150g?
麺が太いからなのか、具材がたっぷりだからなのか、普段食べているパスタよりもかなり量が多めに見えました。
周りのテーブルを見てみると、何種類かのパスタをシェアしているテーブルもありました。「ベスビオ」と「モンテマーレ」は同じトマト系パスタということもあり、シェアまではせずにお味見程度で交換しました。
「ベスビオ」は思ったより辛みは少なく、食欲を刺激する程度の辛さ。もちろん人によるとは思いますが、小学校高学年くらいのお子さんなら食べられる子もいるかも、といった感じ。
逆に辛いのが好きな方なら物足りないと感じるかもしれません。唐辛子よりもにんにくの風味がしっかり効いています。
ベスビオの具はパスタの頂点に乗せられたムール貝をはじめ、貝殻つきと殻なしのアサリ、小柱、ベビーホタテ、ぷりっとしたイカや海老。それぞれの食感の違いや存在感をしっかりと楽しめます。
「モンテマーレ」は大きめのエビやイカ、エリンギや舞茸、しめじなどのきのこがたっぷり入り、上から小ねぎが散らされています。魚介のうまみはもちろんのことですが、大ぶりきのこの味わいにも驚かされました。まろやかなトマトクリームが全体をまとめていて、量が多いと思ったパスタもしっかり完食できました。
「食べきれないかも」と言っておきながら、実はおまかせランチドルチェも注文していた私。紅茶のシフォンケーキはふわふわで、キャラメルソースやチョコレートでデコレーションされていました。しっかり完食し、実に幸せな気分になりました。
14時前の遅めのランチタイムに入店しましたが、それでも前に2〜3組並んでいて後ろにもすぐに数組並びました。
ほとんどが地元の方という印象で、地域で愛されているのが分かります。ほんのり懐かしく、ほぼファミレスと変わらない価格帯なのに特別感があるご当地レストラン「シャンゴ」。
高崎パスタを食べてみたい方も、イタリアンとはまたひと味違う絶品パスタを食べたい方も、ぜひ群馬にきたら「シャンゴ」へ足を運んでみてはいかがでしょうか。
「シャンゴ」のレジ付近や群馬県内のスーパー、群馬県フェアなどで「シャンゴ」のパスタソースも販売されています。さすがに店内で食べるのに比べるのには及びませんが、お店に近い味を楽しめるのでお土産にもおすすめです。
【ふるさと納税】シャンゴ 秘伝&復刻カレーパスタソース 2種類×4食セット 価格:18000円 |