北野天満宮は、菅原道真公をおまつりする全国約12,000社の天満宮・天神社の総本社。「学問の神様」「芸能の神様」として知られるほか、毎月25日の縁日や梅花祭、夏越しの大祓など行事も多く、一年を通して多くの参拝客でにぎわいます。
北野天満宮が創建されたのは、1000年以上も前の947年。周囲に老舗が多いことからも、長きにわたり信仰を集め続けていたことがわかります。今回はそんな老舗の中から「長五郎餅」と「一本うどん」をご紹介します。
北野天満宮はいつ参拝するのがおすすめ?
北野天満宮の参拝で特におすすめなのは、次の時期です。
- 毎月25日 天神祭
- 2月初旬~3月下旬 梅苑公開
- 4月中旬~6月下旬 青もみじ公開
- 10月下旬~12月上旬 もみじ苑公開
天神祭は、菅原道真公が誕生した6月25日と逝去した2月25日にちなみ毎月25日におこなわれる縁日。境内には野菜や乾物・植木・骨董・古着・衣料品などの屋台が所狭しと立ち並びます。特に1月25日の「初天神」と12月25日の「終い天神」は京都の冬の風物詩となっており、いつも以上に多くの参拝者で賑わいます。
また、北野天満宮といえば梅の名所。菅原道真公が梅をこよなく愛したことから、境内には50種約1,500本の梅が咲き誇ります。梅苑には茶屋が設けられ、梅の花を愛でながら梅茶とお菓子を楽しめます。
初夏の青紅葉と秋の紅葉時期もおすすめです。豊臣秀吉が築いた土塁「御土居(おどい)」が残るもみじ苑では、約350本のもみじと谷間を流れる紙屋川が見事なコントラストを見せてくれます。
年中行事に合わせての参拝もおすすめ
北野天満宮では年間を通して数多くの祭典や行事が催されるため、このタイミングで参拝するのもおすすめです。ここでは、年間行事の一部をご紹介します。
- 2月25日 梅花祭
- 6月25日 大茅の輪
- 8月上旬 御手洗祭と七夕祭(棚機祭)
- 9月4日 例祭(北野祭)
- 12月1日 献茶祭
2月25日には豊臣秀吉が開いた「北野大茶湯」にちなみ、「梅花祭野点大茶湯」も催されます。地元上七軒の芸舞妓がもてなす茶席が設けられ、盛りを迎えた梅を眺めながらの野点が楽しめます。
このほかにも、ほぼ毎月のように祭典や行事がおこなわれます。そのほかの行事については 北野天満宮のホームページをで確認できます。
2027年は菅公御神忌千百二十五年半萬燈祭の年
菅原道真公が亡くなってから1125年にあたる2027年は「半萬燈祭」が執りおこなわれます。没後50年ごとの「大萬燈祭」と、その間の25年ごとの「半萬燈祭」では、道真公の霊を鎮めその精神を継承するとともに、社殿や境内の大規模な修繕や整備をおこなっているのだとか。
2024年には3年後の半萬燈祭に向け、境内に約1,700個の提灯がずらりと並べられました。明かりがともると、日中とはまた違った幻想的な景色が楽しめます。
北野天満宮のカワイイおすすめスポット
国宝や史跡など見どころの多い北野天満宮ですが、なかでも女性人気の高いおすすめスポットをご紹介します。
北野の花手水
楼門を入った右手側にある手水舎には、季節を感じられる見事なアレンジが施されています。花はおよそ1週間ごとに入れ替わるそうなので、訪れるたびに異なる趣向の花手水を楽しめます。
撫牛(なでうし)
北野天満宮で牛は神の使いとされ、境内には十数体の像が祀られています。「頭をなでると頭が良くなる」「不調な部位をなでると病気やけがが治る」などのご利益があると言い伝えられているので、北野天満宮に行ったらぜひともなでておきたいですね。
それぞれ姿が違うので、お気に入りの1体を探してみるのも楽しいです。
北野天満宮参拝後は長五郎餅でひと休み
長五郎餅本舗は北野天満宮の一の鳥居から徒歩5分ほどにある和菓子店。北野大茶湯で豊臣秀吉に餅を献上したところ気に入られ、「以後『長五郎餅』と名乗るべし」と命名されたという歴史があるのだとか。
名物は上品な甘さのこしあんを薄い餅皮でくるんだ「長五郎餅」。北野大茶の湯で用いられたお餅を今でも味わえるのは驚きです。
消費期限は2日間と短めですが、2個入から購入可能。家族へのお土産はもちろん旅行中のおやつにもおすすめです。
10:30~15:00は店内でお茶と一緒に味わうこともできます。サイズは小ぶりなものの、2つ食べるとなかなかのボリュームなので、散策後の小腹が減ったときにぴったりです。
煎茶セットのほか、抹茶セットや長五郎餅と季節の生菓子のセットもあります。
毎月25日の天神市など北野天満宮での行事のある日は、境内にある茶屋も営業しています。こちらでもお茶とのセットが楽しめるため、行事に合わせて参拝した方は立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
北野天満宮近くのランチなら「一本うどん」を食べてみて!
お昼近くに参拝する方は、北野天満宮前の交差点からすぐ南にある「たわらや」でのランチはいかがでしょうか? たわらやは江戸時代の享保年間(1716~1736)に創業した老舗のうどん屋さん。築400年という雰囲気ある町家で、名物「一本うどん」をはじめとした京都らしいうどんをいただけます。
うどんの材料が手に入りにくくなったことから戦後に閉店しましたが、1996年に復活以来、北野天満宮の参拝客が多く立ち寄る人気店となっています。一本うどんが食べられるお店は全国に何店かありますが、発祥はこちらのたわらやなのだとか。
太く長く生きられるようにと願いを込めた「一本うどん」は、太さは1cm角程度、長さ50cmほどの超極太麺。元々は1本でしたが、現在では食べやすいよう半分に切り2本で提供しているそうです。
1時間ほどゆっくり茹でられた極太のうどんは、お団子のようなモチモチ食感に。上品なかつお出汁に薬味の土生姜がアクセントとなり、スッキリとした味わいが楽しめます。量は少なめなので、単品ではなくセットの注文がおすすめです。
一本うどんは13時過ぎに売り切れることが多いそうです。取り置きは可能なので、開店直後に行けない場合は電話して確保をお願いしてみては。
学業成就のイメージが強い北野天満宮ですが、春の梅や秋の紅葉などを目的に参拝するのもおすすめです。周囲には老舗の飲食店や和菓子屋さんが多いので、参拝する際は食でも歴史を感じてみませんか。
- 所在地 京都市上京区馬喰町
- 開門時間 季節などで変わるためホームページ等で確認
- 所在地 京都市上京区一条七本松西
- 営業時間 9:00~17:00(イートインは10:30~15:00)
- 電話 075-461-1074
- 定休日 原則として木曜日
たわらや
- 所在地 京都市上京区御前通今小路下ル馬喰町918
- 電話 075-463-4974
- 営業時間 11:00~16:00(L.O. 15:30)
- 定休日 不定休