神社と食

川越氷川神社にいったら食べたい 川越のウナギでパワーチャージ

川越は、江戸の風情が色濃く残る「小江戸」として知られ、レトロな街並みや美味しいものがいっぱいの観光地です。東京から約1時間でアクセスできるため、日帰り小旅行にもぴったり。今回は川越氷川神社の参拝を目的に、川越名物を食べる旅を体験してきました。

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小江戸の風情漂う川越の街並み

東京から川越に行く場合は、JR川越線または東武東上線の川越駅が便利です。また、西武新宿線に乗って本川越駅から行く方法もあります。観光地には本川越のほうが最寄りですが、川越駅からは巡回バスやレンタサイクルなども多いので、どちらを利用してもよいでしょう。

川越駅に到着し、まずは街を散策します。

川越には、川越駅西口から出発して、川越の名所をまわってくれる「小江戸巡回バス」(1日フリー乗車500円)と、川越駅東口から出る東武バスの1日フリー乗車券「小江戸名所めぐりバス」(1日フリー乗車券400円)があります。

どちらも魅力的ですが、せっかくの町歩き。ここはバスを使わず歩いてみることにしました。

駅を出ると、現れるのは江戸の情緒が今も息づく古い街並みです。蔵造りの建物がずらりと並ぶ「一番街」は、まるでタイムスリップしたかのよう。黒塗りの重厚な建物が立ち並び、土壁や瓦屋根の造りがどこか懐かしく、歴史の重みを感じさせます。

平日だというのに、カメラを構える外国人観光客や、着物姿で散策を楽しむ人々も多く、通り全体が賑やかで生き生きとした雰囲気に包まれていました。

一番街を進むと、川越のシンボルでもある「時の鐘」が見えてきます。この鐘楼は400年もの歴史を持ち、今も時を告げる音が街に響き渡ります。

さらに、街のいたるところでさつまいもを使った商品が並び、さつまいもソフトクリームや焼き芋など、甘く香ばしい香りが漂ってきます。川越はさつまいもが名産で、各店舗が趣向を凝らしたスイーツを提供しているので、歩いているだけで思わず立ち寄りたくなるお店が多いのが魅力です。道端には和雑貨やアンティークを扱う店も並び、古き良き日本の文化が根付いているのを感じます。

川越氷川神社は縁結びや家庭円満、恋愛成就の神様

小江戸の風情を楽しみながら歩き、川越氷川神社へと向かいます。川越駅からは少し遠く、ぶらぶらとゆったり歩いて30分くらいでした。蔵造りの街並みから、川越市役所や裁判所、小学校などの施設が見えてきて、人通りも少し少なくなりました。

川越氷川神社は、1500年以上の歴史を持つ由緒ある神社です。創建は古墳時代とされています。

川越氷川神社には五柱の神が祀られています。主祭神は素盞嗚尊(すさのおのみこと)ですが、脚摩乳命(あしなづちのみこと)と 手摩乳命(てなづちのみこと)の夫婦、その娘である奇稲田姫命(くしいなだひめのみこと)と、出雲大社の縁結びの神様としても知られる大己貴命(おおなむちのみこと)の5つの神様です。

これらの五柱の神はみんな家族であるため、縁結びや家庭円満、恋愛成就のご利益があるとされ、若いカップルや夫婦、参拝者が多く訪れています。

神社の鳥居が見えてくると、その荘厳な雰囲気に背筋が伸びる思いです。境内に一歩足を踏み入れると、清らかな空気に包まれ、静寂の中に凛とした神聖さが漂います。

川越氷川神社は、室町時代に、太田道真・道灌父子によって川越城が築城されて以来、城下の守護神・藩領の総鎮守として歴代城主により篤く崇敬されました。太田道灌はすぐれた武将であると同時に、江戸城の建築にも携わった当時の知識人です。大田道灌は川越城の戊亥(北西)に位置するこの氷川神社を特に篤く崇敬して、和歌を献納し、境内に矢竹を植樹したとわれています。

太田道灌手植えの矢竹として、今もまだ氷川会館のそばに残っています。

大吉を釣りあげる!良縁「あい鯛」のおみくじ

本殿横の休憩所には可愛い釣り堀式のおみくじが4箱置いてありました。

やはり、川越氷川神社は恋愛成就の神様なので、おみくじのの名も、ずばり「あい鯛」。運命の人に会いたい思いを込めて、おみくじを釣りあげます。

隣には、川越名物「さつまいも」のおみじくもありましたが、人気はやはり「あい鯛」です。若い女の子のグループが動画で撮影しながら、楽しそうにおみくじを吊り上げていました。

この休憩所には授乳室も作られているので、七五三やお宮参りにきた赤ちゃん連れの方にはとても過ごしやすい場所に感じられました。

川越の名物 小川菊の「うなぎ」を堪能

参拝を終えた後は、お楽しみのランチタイム。川越の名物といえば「うなぎ」です。江戸時代から続く老舗のうなぎ屋が立ち並び、その香ばしい匂いが通りを漂っています。お昼時だったので、行列ができているお店はほぼ老舗の鰻屋でした。

今回私が選んだのは、うなぎ専門店「小川菊」です。江戸後期文化4年(1807年)に創業して以来200余年、創業から代々受け継いだ一子相伝の秘伝のタレを使った伝統の味を、丁寧に守り続けているという評判の高いうなぎ屋さんです。

神社に行く時に、お店の前を通りかかったところ、すでに大行列。整理券をうけとって、先に参拝を済ませようということになりました。整理券を見ると、30組目です。それでも、インターネットで順番を確認でき、順番が近くなるとLINEやメールで通知をくれるので、お店のそばにいなくても安心です。

結局、川越氷川神社にいって、戻ってきて、ちょうどいい時間になりました。

中に入ると落ち着いた和の空間が広がり、2階の席につくと店員さんが丁寧におもてなしをしてくれます。頼んだのは、定番の「うな重」。しばらくして目の前に運ばれてきたうな重の蓋を開けると、ふんわりと焼き上げられたうなぎと、タレの甘さと香ばしさが鼻腔をくすぐります。

口に運ぶと、柔らかくてふわっとした食感が広がり、噛むほどに濃厚な旨味が口の中で広がります。上質なうなぎは、外がしっかり焼かれてパリッとした歯ごたえなのに、中はとろけるような仕上がりで、一口ごとに幸せな気持ちが込み上げます。

小川菊からすぐ 知る人ぞ知る「肉の十一屋」

うなぎを堪能してお腹いっぱいではありますが、私にはまだ行きたいお店がありました。それは小川菊のすぐ裏にある知る人ぞ知るお肉屋さん「肉の十一屋」です。

お目当ては、食べ歩きできるメンチカツです。この日はお店の前に「14時から開店します」という貼り紙がでていて、14時少し前から続々と人が集結。あっという間に長蛇の列です。

時間になると、お店のおじさんが行列に並んでいる私たちに、注文を聞いてくれます。揚げ置きはしないで、注文が入ってから揚げてくれます。

そこからまた待つこと10分で、アツアツ、ホクホクのメンチカツとコロッケをゲットできました。

お土産には川越名物「さつまいも」の甘味

お腹が満たされたところで、川越の街を再び散策しながらお土産を探します。

川越は「さつまいも」の産地としても有名で、街中にはさつまいもを使ったお菓子やスイーツが豊富に並んでいます。川越のさつまいもは「川越いも」という品種です。

江戸時代後期から美味しい川越の焼き芋が江戸っ子の間で評判になり、さつまいもの「本場ものは川越」と絶賛されました。

お土産としても人気が高く、店先にはさつまいものお菓子がずらりと並んでいて、どれも美味しそうで目移りしてしまいます。特に代表的なものは、芋せんべい、芋まんじゅう、芋チップスなどです。最近では、紅赤いもビールや紅赤焼酎といったお酒も人気だそうです。

川越散策をしながら、さつまいもスイーツを一つひとつ楽しむのは、贅沢なひとときです。どの店も観光客で賑わっており、さつまいもの美味しさが地元の人々にも観光客にも愛されているのが感じられました。

川越はまだまだ新しい魅力がありそうな場所

楽しい時間はあっという間に過ぎ、帰りの電車の時間が近づいてきます。滞在時間は、たったの5時間程度でしたが、十分に食べ歩きすることができました。川越駅から再び電車に乗り、東京へと戻ります。

小江戸の街並みと美味しい食べ物がたくさんある川越の街は、いつ訪れても新しい発見がありそうです。東京からも気軽に行ける距離なので、ふと思い立ったときにまた足を運びたくなる、そんな魅力に満ちた場所でした。もしまだ訪れていない方がいれば、ぜひ足を運んでみてください。

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旅する食卓編集部
「食べることを通じて、まるで旅に出たような新しい発見や楽しさを届けたい!」と願う編集チームです。国内外のご当地料理や、現地の風景や文化を感じられるグルメ情報、そして旅先の味をおうちで楽しめるレシピなどを親しみやすくご紹介しています。