神社と食

参拝ついでに楽しみたい!神田明神のカフェ「マスマス」と天野屋の天神甘酒

「神田明神」には三つの神様が祀られている

神田明神(かんだみょうじん)は、東京都千代田区神田にある歴史ある神社です。神田、日本橋、秋葉原、大手町、丸の内、旧神田市場・築地魚市場など108か町会の総氏神として、全国から多くの参拝者が訪れています。

神田明神の創建は1300年以上前、天平2年までさかのぼります。出雲族真神田臣が大己貴命(おおなむちのみこと)を現在の皇居大手門付近に祀ったことにはじまります。その後、時宗真教上人が平氏の始祖である平将門公を合わせて祀ったことで、武運を祈るためにたくさんの武将に信仰されました。

特に江戸時代には徳川家康の庇護を受け、江戸城の裏鬼門を守る「江戸総鎮守」として、江戸の人たちから厚い信仰を集めました。

しかし、明治時代に入ると、平将門は天皇に逆らった朝敵であるという考えから、祭神から外されてしまい、その代わりに少彦名命(すくなひこなのみこと)が祀られました。戦後にはまた平将門は復活しますが、このような経緯から神田明神には、三つの神様が祀られることになったのです。

縁結びにご利益 大黒様 一之宮大己貴命(おおなむちのみこと)

別名、大国主命(おおくにぬしのみこと)という名前でも有名で、島根県の出雲大社のご祭神です。国土経営・夫婦和合・縁結びの神様。

商売繫盛にご利益 えびす様 二之宮少彦名命(すくなひこなのみこと)

商売繁昌、医薬健康、開運招福のえびす様です。日本に最初に生まれた神様の一人です。手のひらに乗るほどの小さな神様ながら知恵に優れ、だいこく様とともに日本の国づくりをしました。

勝負事にご利益 三之宮平将門命(たいらのまさかどのみこと)

平氏の祖として有名な平将門氏を祀っています。戦いの神とも言われた将門にあやかって、勝負運や厄除けの神様としても信仰されています。

JR御茶ノ水駅からすぐ 大きな鳥居が見えてくる

神田明神はJR御茶ノ水駅から、徒歩5分くらいのお参りしやすい場所にあります。御茶ノ水駅は明治大学をはじめ、たくさんの大学や病院などがあり、平日でも人の往来が多い駅です。

聖橋や湯島聖堂、ニコライ堂といった歴史ある建造物を見ることもできるので、時間に余裕があれば、ぜひお茶の水の建築物見学なども一緒にすることをおすすめします。

神田明神の大鳥居は都会の神社らしく、ビルとビルの間にあります。隣の建物の3階くらいの高さがあり、隣のビルに鳥居の笠木が刺さっているように見えるくらいの迫力です。

鳥居を抜けて、少し坂を上ると正面に朱塗りの美しい隨神門が見えてきます。隨神門の前には写真や動画を撮影する外国人観光客の姿がたくさん見られました。この日は天気も良く、絶好の撮影日よりだったようです。

隨神門をくぐると、正面にはご神殿、右手には祭務所や神楽殿、明神会館があります。

左手には大黒様の像があり、その前には行列ができていました。特にビジネスマンの姿が多く、商売繁盛を願う方々が手を合わせているようでした。

大黒様の奥には、2018年にオープンした4階建ての神田明神文化交流館「EDOCCO」があります。

ちなみに二之宮であるえびす様は隨神門より外側、「EDOCCO」の左端にあります。

お買い物は神田明神文化交流館「EDOCCO」で

「EDOCCO」(えどっこ)は、神田明神の境内にある新しい商業施設です。

地下1階には、日本文化を発信する体験型施設があり、定期的に落語や茶道のワークショップが開催されています。また、固定ステージ付きのイベントスペースでは、和のエンターテインメントレストラン「座show」の定期公演や、貸し出しイベントも行われています。

また、神田明神は、近年アニメの聖地としても人気を集めています。きっかけとなったのは、神田明神が舞台の一つとして登場した人気アニメ「ラブライブ!」です。「ラブライバー」と呼ばれるファンたちは、聖地巡礼として神田明神を訪れるようになりました。

その後も、神田明神では「薬屋のひとりごと」や「ラブライブ!夏祭り in 神田明神納涼祭り」など、積極的にアニメとのコラボレーションが行われています。

1階には神田明神グッズや縁起物が販売

1階には、神田明神ならではの神社グッズや縁起物、オリジナル商品を豊富に取り扱うショップ「EDOCCO SHOP IKIIKI」があります。こちらには、季節や祭事などに合わせてディスプレイが変化し、お土産にぴったりの商品が並んでいます。

神田明神では、オリジナルの飲料「神社声援(ジンジャエール)」も販売されています。

この「神社声援」は、心願成就のお払いがされていて、神社を訪れる参拝者に元気を届けることをテーマに作られた、神田明神オリジナルのジンジャーエールです。

名前には「神社からの応援」という意味が込められており、爽やかな味わいが疲れを癒してくれると好評です。ちょっとした受験生の応援ギフトにもおすすめですね。

ランチは「EDOCCO」内のCAFE 「MASU MASU」で

1階は「EDOCCO SHOP IKIIKI」だけではなく、うどんやカレー、軽食などの食事も提供するカフェがありました。テーマは「神田明神様とお客様のご縁をつなぐカフェ」です。

カフェの名は「MASU MASU」。

古来より神社へ献納されるお神酒をいれる「升」と「益々(ますます)」をかけて、「ますます商売が繁昌が繁盛しますように」という願いでつけられたものだそうです。

メニュー名は「神社声援」同様に、遊び心が満載。ランチメニューには「塩麴の生姜焼き(ポーク神社)」「勝つカレー」といった、縁起のいい名前のものが見られます。勝負運のご利益がある神田明神だからこそのネーミングですね。

さらにおむすびや唐揚げ、けんちん汁のセットメニューもあります。ランチは何にしようか迷ってしまいましたが、結局「勝つカレー」を選択してしまいました。

それには実は理由があります。神田明神がある神田は、知る人ぞ知るカレーの激戦地。神田の町中に広がるカレー屋のにおいで、すっかりカレーの気分になってしまっていたのです。

ご飯は白米か雑穀米から選べます。「勝つカレー」はしっかり煮込まれて、癖のないおいしい味わいでした。

人気のスイーツは濃厚抹茶の「升パフェ」

「MASU MASU」はデザートメニューも豊富です。一番人気は名物の「枡パフェ」

抹茶大好きな人にはたまらない、抹茶づくしのパフェです。

升に入っているので、中身が見えません。食べる前には、何が入ってるかわからないワクワク感が楽しめます。

升の中に白玉や抹茶のアイス、抹茶ゼリー、蜜豆、抹茶マスカルポーネなど、想像以上にたくさん入っていて美味しかったです。濃厚な抹茶と優しい味のパフェ。どこから食べるかによっても、味わいがかわってくるので、何回も食べてみたくなります。

EDOCCO CAFE 「MASU MASU」(エドッコ カフェ マスマス)

  • 住所:東京都千代田区外神田2-16-2 神田明神 文化交流館内
  • TEL:03-6811-6622
  • 営業時間:10:00~17:00(LO16:45)、土日祝10:00~18:00(LO17:45)
  • 定休日:無休

神田明神にいったら寄りたい老舗甘酒屋「天野屋」

神田明神を参拝する際にぜひ立ち寄りたいスポットの一つが、創業1846年の老舗甘酒屋「天野屋(あまのや)」です。

神田明神を楽しんだ後は、神社のすぐそばにある天野屋で一息つき、「明神甘酒」で体を温めてみてはいかがでしょうか。

天野屋は、神田明神の鳥居のすぐ隣に位置あり、歴史ある江戸の雰囲気を感じる佇まいに、自然と中に吸い込まれてしまいます。

お店の中は、お茶屋のような建物に、昭和のおもちゃや小物が趣味よくディスプレイされ、レトロな感じ満載で「ずっとここにいたい」と思うくらい居心地がいい場所でした。

お会計は前払い式なので、注文したら、先に代金をお支払いします。

天野屋の「明神甘酒」は、創業当時からの製法を守り、地下にある特別な天然麹室(こうじむろ)で発酵させた自家製甘酒です。

砂糖を一切使わず、米と糀だけで作られるため、自然な甘みとまろやかな風味が愛されています。甘いのに後味もすっきりしているので、ほかの甘味の味とも、けんかしません。

冬の寒い日には温かい甘酒が人気ですが、夏場には冷たい「冷やし甘酒」も提供され、いつ飲んでも楽しむことができます。甘酒のことを「飲む点滴」と言いますが、この場合は夏に飲む冷たい甘酒が夏バテによいことを指すそうです。

天野屋は、甘酒だけではなく、くずもちやお団子、かき氷など、美味しい甘味がそろっています。

喫茶のとなりはお土産屋さんになっているので、お土産屋さんの前でテイクアウトの甘酒も販売しています。時間がない人は、甘酒だけをさっとテイクアウトして味わうこともできます。

天野屋には天神甘酒だけではなく、江戸時代から伝わる江戸味噌や芝崎納豆といった名物もあります。オンラインショップもあるので、気に入ってリピートしたい方は、ネットで購入することもできます。

天野屋 Amanoya

  • 住所:東京都千代田区外神田2-18-15
  • TEL 03-3251-7911
  • 営業時間:10:00~17:00
  • 定休日 火曜日(祝日の場合営業)
        海の日、8/10~8/17
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旅する食卓編集部
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