進化する食卓

忙しい人にも出来る!お味噌汁から始める健康生活

皆さんは、毎日お味噌汁を飲んでいますか?鎌倉時代には既に「一汁一菜」の考え方が広まるなど、昔からお味噌汁はご飯と共に日本の食卓に欠かせないものでした。

かくいう私も子供のころからお味噌汁が大好きで、最近は味噌がすごい!というのを知り、朝晩1日2杯お味噌汁を飲んでいます。そこで今回はお味噌汁が持つすごいパワーをご紹介したいと思います。

 

先人たちの栄養を支えたのは味噌だった

味噌はご存知の通り大豆と麹と塩から作られる発酵食品ですが、同じ大豆の発酵食品である醤油とは決定的に違う点があります。それは、味噌は大豆の栄養を丸ごと含んでいるという点です。

醤油も大豆と麹を混ぜて発酵させて作りますが、発酵後には絞られて、大豆の実は捨てられてその液体だけが醤油となります。一方の味噌はというと、最初に大豆を煮る工程で煮汁を捨てるものの、その後は大豆まるごと味噌になるので、捨てるところがないのです。

 

それゆえ味噌は非常に栄養価が高く、今ほど食事が豊かではなかった鎌倉時代から味噌汁が飲まれ、戦国時代には武士が戦場に味噌を携帯するなど、栄養補給のために重用されてきました。まさに味噌の力が、日本人の栄養を支えてきたと言えるでしょう。

 

 

がん予防にアンチエイジングも!女性に嬉しい味噌パワー

では、味噌には具体的にどのようなパワーが秘められているのでしょうか。様々な研究機関の方々が、現代科学の力で味噌を分析したところ、次々とその効果が明らかになってきています。

 

・「がん予防」

1日1杯未満しか味噌汁を飲まない人と比べて、1日3杯以上味噌汁を飲む人達は乳がんの発生率が40%減少し、1日2杯飲む人は乳がんの発生率が26%減少したという論文が、2003年国立がん研究センターから発表されています。

また研究の中で、大豆イソフラボンを含んだ大豆製品をあまり食べない人に比べ、たくさん食べる人のほうが乳がんになりにくいことがわかりました。

若い女性でも乳がんになるリスクはあります。毎日の食卓に、味噌汁と豆腐や納豆などの大豆製品を積極的に取り入れたいものです。

 

・「老化防止・美肌効果」

味噌に含まれるビタミンDや褐色色素には、体内の酸化を防止する作用があります。

また大豆に含まれる遊離リノール酸は、シミを作るメラニンの合成を抑制する働きがあると言われ、シミの対策も期待できます。

 

さらに味噌は大豆を丸ごと使うため食物繊維が豊富。生みそには生きた乳酸菌や酵素が多く含まれるので、これらの働きで腸の中がきれいに掃除されます。

最近は「きれいな肌は、きれいな腸から」と言われ腸内環境に注目が集まっていますが、まさに発酵食品である味噌は、美肌づくりにも役立つのです。

 

 

忙しくても大丈夫!手軽に味噌汁を飲む方法

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ここまで読んで頂いて、味噌が身体にいいことは分かって頂けたかと思います。とはいえ、忙しいとなかなか出汁を取ってお味噌汁を作るなんてことは、心理的にもハードルが高いですよね。そこで、忙しくても簡単に、短時間でお味噌汁を飲む方法を2つご紹介します!

 

1つ目は、お椀の中で直接お味噌汁を作る方法。ポイントは大さじ1杯の味噌と共に、花カツオと乾燥わかめを直接投入すること。カツオとワカメから美味しい出汁がにじみ出るので、だしを取る手間が省けます。そこにお湯を注いで味噌をといたら、あっという間にお味噌汁の出来上がり!この要領で具を変えれば、色々なお味噌汁が楽しめます。

 

2つ目は、あらかじめ味噌と具を混ぜて冷凍保存しておく「味噌玉」戦法。ラップに大さじ1杯の味噌と好きな具材を混ぜ合わせて、くるっと丸めて1食分ずつ冷凍します。この味噌玉はお弁当と一緒に持っていけば職場や学校でも簡単にお味噌汁を飲むことが出来ますよ。

 

皆さんもこれを機会に、ぜひ美味しいお味噌汁で健康な生活をはじめてみてください。

 

ABOUT ME
稗田麻衣
日本初のハラール対応レシピ専門サイト「HALAL RECIPES JAPAN」代表。食生活アドバイザー。ムスリムをはじめ、食事に制限がある人にも楽しんでもらえる日本の家庭料理レシピを研究する傍ら、和食の素晴らしさを国内外に伝える活動を展開中。また小学生2人の娘達を育てる母親として、食育を日々実践している。