伊勢名物といえば、赤福が有名です。東京近辺では手に入りにくいので、お土産でいただくと思わず笑みがこぼれてしまうもの。赤福も大好きなのですが、私が伊勢に行ったら必ず買うのが「虎屋ういろ」です。ういろうは愛知県の名物というイメージがありますが、伊勢のういろは別物です。しっかりした弾力ともっちり食感と、豊かな風味を味わってしまうと、もう他のういろうは食べられません。
「虎屋ういろ」とは?
伊勢地方では、黒砂糖でつくられたういろが定番です。愛知名物の青柳ういろうも、「白、黒、抹茶〜」というCMソングがおなじみですが、そこでも黒ういろうは定番商品です。虎屋ういろでは黒ういろをはじめ様々な材料を加えてアレンジし、定番のういろと季節限定のういろを合わせて約35種類ものういろがあります。
厳選された材料を使い昔ながらの手作業で作られた生ういろは、防腐剤が使われていないので消費期限が短いのも特徴です。店頭で購入したら「明日までのお日持ちです」と言われました。日持ちがしないので、一度にそう何本も購入できません。なので余計にどれを選ぼうか迷ってしまいます。
そして多くのういろうは米粉が使われていることが多いのですが、虎屋ういろは小麦粉も使用されています。「虎屋ういろ」はピンと角ができるほどしっかりしていて、もちもちぷるぷるの食感です。
定番ういろも魅力的、季節ういろも魅力的な「虎屋ういろ」
私がういろを買いに行った日、店頭には白、黒、抹茶、よもぎ、栗などの定番ういろの他に、マンゴー、すいか、宇治金時など10種類前後のういろが並んでいました。「虎屋ういろ」の消費期限が短いのは分かっているのですが、どれを何本買おうか毎回迷います。
「虎屋ういろ」は定番のういろも季節ういろも、どれも懐かしいのに新しさがあり、どれも美味しいのです。毎回店頭で「よもぎは絶対外せない!」とか「前回は黒を諦めたから今回こそ!」などと定番ういろを見ながら家族それぞれが主張し始めます。季節ういろも魅力的なので「やっぱり新しいのは食べてみたい」とか、「去年食べられなかった味を今年こそ!」と後から来たお客さんに何度も先を譲りながらもなかなか決まりません。
そんな私のお気に入りは、定番のよもぎです。爽快な香りと深い色で、よもぎを味も香りもしっかりと感じられます。よもぎういろに挟まれているのは、国産小豆の粒が残る小倉ういろです。甘さはありながら素材の味もしっかりと感じられ、もちもちとしているけれど歯切れがよく、それはもう絶妙な美味しさです。
伊勢志摩限定だった「伊勢茶栗ういろ」、夏と言えば「スイカういろ」
家族の好みと翌日までに食べきれる量を考えた結果、定番ういろから「伊勢茶栗ういろ」「抹茶」の2本、季節限定「スイカういろ」の合計3本を買いました。以前は伊勢志摩限定だった「伊勢茶栗ういろ」は、伊勢茶の風味とこしあんういろが組み合わせられた上に、たっぷりと栗も敷き詰められています。力強い伊勢茶の風味と上品なこしあんのういろ、そこへ栗も加わってなんとも贅沢なういろです。
上質な抹茶をたっぷりと使用した「抹茶」は、抹茶の風味はもちろん、もちもちっとした生地の優しい甘みが味わえるういろです。あっさりとした甘みは老若男女問わず人気のういろです。
そして夏限定の「スイカういろ」は和菓子とは思えない、キュートなスイカ模様のういろです。スイカ果汁が使われ、種部分は小豆が散りばめられています。見た目だけでなく、味もしっかりとスイカの味がします。
ういろにはプラスチック製の切り分けられる楊枝が付いてきます。最初はどのくらいの厚さに切ったらいいのか迷いましたが、羊羹よりも分厚めの約3cmくらいで切るのがおすすめです。もちっとした食感だけでなく歯切れの良さも味わうことができます。
定番ういろだけでも10種類ほどあり、日によっても店舗によっても品ぞろえが異なります。私の運のせいなのか、定番ういろでもなかなかお目にかかることができないものもあります。ハーフサイズでもっと沢山の種類が買えたらいいのにな。
「虎屋ういろ」の公式サイトはこちら