甘くてねっとりしたさつまいもと聞いたらまず思い浮かべるのが、コロンとした形の安納芋。
安納芋を使ったスイーツなどもたくさん販売されているので、安納芋は今や「甘いさつまいも」の代名詞といっても過言ではありませんね。
でも実際に食べ比べしたらもっと甘いさつまいもが見つかるかもしれない!
そう思い、6種類のさつまいもを焼き芋にして食べ比べしてみるとことにしました。
スーパーでいろいろなさつまいもを探してみよう
様々な種類のさつまいもを買おうと決めたのはいいものの、私がよく利用しているスーパーには
ただ「さつまいも」と書かれた商品しか置かれていません。
数件お店を回ったところで、たくさんの種類を扱うスーパーにたどり着きました。
今回購入したさつまいも
店頭には10種類ほどのさつまいもが並んでいましたか、中でも聞き覚えのあるさつまいもを6種類ほど購入してみました。
さつまいもの王者!?【安納芋】
安納芋(安納いも)とは
安納芋は、1998年に品種登録された、糖度の高さで知られるさつまいも。
安納地域を中心とした種子島島内で栽培されています。
安納芋のルーツは、第二次世界大戦後にスマトラ島北部のセルダンという地域から兵隊さんが持ち帰った1つのさつまいも。
そのさつまいもは糖度が高く味が良いことから、栽培が広く伝わり地域の名称を取って「安納芋」と呼ばれるようになったそうです。
見た目と味に自信!【紅はるか】
紅はるかとは
紅はるかは九州沖縄農業研究センターによって「九州121号」に皮色や食味が優れる「春こがね」を交配させ育成されたさつまいも。
2010年3月に品種登録された新しい品種です。外観が優れ、しかも蒸しいもにした時の糖度が高く、味の評価が高いため広い地域で栽培されています。
主に大分、宮崎のほか、茨城で栽培されているため、関東地方で見かける頻度の高いさつまいもと言って良いでしょう。
昔ながらの味わい【 紅あずま(ベニアズマ、べにあずま)】
紅あずまとは
紅あずまは全国的に広く普及している品種で、特に茨城県や千葉県など関東地方で多く栽培されています。
鹿児島県指宿市にある九州農業試験場において、「関東85号」と「コガネセンガン」を交配して開発し、1984年に命名登録、翌年に品種登録されました。古くから流通されているさつまいもなので、さつまいもといったらこの味、と感じる人も多いかもしれません。
ホクホクとした食感が特徴で、甘味の強いさつまいもです。
ねっとり甘い新しい品種 【シルクスイート】
シルクスイートとは
シルクスイートは「春こがね」に「紅まさり」を交配させて生まれたさつまいも。2012年から種苗の販売が開始されたばかりの新しい品種です。
2012年の登場以来、その美味しさから人気がひろまり、茨城県産や福島県のほか最近では九州の熊本県や鹿児島県など広い地域で栽培されています。
関東では希少【鳴門金時(なるときんとき)】
鳴門金時とは
鳴門金時は、昭和50年代に徳島県に導入された「土佐紅」「坂出金時」から選抜育成されたさつまいも。
四国・徳島県の鳴門市で主に栽培されています。
食用の他に、芋焼酎、焼き芋焼酎の原料としても用いられ、生産される鳴門金時のほとんどが関西圏で消費されているため、関東圏で見かける機会はなかなかないようです。
鮮やかな紫!【パープルスイートロード】
パープルスイートロードとは
今回実食した中で唯一の紫芋。
芋にアントシアニン色素を含有する紫サツマイモの品種で、2004年に品種が登録されています。
一般的に紫芋は糖度の低い品種が多いそうなのですが、パープルスイートロードはその中でも群を抜いて甘いのだとか。
パープルスイートロードの主な産地は千葉県。九州の一部でも生産されていて、焼酎などのアルコール用原料や加工用として用いられているようです。
さつまいもが一番甘くなるのは冬!焼き芋パーティーで実食
さつまいの収穫時期は9月から10月が中心ですが、すぐに食べるのではなく少し時期を置いてから食べるのがおすすめ。
特に12月以降の冬の時期はさつまいもの糖度があがるため、とてもおいしく食べることができるんですよ。
焚き火でさつまいもを美味しく食べる方法
今回は、焚き火ができる公園で焼き芋パーティーを開催しました。
食べ比べの前に、失敗しない焼き芋の方法をご紹介します。
【1】さつまいもを水で濡れた新聞紙でくるみ、アルミを巻く
こうすることで皮が焦げにくくなります。
【2】焚き火の遠赤外線で30~40分ほど焼く
直火には当てず、遠赤外線で焼くことがポイント。太いものなら40分、細めのものなら30分ほど焚き火で焼きましょう。
途中でさつまいもの向きを変えることもお忘れなく。
6種類の焼き芋を食べ比べ!
あつあつに焼きあがったら食べ比べ!
焚き火に当たりながらいただく焼き芋は最高です。
果たして安納芋のおいしさを超えるさつまいもはあるのでしょうか?
ランキング順にご紹介します。
※感想やレーダーチャートは個人の体感です。手に入りやすさとコストパーフォマンスは東京都内が基準となっています。
6位 パープルスイートロード
残念ながら6位となってしまったのが、「異色」のさつまいも、パープルスイートロード。
焼き上がりに割った際、鮮やかな紫色にどよめきが起こりました。
【食べてみた感想】
甘さは一番少ない。
ホクホク感はあるけど、あえて焼き芋にしなくてもいいかな?
タルトとかにしたら映えそう。
総合評価:54点
紫芋の甘さ控えめな特性が、評価を下げてしまいました。
紫という色の特性を生かして、焼き芋ではなくおかし作りに役立てるのが上手な活用法なのかもしれません。
5位 鳴門金時
四国代表の鳴門金時。
型崩れもせずホクホクしているので、とても食べやすそうです。
【食べてみた感想】
ホクホクしててTHE 焼き芋という感じだけれどそこまでこれといった特徴はない。
クセがないのでそのまま食べるというよりも、調理用にいいかも。
香りはすごく良い。
総合評価:58点
焼き芋として食べるならやや甘さが足りないように感じましたが、天ぷらや大学芋などにしていただいたらおいしそうです。関東地方では手に入れにくいためこの評価になってしまいましたが、西日本に行けばもっと手に入りやすいようです。
4位 安納芋
焼き上がりの色の濃さにびっくり。優勝候補の安納芋はまさかの4位でした。
【食べてみた感想】
想像通りのねっとり感。ホクホク感もあってお菓子のように美味しい。
ホクホクなのにしっとりしているので、口の中の水分が奪われない。
パサつきがないからいくらでも食べられそう。
総合評価:64点
味の評価は高かったものの、コストパフォーマンスと手に入りにくさが総合得点を下げてしまいました。
3位 紅はるか
全国でも高い流通量を誇る紅はるか。
型崩れのしにくさも特徴らしく、綺麗に割ることができました。
【食べてみた感想】
安納芋と比べるとやはり甘さ控えめに感じる。
ホクホク感は高い。
バターをのせて食べたらおいしい!
総合評価:72点
味の評価はまずまずでしたが、手に入りやすさは抜群です。
ほとんどのスーパーや八百屋さんでお手頃価格で手に入れることができました。
2位紅あずま
2種類のさつまいもが同率1位に輝きました。
1つ目はなんと4本入り150円という破格のお値段で手に入れることができた紅あずま。
お店の人に伺ったところ、紅あずまはあまり甘みがないことから最近はあまり人気がないそうなんです。
はたしてそのお味は・・・。
【食べてみた感想】
甘くないと思っていたらびっくりするほど甘い。安納芋といい勝負。
小ぶりだけど食べ応えがある。飲み物が欲しい。
繊維質が多いような感じがする。
総合評価:74点
味は申し分なし!近年人気が下がっていることから、手に入りにくくなっているのがネックです。
1位シルクスイート
紅あずまと同率で1位を獲得したのが、こちらのシルクスイート。
名前からして舌触りのよさと甘さが期待できそうです。
果たしてその名に恥じないおいしさなのでしょうか?
【食べてみた感想】
きめ細やかな食感とこの甘さ、まるでスイートポテト見たい!
お腹がいっぱいの時でも別腹で食べられそうなおいしさ。
ホクホク感もあるので、焼き芋にぴったり!
総合評価:74点
文句のないおいしさ!新しい品種だからかなかなかお目にかかれないのが惜しいポイント。お値段はやや高めですが、それでも手に入れたいおいしさです。
まとめ
どの品種も同じようなさつまいもながら、食感や味に違いがあるのが印象的でした。
今回一番味の評価が高かったのがシルクスイート。
甘さと舌触りの良さにに驚きを覚えるほどの、感動的なおいしさでした。
焼き芋はご自宅のトースターでも作ることができるので、寒い日にはお好みのお芋で焼き芋を楽しんでみましょう!