以前テレビで見て、食べてみたいと思いながらなかなか食べる機会のなかったお弁当があります。今回ちょっとしたお弁当が必要な機会があったので、「桃六」の「茶飯弁当」を買いに行ってきました。
東京・京橋の「桃六」は、森光子さんが愛した楽屋弁当
私が「桃六」の「茶飯弁当」を知ったのは、大好きなNHK「サラメシ」でした。お弁当の魅力もさることながら、「森光子さんが愛したお弁当っておいくらするのかしら」とドキドキしたのを良く覚えています。その庶民的なお値段に驚き、ますます興味をもちました。
高級料亭のお弁当ではなく、和菓子屋さんが作るお弁当。楽屋見舞いで「桃六」のお弁当をいただいて以来、「桃六」のファンになったのだとか。ことあるごとに森さんはこちらのお弁当を差し入れたり、振る舞ったりされていたそうです。
私も小さい頃私もよく食べていましたが、和菓子屋さんのお弁当やおむすびって普通のお弁当屋さんのお弁当とは全く違って、もち米だったり独特なのがいいんですよね。
「桃六」は都営地下鉄宝町駅、東京メトロ銀座線の京橋駅が最寄り駅です。
創業は明治2年(1872年)という老舗ですが、ビルに1階にあるきれいなガラス張りのお店になっています。
店頭には、きれいな色合いの季節の和菓子だけでなくどら焼きやお団子などの定番の和菓子が並べられています。どれも全部食べたくなるほど魅力的。
こういう時はその時に食べたいものを選ぶのが一番です。家に帰って選んだものを食べながら「あっちのも美味しそうだったなー」と思うのもそれはそれで楽しいものです。
「茶飯弁当」の茶飯は、もち米がほんのりしょうゆ味
茶飯と聞くと、ほうじ茶などでお米を炊いた奈良県の郷土料理が有名ですが「桃六」の茶飯はそうではありません。一升枡で蒸したもち米に、桃六特製のしょうゆダレを加えた茶飯はほんのりとした茶色をしています。
静岡県浜松市あたりの遠州地方では「さくらご飯」と呼ばれ、合格祈願の縁起物として出されたり給食などでも出ることがあるそうです。一番近いのは具なしの炊き込みご飯、でしょうが、具がないからこそシンプルなもち米の甘みやしょうゆやだしの風味を感じることができます。
茶飯のおいしさはもちろん、れんこん、ごぼう、たけのこ、椎茸、にんじん、こんにゃくの煮物のおいしさにも驚きます。しっかりと味付けされていて、どれを口に運んでも感動を覚えるほどちょうどいい食感、そして味わい。
見た目に派手さはありませんが、その後「あのお弁当おいしかったなー」と思い出して幸せの余韻に浸れるお弁当でした。
和菓子屋さんの「桃六」では、どら焼きもおすすめ
「桃六」には沢山の和菓子がありますが、悩んで悩んでどら焼きを買って帰りました。森光子さんが国民栄誉賞を受賞したときは、「桃六」のどら焼きを関係者に配ったそうです。
ずっしりとした重さのあるどら焼きです。どら焼きの生地はふんわりとしたものと、しっとりとしたものがあります、「桃六」のどら焼きの生地はしっとりタイプ。そして、しっかりと餡と一体になっっています。そしてふわっとお酒のいい香りがします。
どら焼きの原材料を見てみると「砂糖、小麦粉、大納言、卵、蜂蜜、味醂、ブランデー、膨張剤」となっています。いい香りの正体はブランデーだったんですね。
どら焼きの皮の、砂糖の甘さだけじゃないしょっぱさや香ばしさもしっかりと感じられます。こうして書いている今も、また食べたくなるそんなどら焼きです。
お箸にも印刷されているように、「桃六」の名物は桃太郎だんごです。
桃太郎だんごも食べたいけれど、「茶飯弁当」も絶対食べたいしどら焼きも欠かせません。どら焼きは翌日食べても大丈夫なので次は桃太郎だんごも買ってこようと思います。