味噌の賞味期限は1年以上あります
味噌は保存食ですので、腐りにくく日持ちのする食べ物です。賞味期限としては冷蔵保存で1年程度あり、表面にカビが生えたり、ひどく変色したりしていなければ、食べても問題はありません。
しかし味噌は空気に触れることで、だんだん発酵が進み、色も黒ずんで、味もやや渋みを帯びた味に変化します。最近はあらかじめ発酵を止める酒精という成分が含まれている味噌も多いので、それほど気にならない場合も多いですが、好きな味噌だからこそ、味が変わってしまうのは残念でもあります。
味噌だけではなく、調味料全般に言えますが、調味料は特に「いつまで食べられるか」判断するのはすごく難しいです。「開封後はお早めに」と言われても、なかなか早く使いきれない時もあります。
味噌の場合は、買った時の容器そのままで保存するなら付属の薄い半透明のシートできちんと味噌の表面を覆い、空気に直接触れないように保管すること。別の容器で味噌を保存するなら、蓋つきの容器に入れるようにするのが大切です。
味噌の保存容器は琺瑯のバットがオススメ
昭和を代表する料理研究家、辰巳浜子さんがその著書『みその本 みその料理』の中で家庭用のみその保存について、次のように書いています。
「瀬戸引きのバットを用意して、各種のみそを区切って入れ合わせます。
バットのふたをあければ、好むままに、合わせみそ、ふくさみその配合が自由自在です。」
「みそとみその区切りに、だしこんぶを用いればみその味もよくなり、三ヶ月も経つとこんぶがおいしいみそ漬けになります。」
瀬戸引きというのは今でいう琺瑯(ホーロー)のこと。バットとは四角い平べったい容器のことです。
今では区切りのあるバットもありますが、だし昆布で区切り、それを食べるという発想はさすがと言わざるを得ません。それとも昔の方はこうやって工夫していたのでしょうか。
味噌の保存にいい琺瑯容器は無印やニトリでも買えます
食材の保存に琺瑯がいいというのはよく言われています。容器に匂いがつきにくいので、キムチとか漬物とか、もちろん味噌にぴったりなのです。雑菌がつきにくい、熱伝導が良い、直火OKなのも嬉しいです。
琺瑯のネックはお値段です。プラスチックの容器に比べて割高感が否めません。しかしタッパーやその他100均の容器とは品質に格段の違いがあります。タッパーや100均のケースをオススメしない一番の理由は、容器に匂いが残って、味噌の風味が悪くなってしまうことです。長く大事に使いたいなら、味噌の保存には琺瑯の容器をオススメします。
味噌は4種類冷蔵庫にあると料理の幅が広がります
味噌はどの味噌が美味しいのかというのは一概に言えません。それぞれの好みが違う上に、味噌の種類は日本全国で約4000以上。米味噌、麦味噌、豆味噌といった主要材料による違いや、塩分量、発酵方法、発酵時間によって実に様々です。手前味噌のように、自宅で自家製するお味噌もあります。
美味しい味噌を見つけたいなら、自宅の冷蔵庫には4種類の味噌を常備することをお勧めします。
賞味期限は1年以上あるのですから、あまり使わない味噌があっても気にする必要はありません。ご家庭の定番味噌を1種類、それとは別に赤味噌、白味噌といった種類の違う味噌を2種類。定番は米味噌のご家庭が多いでしょうから、最後のもう1種類はあえて麦味噌か豆味噌から選ぶと、それぞれの味の違いが引き立ちます。
これはあくまで一例で、ご家庭によって塩分量の違う4種類を揃えておいて、年配の方には塩分少なめ、部活で忙しい子供には塩分多めの味噌というパターンもあります。また、それぞれの土地の味噌を楽しむという意味で、蔵ごとに4種類食べ比べて見ても楽しいかもしれません。
味噌の種類が豊富であれば、たとえ毎日同じ具材でも、少しずつ違う味わいを楽しむことができます。もちろんそれらをブレンドして、新しい味にチャレンジしてみることも楽しみの一つになりますね。