旅へ出たら絶対に地元のおいしいものを食べたい! せっかく美食の街・金沢に来たのだから「お寿司食べたい!」「和スイーツも外せない!」と食欲におぼれてしまいたい。そんな数あるおいしいものの中で、今回絶対に食べると決めていたのが老舗洋食店「グリルオーツカ」のハントンライス。地元の方々はもちろん、観光客にも長年愛され続けている金沢のソウルフードをご紹介します。
70年近く愛される 行列必至の名店「グリルオーツカ」
「グリルオーツカ」は昭和32(1957)年に創業し、70年近くにわたり地元で愛され続けてきた老舗洋食店です。ハントンライスが有名ですが、スパゲッティやグラタン、ヒレカツやハンバーグ、カレーライスやサラダなど洋食メニューが揃っています。
メニューを開くと、一番最初に大きな写真付きで載っているのがハントンライス。創業当時から変わらないレシピを食べられるとあって、金沢市民にとっては懐かしい思い出の味なのだとか。
「グリルオーツカ」のハントンライスが愛され続ける理由の一つは、時代が変わっても変わらない味が守り続けられているからなのでしょう。
今では金沢名物としても知られるハントンライスですが、やはり「グリルオーツカ」のハントンライスは別格。
観光客が多く訪れる休日だけでなく平日でも行列ができると聞いてはいましたが、私が訪れた平日12時半ごろでも15人ほどが並んでいました。
店内に入るまでの待ち時間は20分ほど。並んでいる間にメニューをじっくり見ることができるので、案内されたらすぐに注文できるのもうれしいポイントです。
「グリルオーツカ」の外観は誰しもが懐かしく感じるような落ち着く雰囲気。店内へ入ると、まず目に入るのはレジ前の壁に所狭しと貼られた著名人のサイン。
こういうのを見ると「地元の有名店に来たんだな」となんだかうれしくなります。
店内は全体がワンフロアーになっているのかと思いきや、いくつかの小部屋に分かれています。数組ずつ座れるようテーブルと椅子が用意されているので、落ち着いて食事を楽しむことができます。
カウンター席も合わせると40席ほどあり行列ができていても意外と回転が早いように感じました。
第一印象はオムライス 金沢のソウルフード「ハントンライス」
ここまで当たり前のように「ハントンライス」について話してきましたが、「ハントンライスってどんなメニューなの?」と思っている方もいるのではないでしょうか。実は私も今回が初めての「ハントンライス」体験です。
メニューにある「ハントンライス」の写真を見ると、オムライスに近いのかなという印象。
メニューには書かれているハントンの名前の由来によると「ハン=ハンガリー、トン(フランス語:thon)=マグロ」とのこと。ハンガリーに該当する料理はないそうですが、ハンガリーには日本のエビフライと同じ調理方法の魚のフライがあり、そこからシーフードフライが「ハントン」と呼ばれるようになったという説があるそうです。
お店によって違いもあるようですが、卵でご飯を包んでいるのはどの店も同じ。バター風味のケチャップライスやチキンライスで、具材はシンプルに玉ねぎのみだったり、鶏肉やハムなどが入っていることもあるようです。
オムライスと大きく違うのが「ハントンライス」には必ずフライが添えられていること!一般的には白身魚のフライですが、エビフライやカジキマグロのフライ、または何種類かを乗せているお店もあるのだとか。
仕上げにかけられているのはケチャップと自家製タルタルソースの2種類のソース。ケチャップではなくデミグラスソースなこともあるようですが、2種類かけられているのがオムライスとの大きな違いです。
いざ実食! 「グリルオーツカ」のハントンライスを堪能
「グリルオーツカ」のハントンライスは2種類。ハントンライスとエビハントンライスで、ハントンライスにはカジキマグロフライ2個と小エビフライ2個、エビハントンライスには小エビフライ4個が乗っています。ハントンライスの小エビフライはカジキマグロフライに変更できます。
サイズは普通サイズと小サイズがあり、さらに有料で大盛りにすることもできます。小サイズでもしっかりボリュームがあるので、初めての方は小サイズで十分かも。
私が選んだのは普通サイズですが、そこまでボリュームがあるようには見えないですよね。しっかりお腹はすいていたのにいつもの時間に夜ご飯を食べることはできませんでした。
バターの風味がきいたケチャップライスを卵で包み、フライを乗せ、ケチャップの上からさらりとしたタルタルソースがたっぷりとかけられています。
玉ねぎのほんのりとした甘みが感じられるケチャップライスは、シンプルだからこそケチャップの甘酸っぱさが引き立ちます。そこに卵のやさしい甘み、ほどよい酸味のケチャップと爽やかなタルタルソース、香ばしくジューシーなフライの風味が加わり、スプーンひと匙ごとに味が変わります。
ケチャップ多めだとトマト感が強く、タルタルソースが多めだとスッキリと。食べてすすめてうちにほどよく混ざりあい、スプーンが止まらなくなるのがハントンライスの魅力です。
テイクアウトも充実!金沢で絶対マストな「グリルオーツカ」
「グリルオーツカ」ではテイクアウトメニューも充実しています。ホテルで食べる夜食やおつまみに、帰りの新幹線で食べるために、家で待っている家族へのお土産に、というのもいいですね。ハントンライスだけでなくスパゲッティやカレーライス、サンドイッチやピラフもあります。
今回は初めての「グリルオーツカ」ということもあり、金沢名物のハントンライスを食べないという選択肢はありませんでした。
次の機会があればスパゲッティもグラタンも、ヒレカツもハンバーグも食べてみたい! やっぱりまたハントンライスを選んでしまいそうな気もします。家の近くにあったら足繁く通いたい、とても居心地のいい洋食屋さんでした。
【グリルオーツカ】
住所:石川県金沢市片町2丁目9-15
アクセス:【北鉄バス】金沢駅から香林坊で下車徒歩4分
※香林坊東急スクエアからグランドパーキングの方面へ歩いてすぐ
定休日:水曜(不定休あり)
営業時間:11:00〜15:20 (14:45L.O) / 17:00〜20:30 (19:50L.O)
電話番号:076-221-2646 ※席の予約不可
その他:クレジットカード不可、PayPay利用可
今月の定休日はグリルオーツカのInstagramをチェック