進化する食卓

「松山あげ」は賞味期限3ヶ月!食べ方いろいろ常備しておきたい注目の油あげ

私が「松山あげ」に初めて出会ったのは、愛媛に実家のある友人からのお土産でした。「これ知ってる?」という言葉と一緒に渡された「松山あげ」はとても軽く、「伊豫名産」と「ひと味ちがう油揚」の文字に心惹かれてしまいました。

明治15(1882)年創業、程野商店が作る「松山あげ」

愛媛の特産品「干油あげ」とも呼ばれる「松山あげ」。松山では、すでに明治の初め頃から製造されていたと言います。「干油あげ」を製造しているところは他にもあったようですが、その製造の難しさから製造元は増えませんでした。

その「干油あげ」は普通の豆腐とは製法が違うお豆腐を、わずか3mmの厚さに切り、それを脱水してから揚げて作られています。
全てが手作業で作られていた時代に、とりわけ柔らかいお豆腐を包丁で数mmの厚さに切るのは、かなりの熟練を要しました。「干油あげ」は風味がよく保存がきく常備品として、軍隊の物資としても重宝されました。

昭和2(1927)年に松山まで国鉄が開通したことから、二代目が「干油あげ」を伊予の名産として売り出していきました。九州や中国地方にも出向いて販路を開拓し、地元愛媛だけではなく、西日本の家庭でも食されるようになっていきました。

昭和39(1964)年、三代目社長が松山特産という印象を強くつけたいという願いから
「松山あげ」と命名し、今や日本全国だけでなく海外でも愛されている油揚げです。

「松山あげ」は常温保存で90日程度日持ちします

油揚げというと冷蔵コーナーにあり、消費期限も4〜5日と短いものが多いです。必要な分だけ使った後は冷凍庫に入れ、使いたい時に使いたい分だけ使うようにしています。
我が家では油揚げはお味噌汁に入れるために買うことがほとんどで、たまに炊き込みご飯に使う程度、これはきっとかなり少ない方だと思います。スーパーマーケットでごくごく普通の油揚げを買うことがほとんどです。

「松山あげ」は常温保存で90日程度日持ちします。油抜きをする必要もないので、そのまま使うことができます。袋の中には3cm四方の薄い油揚げが入っています。ちょっと形が崩れているものもありますが、普通の油揚げよりずっと軽く感じます。

私がいつも買っているスーパーマーケットでは45g入りのきざみタイプしか取り扱っていませんが、その他に定番サイズの約140×200mmの大判、約110×150cmの小判もあります。

「松山あげ」のホームページにはレシピが掲載されています

やっぱり「松山あげ」を買ったからにはお味噌汁に入れたい。「松山あげ」をしっかりと味わいたいので、具材はたっぷりのねぎと「松山あげ」のみにしました。

お味噌汁はいつもと同じように、温めただし汁にねぎを入れ、ねぎがくたっと柔らかくなったら松山あげを油抜きなどせずそのまま加えます。その後味噌を入れれば完成です。

いつもお味噌汁の具材の中で特別に油揚げは好きだというわけではありませんでしたが、この「松山あげ」は別です。お味噌汁にコクが出て、「松山あげ」のふわっふわな食感は他にはありません。いつもの油揚げの食感とも違うし、お麩の食感とも違います。

しっかりと汁を吸って、もちもちなのにふわっと、じゅわっとした「松山あげ」。ホームページには四季ののレシピの他にも郷土料理も掲載されています。45g入りのきざみタイプではあっという間になくなってしまうので今度は大判3枚を使った「松山あげ」を作ってみたいと思っています。

程野商店の「松山あげ」

(株)程野商店 松山あげ きざみ 45g

価格:200円
(2020/6/1 11:05時点)
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ABOUT ME
ひがのあや
東京都品川在住。小学生の2人の子供を育てながら、ファッション・グルメ・トラベル系のWEBライターとして取材・ライティング・リサーチ業務を行う。長いお休みには国内旅行で美味しいモノを食べ歩き、普段は時間があればアンテナショップやデパ地下を巡っている。