これまで普段ソースを使わないと言ってきたのですが、おいしいソースに出会うたびにどんどんソースにハマってきています。そんな中出会ったのが「トリイソース」です。これまでほとんど見ていなかったソース売り場がとても魅力的で、私のソース探しの旅が始まりました。
地元浜松の工場や食堂で愛されてきた「トリイソース」とは
1924(大正13)年からソース作りを始めた「トリイソース」。家業は農業でしたが新しいもの好きの初代が、市場でいろいろな食品を目にする中で、当時「西洋醤油」と呼ばれていたソースに注目しソースの製造を始めました。
浜松はホンダやヤマハ、スズキといった楽器などをはじめとする工業製品の生産拠点です。「トリイソース」(創業当時は「タカラソース」)は創業以来、浜松を中心に地元の工場や食堂にソースを提供し、愛されてきたのです。
二代目の頃、当時は家庭でソースを使うということがなく、業務用のソースのみを製造していました。スーパーマーケットが増えていくにつれ、家庭用に昔ながらのウスターソースを復刻させ家庭用ソースの製造にも取り組むようになりました。
そして三代目は、安定供給が優先され食品添加物が使われていたソースをなるべく食品添加物を使わない製法をに切り替えていきます。「トリイのウスターソース」「トリイの中濃ソース」をはじめ、9つもの商品が完全無添加のソースにすることに成功しました。原材料名を見ても、家庭の台所にあるものばかりが書かれているので安心です。
大正13年の創業からソース作りに使い続けている木樽は「トリイソース」の原点ですが、これまでの伝統と技法を大切にしながらも時代に合った、嗜好に合ったソース作りを目指しています。
「トリイソース」は野菜から作る木桶熟成ソースです
ソースは何からできているのか知っていますか? 野菜や香辛料でできているんだろうとは思っていましたが、「トリイソース」は生の野菜をひとつひとつカットし、その野菜を低温で煮込み、できたソースを木桶で熟成して作られています。
「トリイソース」に使われる野菜は、ペーストやパウダーに加工されている野菜を使うのではなく生の野菜をカットして使っています。生野菜を使うことで糖度や味に違いが出ますが、大きな木桶の中で熟成させることで仕込みロットごとのばらつきを平準化し、一定の品質が保たれるよう仕込が行われています。
一般的なソースは粉末の香辛料をソースに混ぜて作られています。「トリイソース」では香辛料をそのまま漬け込み、香辛料からにじみ出てくる風味でソースに味をつけます。そのため、強く刺激的な香辛料の風味ではなく、じっくりと染みだした、しっかりとソースになじんだまろやかな風味となっています。
野菜や香辛料を加工・加熱する工程を減らし、温度変化も少なくすることで、本来素材が持っている風味をきちんと保ったままソースにすることができる。これこそが「トリイソース」の魅力です。
完全無添加の「トリイソース」、野菜の味を感じます
瓶に入り厚紙のラベルが巻かれた「トリイソース」、ちょっとレトロで懐かしさがありながらおしゃれなデザインになっています。私が買った静岡県内のスーパーマーケットには「ウスターソース」と「中濃ソース」が置かれていましたが、「オムライスをおいしくするソース」「カレー専用スパイスソース」「野菜とくだもの完熟ソース」「桶底のちから」と6種類のソースが作られています。
トリイソースの「中濃ソース」を味わってみると、これまで食べてきたソースとの違いに驚きます。野菜の味がするソースってこういうことだったのか、と食べてみて分かりました。まず最初にふわっとスパーシーな風味がして、それから優しい甘さを感じ、そしてもう一度喉を通るときギュッとした辛みを感じます。
トリイソースの「中濃ソース」と旬のレンコンで作る甘辛炒め
材料
- れんこん 1本(15cmほど)
- 片栗粉 大さじ2
- トリイソースの「中濃ソース」 大さじ2〜3
- 白いりごま 適量
- サラダ油 大さじ4
今が旬のれんこんは、体調を崩しやすいこの時期にぴったりの食材です。サクッとしたれんこんの食感に甘辛いトリイソースの「中濃ソース」がよく合います。ソースだけで味付けしたと思えない深い味わいになりました。子どもたちからも「おかわりないの?」と聞かれるほど評判でした。瓶もかわいいトリイソース、ぜひ他のソースも揃えて並べてみたくなります。
価格:469円 |