懐石料理やおばんざいなど和食のイメージが強い京都ですが、実はパン激戦区。昔ながらのパン屋さんや新しいおしゃれなベーカリー、そして地元に根付いたベーカリーチェーンが共存しており、様々なパンを味わうことができます。
そんなたくさんのパン屋さんの中でも、長年にわたり京都市民から愛され続けている「志津屋」をご紹介します。
歴史あるベーカリー「志津屋」
京都にパン屋さんがたくさんある理由として、パン食文化が定着しており幅広い年代でパン派の方が多いことにあります。
京都にパン食が根付いたのは、織物などの職人さんが仕事の合間に食べやすいからとか、京都人の新しもの好きが関係しているとか言われています。
京都人のパン好きは数字の上でも表れています。2015年~2017年の総務省の家計調査では、パンの購入量・購入金額ともに京都市が日本一となりました。
そんな、京都のパン食文化に貢献してきたのが志津屋です。
志津屋の創業は1948年。戦後間もない頃から京都市民の胃袋を満たしてきました。現在では京都市内を中心に22店舗を構えています。京都駅、四条河原町など交通の便が良い場所に多く出店しており、通勤通学や買い物などのついでに寄れることもあって、1日に約12,000人もの人が利用しているそうです。
京都では知らない人はいない?人気商品「カルネ」
中でも人気なのが、看板商品の「カルネ」です。いつの間にか名前の表記が「京かるね」に変わりましたが、中身は同じものです。
カルネに使われているのは、カイザーゼンメルというふわふわ食感のドイツ風フランスパン。このパンを上下に切り開いて溶かしマーガリンを塗り、シンプルにハムとスライス玉ネギのみを挟んでいます。
バリエーションとして黒胡椒がきいた「ペッパーカルネ」、チェダーチーズをプラスした「チーズカルネ」もありますが、どちらもいたってシンプルです。
シンプルがゆえに素材の味ひとつひとつが重要です。マーガリンは口当たりの良いオリジナルのマーガリンを使用し、玉ねぎは季節によって厚みを変えるなどの工夫がされています。
カルネ誕生のきっかけは、初代社長がドイツに視察に行った際、たまたまミュンヘン駅構内でカイザーゼンメルを使ったサンドイッチに出会ったこと。このパンが元となり、カルネは作られたそうです。
さらにその名前は、パリ交通公団の発行する地下鉄回数券「カルネ」から付けられました。何度でも来店し何度でも買ってほしいという思いを「カルネ」の名前に込めたのだとか。
その願いの通り、現在1日に5,000〜6,000個売れているそうです。1日の利用客が約12,000人ということは、お客さんの2人に1人は購入している計算です。
「カルネ」のおいしい食べ方は?
カルネは普通のサンドイッチと同様に、冷した状態でおいしく食べられます。
手軽に食べられて誰からも愛される味なので、部活動中の後輩や会議やイベントなどの差し入れにも喜ばれます。
そのままでも十分おいしいのですが、自宅で食べるときはトースターで軽く温めてから食べるのがおすすめです。
パンの表面がサックリとした食感になり、マーガリンの香りが立って、さらにおいしく味わえます。
志津屋にはカルネ以外にも人気商品がたくさん!
志津屋のパンのラインナップは、70~80種類ほど。
この中から店の立地や客層などに合わせて並べる商品を変えているため、店舗によって違うパンに出会うことができます。また、毎月新商品が発売されるので、常連客も飽きさせません。
たくさんある商品の中でも、おやつに食べたくなるのがクリームパン。薄めのパンにたっぷりクリームが詰まった懐かしい味です。
冬は温めるとさらにおいしく味わえます。
電子レンジで加熱してから半分に割ると、中からクリームがとろーりこぼれ出します。夏は冷蔵庫で冷やすのがおすすめで、パンというよりはスイーツ感覚で楽しめます。
こんなところでも買える!志津屋のカルネ販売店
京都市内に志津屋の店舗は22店舗あります。本店、祇園店、京都駅店、カナート洛北店、三条店、大手筋店、JR二条駅店、鞍楽店、京阪三条店、七条店、山科三条店、出町柳店、烏丸御池店、近鉄丹波橋店、コトチカ京都店、四条烏丸店、京阪祇園四条店、京阪くずは店、イオンモール京都桂川店、堀川店、JR山科駅店、コトチカ山科店・COFFEE STAND。
京都市内のあちこちで買うことができるので、京都の人にとってはおなじみの味となっています。
また、志津屋の店舗以外でも志津屋のパンを買うことができます。例えば、京都市内のスーパーには志津屋コーナーがある店舗も多くあります。
また、京都駅では新幹線コンコースの売店でも取り扱っています。時間がなくても買いやすいため、朝早く新幹線に乗るときは、カルネが私の定番朝ごはんです。
さらに、烏丸御池駅には志津屋の自動販売機もあります。
烏丸御池駅は烏丸線と東西線、2つの京都市営地下鉄が交差するため、1日平均6万人が乗り換えで利用します。
この自動販売機は、京都駅方面行きの烏丸線と東西線との乗り換え途中に設置されています。
コンコース階にも志津屋の店舗があるのですが、この自動販売機のおかげで上の階まで上がることなくパンを購入することができます。寝坊してしまった朝、この自動販売機に助けられたという方も多いのではないでしょうか。
カルネは東京でも買えるの?お取り寄せは?
志津屋の店舗は京都市内にしかありません。催事で京都以外に出店することもありますが、大阪など京都近郊のみで東京に出店したことはないようです。
電話やネット販売などのお取り寄せも行われていないので、京都に行かないとカルネは食べられません。
京都を離れた方も懐かしくなる味カルネは、ますます期待値を上げてくれます。
京都駅にはあんぱん専門店「SIZUYAPAN」も
志津屋は京都駅に京都駅店とコトチカ京都店の2店舗あり、どの路線からも利用しやすくなっています。
このうち京都駅店は新幹線八条口からすぐのところにあります。新幹線内に乗る前に買いやすいこともあり、出張帰りのサラリーマンや観光客も多く訪れます。
志津屋京都駅店のすぐ隣には、あんぱんに特化したブランド「SIZUYAPAN」があります。
SIZUYAPANのあんぱんには、丹波大納言や酒粕、柚子など京都ならでは素材が多く使われています。
パン生地もプレーンな「白ぱん」の他に黒糖を使った「黒ぱん」、「抹茶ぱん」があり、たくさんの種類の中から生地とあんの組み合わせが選べます。
上品なサイズと繊細な味で、パンというより和菓子感覚。お茶と一緒に丁寧に味わいたくなります。
生地だけでなく中身も個性的。小倉、黒豆ゆず、和栗。シナモン、抹茶小倉、抹茶、安納芋、ゆず、プレーン、濃い抹茶、ごまの10種類。京都の和菓子の要素も取り入れた、新しい京都土産はパッケージもおしゃれです。
SIZUYAPANのあんぱんはSIZUYAPAN各店のほか、志津屋全店、メール・電話・FAXでお取り寄せすることができます。(カルネなどSIZUYAPAN以外のサンドイッチ、菓子パンのお取り寄せはできません。)
1週間ほど日持ちする上、箱詰めも可能なので京都のお土産にもぴったりです。京都のお土産にパンというと驚かれるかもしれませんが、京都ならではの自慢のパンをぜひ味ってみてほしいです。
SIZUYAPAN KYOTO STATION STORE
京都市下京区東塩小路町8-3JR京都駅八条口
営業時間 9:00~21:00