旅行のお土産はどれにしようか迷いますよね。あれもいいな、これもいいなと思っているうちにどんどん増えてしまうなんてこと、よくあります。
先日伊豆に行ったときもついつい買いすぎてしまい、後回しにしていたのが伊豆特産の「ぐり茶」です。伊豆のあちらこちらで目にしましたし、温泉に入ったあとの休憩所でもサービスドリンクで「ぐり茶」が用意されていていました。その土地でその土地のものをいただくと、やはり欲しくなってしまうものです。
伊豆特産の「ぐり茶」ってどういうお茶なのでしょうか
静岡県は日本一の生産量を誇るお茶の生産地です。本山（ほんやま）、牧ノ原、掛川、川根など、お茶に詳しくない方にでも知られている有名な産地が静岡県内だけでも数多く存在しています。新幹線に初めて乗ったとき、車窓に流れる茶畑を見て「こんなにもずっと茶畑が続いているんだ！」と感激したのを覚えています。
「ぐり茶」は伊豆地方独特の呼び方で、ぐりぐりと丸い形をしていることからそう呼ばれています。「玉緑茶」という種類に分類され、渋みが少なく柔らかな風味が特徴です。しっかり温泉に入ったあとの水分補給でも、ぐいぐいと飲めてしまうのは渋みが少なかったからなんですね。
ぐり茶には煎茶の製造工程で形を細長くまっすぐに整える「精揉」という工程がありません。その代わり、回転するドラムに茶葉を入れ、70℃ほどの熱風を通して茶葉を乾燥させます。茶葉がよれずに、ぐるっと丸い形になります。
三煎入れて風味の違いを楽しみたい、「ぐり茶」の美味しい淹れ方
日本茶は急須に入れた茶葉にお湯を注いで、三煎ほど楽しむことができます。風味の変化を楽しめるのも日本茶のいいところです。美味しく淹れるポイントは急須から湯飲みに注ぐ前に軽く回すこと。そして最期の一滴まで注ぎきることです。
１、お湯を沸かす。沸騰してボコボコと大きい泡がでるくらいにしっかりと沸騰させる。
２、急須と湯飲みにお湯を入れ、温めておく。
３、急須に茶さじ２杯程度を入れ、湯飲みに入れておいたお湯を急須に入れる。
４、１分ほどそのまま待ち、注ぐ前に２〜３回急須を回してから湯飲みに注ぐ。
５、濃さが均一になるよう湯飲みに少しずつ注いでいく。最期の一滴までしっかりと注ぎきる。
６、二煎目は急須にお湯を入れたらすぐに湯飲みに注ぎ、三煎目は少し熱めのお湯を入れてすぐに湯飲みに注ぐ。
一般的な煎茶は急須にお湯を入れた後に回しません。ぐり茶はお茶の成分が出やすいよう急須を回すのがポイントです。そしてうま味成分をしっかり味わえるよう、最期の一滴までしっかり急須を振って注ぎきりましょう。
一煎目は香りもよくスッキリした香りと、軽い渋みと甘みを味わえます。二煎目、三煎目は、急須にお湯を入れたらすぐに湯飲みに注ぎます。こうすることで、二煎目ではまろやかな甘みを味わえ、三煎目は熱めのお湯を入れることでスッキリとした渋みを味わえます。
夏におすすめ、ごくごく飲めちゃう氷出し「ぐり茶」
気温が高くなってくると熱い飲み物はちょっと、と日本茶は避けられがちです。ぬるめのお湯で淹れる「ぐり茶」も大好きなのですが、この夏は氷出しの「ぐり茶」にはまっています。お湯で出すよりも時間はかかりますが、茶葉のうまみが氷と一緒にじっくりと溶け出して、軽さのある渋みとうま味が心地よい風味になります。
１、大きめのポットに茶葉を大さじ４杯程度と多めに入れ、その上に氷をポットいっぱいに入れる。
２、そのまま３〜４時間、氷が溶けるまで待つ。
３、氷が溶けたら、スプーンで軽くひと混ぜしてから注ぐ。
私はいつもガラスのポットで作っていますが、急須や冷水ポットでも作ることができます。「ぐり茶」の甘みやうま味が強く出て、後味に軽い渋みが残るのが暑い季節にぴったりです。ごくごくと飲んでも青々とした爽快な「ぐり茶」の風味が広がり、うま味が体全体に染み渡っていきます。
氷が溶けたあと、ポットの中のお茶は透明なままなので「きちんと抽出できてないのかな？」と不安になりますが大丈夫。スプーンで混ぜるとご覧の通りきれいなお茶の色になります。
ペットボトルで日本茶を飲むことは多いけど家ではほとんど淹れない、という方もたまには茶葉からお茶を淹れてみてはいかがでしょうか。日本茶の苦味が得意ではないという方でも、「ぐり茶」の氷出しならまろやかなお茶のうま味を堪能できます。
 | 価格:540円 |
