おうちで旅気分

岐阜や長野の郷土食「五平餅」のレシピを実際に作ってみた

細長い小判型のお米に味噌のようなものをぬった「五平餅」。朝の連続テレビ小説『半分青い』に登場したり、木曽や飛騨の郷土料理としても有名です。

中部地方や長野県にある道の駅や高速道路のサービスエリアなどでよく売られていて、甘いにおいにそそられて購入したことがある人も多いはず。私も昨年、真夏に妻籠宿を旅したときに焼きたての「五平餅」を食べました。暑い中で食べたあつあつの「五平餅」、今でも鮮明に覚えています。

今回はその味を思い出しながら「五平餅」を作ってみました。

「五平餅」の名前の由来は神に捧げる「御幣」から

五平餅の起源はあまりにも古く、さだかな定説はありません。一般的なのは、神道において神に捧げる「御幣」の形をしていることからこの名がついたとするもの。実際、「御幣餅」と表記して販売しているところもあるそうです。

また、その昔、山深い仕事場で木こりの「五平」あるいは「五兵衛」が木の皮片に飯を握り付けて焚火で焼いて食べたのが今に伝えられたともいわれています。

その人物は木こりであったり猟師であったり、また大工とするものもあり、似たような伝承が各地に存在します。

いずれにせよ、江戸時代中期頃に木曽・伊那地方の山に暮らす人々によって作られていたものが起源というのが濃厚なのだとか。

米が貴重であった時代、ハレの食べ物として祭りや祝いの場で捧げられ、食べられていた郷土食です。

自宅でも手軽に作れる五平餅レシピ

五平餅を作るには何を用意したらいいのでしょうか?材料とレシピをご紹介します。

こちらのサイトを参考にさせていただきました。
出典:https://daidokolog.pal-system.co.jp/recipe/2558

材料

  • ごはん 600g(約2合)
  • A 味噌 大さじ1
  • A ねりごま 大さじ1
  • A 砂糖 大さじ2
  • A しょうゆ 大さじ1
  • A みりん 大さじ1
  • A くるみ 20g

工程

1、温かいごはんを濡らしたすりこぎで粒がほとんどなくなるまで潰す。

2、潰したごはんを作りたい本数分に分ける。そのうちのひとつを手に取り、割り箸に押し付けながら握るようにして丸める。細くい平たい楕円形になるように形づくる。

3、皿に並べた2をラップをせずに、20分ほどおいて少し表面を乾燥させる。裏返さず表面だけでOK。

4、乾燥させている間にAを合わせてみそだれを作る。くるみは包丁で刻み、他の材料といっしょにすり鉢またはフートプロセッサーで滑らかになるまですり潰す。

5、3の表面にみそだれを塗り、オーブントースターか魚焼きグリルで焼き色が付くまで焼く。焦げてしまうので、焼く前に割り箸は抜き、焼き上がったらもう一度差し込む。焼き時間はトースターの場合は約5~7分、魚焼きグリルの場合は中火~弱火で約3〜4分ほど焼く。

 

 

五平餅はもち米ではなく、いつものごはんで作れます。意外にも家にある材料がほとんどなので、簡単に作れそうです。

五平餅の作り方をさらにじっくりお見せします

五平餅のレシピをもとに、私たちも実際に作ってみました。ここでは実際に作ってみてわかった美味しさのコツをご紹介します。

用意するものはこんな感じです。味噌や醤油、砂糖など、ほとんど家にあるもので作ることができます。くるみはダイソーで100円で買ってきました。

ごはんが冷めないうちに始めたいので、割り箸など必要なものはあらかじめ用意しておきましょう。

温かいごはんをすり潰す

まずはごはんをすりこぎで潰していきます。冷めたいごはんでも作れますが、冷めているとすり潰しにくいので、電子レンジで温めてから潰す方が楽にすり潰せます。

すり潰し具合はお好みですが、粒が残っていてもおいしいですよ。

潰したごはんを小判形に整形する

五平餅の、小判型のあの形にしていきます。今回はビニール手袋を使いましたが、おにぎりを作る時のように手を濡らしても作ることができます。

割り箸をさして表面を乾燥させる

5本だと少し大きめの小判型になるので、お子さまが食べる場合には6本分で作るといいと思います。もしくは小さめの2つの小判型を1本の割り箸にさすと食べやすくなります。

ここで約20分、ごはんの表面を乾燥させます。裏返す必要はありません。この間にくるみ味噌だれを作ります。

くるみ味噌だれを作る

まず、すり鉢でくるみをすり潰し、そこへ味噌やねりごまを加えていきます。材料を加えては混ぜ…を繰り返していくと、ふんわりいい香りがしてきて五平餅の味噌だれが完成します。

くるみがない場合は味噌を大さじ1から大さじ2に増やせば、シンプルな味噌だれになります。個人的には、やっぱりくるみがあった方が断然おいしいです。

ごはんにくるみ味噌だれを塗る

五平餅に味噌だれを塗っていきます。

味噌だれはゆるすぎずほどよいかたさなので、スプーンでも簡単に塗ることがます。焼く前の味噌だれを塗った状態でもすでにおいしそうな予感しかしません。

グリルで5分ほど焼く

今回は魚焼きグリルで焼きます。割り箸は焦げてしまうので、火をつける前に抜くのをお忘れなく。

火加減は中火~弱火で、味噌だれの表面においしそうな焦げ目が付けば完成です。グリルによって火加減も異なると思いますので、焼き加減を確認しながら焼いていくのがいいと思います。

魚焼きグリルに入りきらなかったので2回に分けて焼きました。5分ほど焼いたしっかり焦げ目のついた五平餅と、ちょっとだけ焦げ目をつけた「五平餅」。

しっかり焦げ目をつけたい、ほんのりの焦げ目が好き、どちらのお好みにも合わせられるのは家で作るからこそ、ですね。

いざ五平餅を実食!

焼きがあがった五平餅は冷めると固くなってしまうので、焼きたてのうちに召しあがれ!

くるみと味噌の香りがよく、もちもちのごはんとよく合います。ごはんと味噌だれのバランスもよく、ほんのり感じるねりごまの風味もたまりません。

ごはんはどれくらいすり潰すか迷ったのですが、今回はしっかり潰しながらも少しだけ粒が残るようにしてみました。それがまたよかった。自分たちで作っておきながら、大絶賛してしまうおいしい五平餅ができあがりました。

思っていたよりも簡単にできたので、朝食やおやつにもすぐに作れるなというのが共通の感想です。

五平餅のレシピ!ぜひ自宅でお試しください

これから寒くなりますので、朝食にも温かいものが食べたくなります。しっかり味の五平餅なら朝から楽しく食べられます。

「くるみに落花生を混ぜたらどんな味になるのかな」「すりごまの代わりにピーナツバターでも作れそう」「きなこを加えてみたら?」「すり潰し具合を変えてもおいしそう!」なんてアレンジのアイディアもどんどん浮かんできます。

簡単に作れるので、自分好みのアレンジを加えて自分好みの「五平餅」を楽しんでください。

ABOUT ME
旅する食卓編集部
「食べることを通じて、まるで旅に出たような新しい発見や楽しさを届けたい!」と願う編集チームです。国内外のご当地料理や、現地の風景や文化を感じられるグルメ情報、そして旅先の味をおうちで楽しめるレシピなどを親しみやすくご紹介しています。