子どもの頃から「たち」が大好きです。大根と「たち」の入ったみそ汁があれば、それだけで幸せな気分になれるほど。といっても、何のことかわからないかもしれませんね。「たち」は、主に北海道で使われる言葉で、一般的に言うならタラの白子。クリームがかった白い身と、人体模型の脳のような形が特徴の”あれ”です。
タラの白子、北海道では「たち」と言います
「たち」はタラの白子を指す言葉。タラの種類によっても呼び方は異なっており、スケソウダラの白子なら「スケダチ」、マダラの白子は「マダチ」と言われます。私の周りの北海道人をみると、呼び分けている人は少なく、「タラの白子=たち」という使い方をしている人が多いというのが実感です。
外観はともかく、あの濃厚な味は何にも代えがたいと思ってしまいます。そんな「たち」を使ったかまぼこがあるって知っていますか?
「たちかま」は北海道の漁師町で古くから作られてきた家庭の味でした。発祥はわかっていないといいますが、漁師の奥さんが考案したとされています。たちかまに使われるのは「スケソウダラ」と呼ばれるタラ。マダラに比べると安く、その雌の腹にある卵は「たらこ」に加工され、流通します。
一方、雄がもつ白子は日持ちもせず、加工方法はなかったと言います。そんな「たち」を有効活用できないか。そんな思いから生まれたといわれるのが「たちかま」なんです。かつては「たちかま」をさらに乾燥させ、高野豆腐のようにしたものを削って食べていたといいます。
「たちかま」は北海道の家庭の味 おいしく食べてほしいから「基本は売り切り」
そんな「たちかま」を製造・販売するのは、北海道でもわずか数社。その中でも古くから製造・販売を手掛けているのが、利尻島に本社がある北洋食産です。利尻島は北海道の最北端にある稚内市の西に位置する島で、タラの漁が盛んだった地域でもあります。
北洋食産が「たちかま」の製造・販売を始めたのは今からおよそ半世紀前のこと。今はなき、札幌の老舗百貨店「五番舘」で開かれた物産展での実演販売が始まりだったといいます。実演販売から始めたのは、出来上がる過程が視覚的におもしろいから。その面白さを一言でいうなら、「変化」にあります。
新鮮な「たち」を軽くゆで、塩とでんぷんを練り上げます。最初は液状だったものが、練り上げることにより弾力感のある、つきたてのお餅のような状態に変わるんです。あとはちぎって丸め、軽くゆでるだけ。作り方を聞くと簡単にできそうにも思えますが、やはりコツがあるよう。誰もが作れるものではないと言います。
「たち」のおいしい時期は12月から1月。北洋食産の「たちかま」の製造期間も、たちのおいしい時期のみに限られます。製造期間は12月から翌年1月。販売期間は12月から翌年2月まで。冷凍してしまうと、食感、味が落ちてしまいます。できたときの状態で食べるのが一番おいしいと、北洋食産では、売り切れる量を作ることを基本としています。
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食感の妙、1個に使われるたちは約75g
見た目はモッツァレラチーズのよう。白いもち肌で、ころっと丸い形をしています。「たちかま」の最大の特徴といってもいいのが、その食感。かまぼこというイメージで食べると、いい意味で裏切られます。ぷりっというよりも、もっちりとした食感はくせになります。
北洋食産の「たちかま」は1個約50g。ここに約75gの「たち」が使われています。材料にでんぷんは含まれますが、安定剤としてほんのわずか使われているだけで、基本は「たち」と塩のみ。だからこそ、たちの風味を楽しむことができます。
食べ方としておすすめなのは、刺身、みそ汁、鍋、バター焼き。刺身として食べる場合は、しょうゆをつけず、わさびのみで食べるのがおすすめ。「たちかま」自体の塩気で十分おいしくいただけます。人気の食べ方はバター焼き。濃厚な味わいが評判です。
札幌駅なら「どさんこプラザで」買えます
北洋食産の「たちかま」は札幌市内のスーパーのほか、札幌駅の西コンコースにある「どさんこプラザ」、大通りにある百貨店、丸井今井の「きたキッチン」で購入できます。「たち」自体をお土産に買うことは難しいですが、「たちかま」ならお土産に買って帰ることもできます。雪まつりやスキーなどで札幌に来る予定のある方、お土産にいかがですか?
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