見学・体験レポート

お伊勢参りの定番!赤福 本店で作りたての赤福を味わう

伊勢名物といえば絶大な知名度を誇るのが「赤福」。しかしそれ以外にも歴史のある餅菓子がたくさんあります。

今も昔も伊勢参りの楽しみはやっぱり「赤福」

2000年もの歴史を持つ伊勢神宮。
「お伊勢参り」として庶民が伊勢へ参拝するようになったのは、五街道などの交通網が発達した江戸時代のこと。「一生に一度はお伊勢参り」と言われるほど大ブームだったそうで、年間何百万人もの人が参拝に訪れたのだとか。

旅の楽しみの大きな割合を占めるのがご当地グルメです。今と違い徒歩で伊勢神宮を目指した当時の参拝客は、手軽に食べられて腹持ちのよいお餅を好んで食べたそうです。
そのため桑名から伊勢までの参宮街道沿いにはいくつもの名物餅が生まれ、別名「餅街道」と呼ばれるようになりました。
古くからお伊勢参りの旅人にとって、道中の茶店でほっと一息憩い楽しむ名物餅は、お腹と心を満たす格別なものだったのでしょう。

お伊勢参りに行ったら寄っておきたい「赤福 本店」

伊勢神宮 内宮宇治橋前から五十鈴川沿いに続く「おはらい町」は内宮の鳥居前町として栄えてきました。石畳の通り沿いにお伊勢さん特有の建物が軒を連ね、風情ある街並みに旅行気分がくすぐられます。
その中でもひときわ目を引くのは、伊勢らしい切妻屋根と正面に掲げた大きな看板の「赤福」の金文字。
そう!「赤福本店」です。
赤福は1707年創業。現在の赤福本店の建物は1877年に建てられたそうです。

 

赤福本店では店内で赤福を作る様子も見ることができます

歴史を感じる店内に入ると、番茶のこうばしい香りが鼻をくすぐります。
会計を済ませ奥に進むと「餅入れさん」と呼ばれる女性職人が一つ一つ赤福を作るところを見ることができます。ひとりが均等に餅を丸め、もうひとりがあんをのせ、指先で筋をつけて形を整えます。その独特の形は、伊勢神宮神域を流れる五十鈴川のせせらぎをかたどっており、あんにつけた三筋の形は清流、白いお餅は川底の小石を表しているそうです。
さらに奥に進むと畳敷きの座敷と五十鈴川に面した縁側があります。好きな席に着いて赤福が運ばれてくるのをを待ちます。

作りたての赤福と番茶のメニューはたった税込210円

まもなく運ばれてきたのは、番茶と赤福2つ。これで税込210円です。 観光地にも関わらず、この価格でお菓子とお茶がいただけるとはなんとも良心的です。
作りたての赤福はモチモチやわらか! たっぷりのこしあんは切れの良い甘さなので、伊勢うどんでお腹いっぱいだったのに2つともペロリと食べてしまいました。
お土産でもらった赤福もおいしいですが、情緒ある本店でいただく作りたての赤福は格別です。

本店では赤福のみの取り扱いですが、すぐ向かいにある別店舗やその他直営店などでは冬は赤福ぜんざい、夏は赤福氷や冷やしぜんざい等季節メニューも楽しめます。

賞味期限は夏は2日・冬は3日が目安

赤福が伊勢土産と知ったのは、大人になってからかもしれません。それまでは漠然と「名古屋より西のほうのお土産」と思っていました。
私がぼんやりとしていたのかもしれません。しかし赤福は、新大阪駅で大阪らしい商品を押しのけてお土産売上上位に入るそうなので、「名古屋より西のお土産」というくくりはあながち間違いではありません。

これほど広い範囲で一社の単一商品がお土産として定着しているものは珍しいのではないでしょうか。大阪で売れている赤福は、もちろん京都でも購入できます。赤福のホームページによると賞味期限は夏は製造日共2日、冬は製造日共3日と短めなので、お土産で渡す場合はご注意ください。

夏期(5月中旬~10月中旬)は製造日共2日間、冬期(10月中旬~5月中旬)は製造日共3日間です。 消費期限の表示は、箱の表面もしくは側面に表示しております。

赤福餅の消費期限は何日ですか?

毎月1日だけ販売する赤福の「朔日餅(ついたちもち)」

本店では元日を除く毎月1日には朔日餅を購入することができます。
伊勢には、毎月1日に普段より早く起きて、神宮へお参りする「朔日(ついたち)参り」というならわしがあり、朔日餅は朔日参りの客を迎えるために昭和53年から作り始めたそうです。毎月その季節に合わせた餅菓子が作られるため、同じ餅は1年に1日だけの激レア品。人気の餅となれば買うにもかなりの努力が必要です。

まず、前日の午後5時から「列整理券」の事前受付が始まり、希望者に「受付番号票」配布します。当日午前3時30分になったら「列整理券」の配布が始まるので、「受付番号票」を「列整理券」に交換します。さらに午前4時30分になったら列に並び、午前4時45分にようやく販売が開始されます。
「受付番号票」や「列整理券」を持っていても、整列が始まったときにその場にいないと無効になってしまうそうなので、注意が必要です。
列整理券を持っていない人も、整理券の人のあとに並ぶことができるそうですが、人気のお餅の日は数時間待ちになることもあるそうです。確実に買うには前日に「受付番号票」をもらうのが良さそうです。

赤福 朔日餅のご購入・ご予約について

何度も食べているはずなのに、赤福については知らないことばかりでした。
赤福を食べたことがある方もない方も、伊勢を訪れた際はできたての赤福をぜひ一度味わってみてください!

赤福本店の営業時間

赤福本店
営業時間:午前5時~午後5時(繁忙期時間変更有)
定休日 :無休

赤福

ABOUT ME
阿東いつ子
埼玉県出身。 おいしいものが大好きで、農業系の大学を卒業後、食品の研究開発、商品企画、販売と、食べ物から離れられず現在に至る。 結婚を機に京都市に移り住んだものの、いつまでたっても観光客気分が抜けません。