見学・体験レポート

ヤマサ醤油の工場見学と「しょうゆ味わい体験館」

銚子は日帰りで出かけるのにちょうどいい関東近郊の観光地の一つです。
東京のお隣、千葉県でありながら2時間ほどかかりますが、むしろこの時間が旅気分にさせてくれます。
きれいな青空と海、おいしい魚。ちょっと遠出してきたという解放感。
いつもの日常に行き詰まってしまったら、お出かけしてみましょう。

1645年から銚子で醤油製造を開始!品質は幕府お墨付きの「ヤマサ醤油」

日本で醤油が誕生したのは鎌倉時代のこと。
中国で味噌の製法を覚え、それを紀州湯浅の村民に教えていた僧が仕込みを間違えてしまったことで偶然醤油が生まれました。

ヤマサ醤油を創業した初代濱口儀兵衛は、醤油発祥の地である紀州湯浅のお隣り、広村(現広川町)の出身でした。
そして濱口家の家長は代々、紀州広村にある本家と銚子を行き来していました。
初代濱口儀兵衛が紀州から銚子に渡りヤマサ醤油を創業したのは1645(正保2)年、江戸幕府誕生のわずか42年後のことでした。

以前から和歌山と千葉には「勝浦」「白浜」など似た地名が多いなとは思っていました。
早くから漁業が盛んだった紀州から漁師たちが黒潮に乗って房総へ移住し、千葉県でも漁業の発展に尽くしてくれたことが関係していたとは!

醤油づくりに最適な気候が紀州と銚子はよく似ていることもあって、漁業だけではなく醤油の町としても発展していったのです。

銚子「ヤマサ醤油工場見学」は駅からアクセスしやすく駐車場もあります

「ヤマサ醤油」は、電車でも車でも行くことができる工場見学スポットです。
JR銚子駅からは徒歩7〜8分、銚子電鉄仲の町駅からは徒歩約3分で、街のあちらこちらに案内表示がされています。車で行っても広い駐車場が用意されているので、銚子観光の1つにアクセスしやすい工場見学です。

「ヤマサ醤油工場見学」は完全予約制です。9名以下ならば見学日の3日前までネットで申し込みができます。1つの時間帯につき40名までの枠があるので、予定が確定してからでも十分間に合います。

土日に工場見学は行われておらず、平日と祝祭日では見学内容が異なります。平日は映画上映約20分・工場見学約30分の50分のコースです。工場が稼働していない祝祭日は、約30分の映像上映のみとなります。
予約時間は午前9:00/10:00/11:00、午後13:00/14:00/15:00の6枠から選んで予約します。

私が参加したのは土曜日だったので、30分の短いコースでした。(2018年現在。以前は土日にも工場見学が行われていました)
映像は工場見学でよく見られるタイプのものでしたが、自分が大きな桶の中に入りしょうゆづくりの過程を観察できる「タップトーク」はここでしか体験できません。

最初は子ども向けだろうと思っていた大人たちが、私も含めて楽しそうに足を踏み出す瞬間がありますます楽しい体験となりました。

しょうゆソフトクリーム手焼きせんべいを体験!「しょうゆ味わい体験館」

工場見学の後は、流れるように「しょうゆ味わい体験館」へ吸い込まれます。
絶対にしょうゆソフトクリームは食べるぞ、と決めてきましたが、なんだか手焼きせんべいもおもしろそう。なかなかおせんべいを自分で焼く体験はできませんからね。

おせんべいを注文してお金を払うと、焼き台まで係の方が案内してくれ焼き方を説明してくれます。
1人1枚ずつ購入し、せっせと裏返し続けます。「なかなか焼き色がつかない」とか「それ焼きすぎじゃないの」とかあれこれ言いながら、好みの状態まで焼きあげ裏表にまんべんなくしょうゆをかければ完成です。

ソフトクリームは「しょうゆ」以外にも、「バニラ」「ミックス」そして「バニラカップ黒蜜風しょうゆかけ」の4種類があります。
以前キッコーマンの工場見学へ行った時もしょうゆソフトクリームを食べたので、ヤマサ醤油でもしょうゆソフトを選びました。

キッコーマンのしょうゆソフトクリームは、しょうゆだと言われなければキャラメル味だと勘違いしてしまうほど。よい甘さと塩気を感じられました。

ヤマサ醤油のしょうゆソフトクリームは、口に入れた瞬間に広がる濃厚なミルク感に驚きます。そして後からしょうゆの風味が追いかけてくるような、しょうゆ感はやや控え目な味わいです。
しょうゆ感が控え目だからこそ、きき味体験コーナーにあるしょうゆをかけて楽しむこともできます。

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銚子「しょうゆ味わい体験館」でヤマサ醤油のしょうゆやポン酢をきき味体験

おせんべいにもソフトクリームにも使ったしょうゆは「しょうゆ味わい体験館」の一角にあるきき味コーナーに用意されています。
7種類の醤油と3種類のポン酢を実際に口にしてみて味比べをすることができます。

うまみ成分が1.5倍もある「ソヤノワール」、プラスチックのボトルに入った「有機しょうゆ」「絹しょうゆ」「丸大豆しょうゆ」「昆布しょうゆ」、エコ容器に入った「超特選しょうゆ」「特選減塩しょうゆ」と醤油だけでも7種類もあります。

「ソヤノワール」という聞き慣れない名前のしょうゆは、こちらのヤマサの工場見学センターの売店とオンラインショップでしか購入できません。
外の売店で販売されている「ぬれ煎餅焼きそば」にも使われ、テレビでもたびたび紹介されています。

うまみ成分が1.5倍もある「ソヤノワール」は、ステーキ肉や青魚など味がしっかりとした素材にも負けないしょうゆです。「ソヤノワール」の名前の由来は、ソヤ=大豆、ノワール=黒というフランス語を組みあわせたものです。
手焼きせんべいにたっぷりと使ってみましたが、確かにしっかりとしたうま味! お肉もお魚もごちそうを食べる機会が多いこれからの季節、容器もおしゃれなので、お土産にも最適ですね。

日本醤油協会から、日本でたった1人の「しょうゆ大使」に任命されているTBSアナウンサーの安住紳一郎さんが、ラジオで「ソヤノワール」を紹介したこともあるそうです。

ヤマサ醤油「ソヤノワール」

しょうゆを実際に食べ比べてみる機会はなかなかないので、きき味コーナーで自分好みのしょうゆやポン酢を探します。
しょうゆの味の違いについて1人で自分好みのものを探すのもおもしろいし、人の好みを聞くのもなかなかおもしろいです。個人的には「超特選しょうゆ」と「ええポン酢」がお気に入りでした。

工場見学をすると1人一つずつ「鮮度の一滴」をいただけます。(※2018年現在。現在は「ヤマサ鮮度生活 特選丸大豆しょうゆ」と変更になっています)おしょうゆを使うたびに工場見学の思い出話を楽しめます。

30分の工場見学のはずが、気づけば2時間近く楽しんでしまいました。
友人同士でもカップルでも、家族連れでも楽しめる銚子の「ヤマサ醤油」へ遊びに行ってはいかがでしょうか。

※本記事は2018年12月時点の情報に基づいて作成されています。情報は予告なく変更される場合がありますので、ご了承ください。最新の情報は、施設のホームページにてご確認ください。

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ABOUT ME
ひがのあや
東京都品川在住。小学生の2人の子供を育てながら、ファッション・グルメ・トラベル系のWEBライターとして取材・ライティング・リサーチ業務を行う。長いお休みには国内旅行で美味しいモノを食べ歩き、普段は時間があればアンテナショップやデパ地下を巡っている。