進化する食卓

まるで雪のよう!浮き糀味噌で有名な越後味噌「雪の花中辛味噌」

新潟への旅が決まった時から買って帰りたかったのがお味噌です。ちょうど家のお味噌がなくなりそうだったというのもありますが、やっぱり米どころの味噌は買って帰らないわけにはいきません。新潟駅直結のぽんしゅ館でじっくりお味噌を選んできました。

「ぽんしゅ館」では越後味噌の試食ができます

新潟駅の改札から外へ出ることなく通路を通ってそのまま行ける「ぽんしゅ館」。日本酒をはじめとする新潟のありとあらゆるおいしいものが揃っているお店です。店内の中央には新潟県内で作られたお醤油の試食が用意されていて、気になったものを自分の舌で味わってから購入することができます。

その横の冷蔵ケースに置かれているのが、新潟県内で作られているお味噌です。大きめの冷蔵ケースが、まるまる全部お味噌のコーナーになっています。約40種類ほどもあるお味噌は、圧倒される品ぞろえです。

熟成された黒みがかった色の味噌、濃いめの茶色をした味噌、明るい茶色の味噌と熟成具合によって色も変わりますが、ここまで種類が多いとどれを選んでいいのか分かりません。味噌コーナーの前には、12種類の試食が用意されているので気になった味噌を実際に味わってから選ぶことができます。

実際に試食してみると、色と同じように味にもかなりの違いがあるのが分かります。ただ残念なことに、味噌の種類があまりに多いのでどれが今試食した味噌なのか、なかなか見つけることができません。

「米・大豆・塩」しか使われていない生みそを選ぶことだけは決めていたので、原材料と荷物のことを考えた結果、新潟県上越市にある杉田味噌醸造場「雪の花中辛味噌」を選びました。

糀がたっぷりと使われた、杉田味噌醸造場「雪の花中辛味噌」

杉田味噌醸造場がある新潟県上越市は、かつては高田藩と呼ばれていました。「雪の花中辛味噌」のパッケージにも「越後高田」の文字があり、糀の量が多くお味噌汁にしたときに米糀がふわりと浮く「浮き糀味噌」になっています。

毎回「こうじ」という文字を書く時、「麹」を使うか「糀」を使うか迷います。最終的には紹介した商品で使われている方を使うようにしているのですが、一般的には中国から伝わった「麹」の文字が使われることが多いようです。
しかし、お米に強いこだわりがある商品の場合は、お米を特別に思う日本で作られた和製漢字「糀」の方をあえて使っているように感じます。お米だけを使ったこうじの場合は、特に「糀」の字を使っていることが多いですね。米に花と書いて「糀」、日本らしい感性を持つ文字です。

およそ1820年創業の杉田味噌醸造場でも「糀」の文字が使われています。商品名にもなっている「雪の花」は、味噌汁の中でお椀に舞う糀がまるで白い雪のようだと感嘆したお客様が名付けたのだとか。パッケージ越しでも、白い糀を見ることができます。

そのまま食べても十分おいしい「雪の花中辛味噌」

杉田味噌醸造場「雪の花中辛味噌」、封を開けてスプーンで味噌をすくってみると、よりハッキリと糀の粒を見ることができます。「雪の花中辛味噌」の原材料は全て国産で、大豆・米・食塩しか使われていません。大豆は主に新潟産大豆のエンレイが使われ、丸米が使われることできれいな「雪の花」になります。

パッケージの裏には「酵母が活きてる」と「発酵して袋がふくれても風味は変わりません」と書かれています。最近使っていたお味噌は酒精が入った、良く言えばおいしい状態で発酵が止められたお味噌を使っていたので「生みそ」を使うのは久しぶりです。

まずは一口、そのまま味わってみます。ほどよい塩気のあとに、ふんわりとした甘みを感じます。「ご飯が欲しい!」と思ってしまう、おいしいお味噌です。お味噌汁はもちろん、焼きおにぎりやきゅうりに付けてもいいななど、一気に食の妄想がひろがります。

まずはお味噌汁の中で舞う「雪の花」を見たい。具材はシンプルに、お豆腐と油あげにしました。ふわふわとお椀の中で舞う糀が、まるで雪のようです。
「雪の花中辛味噌」のお味噌汁は味噌の甘さとスッキリとしたうま味が残り、お味噌汁の具材だけ食べて汁を残すことも多かった娘もしっかりと飲み干していました。

毎日食べるお味噌汁だからこそ、どんな具材にもよく合い、飽きのこないおいしい味噌を使いたいもの。これと決めた味噌を使うのもいいけれど、私にはまだまだ味噌ジプシーを続けてもっともっとおいしいお味噌に出会っていきたいと思っています。

杉田醸造場「雪の花中辛味噌」

新潟県上越市・杉田味噌)雪の花みそ(中辛みそ)

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ABOUT ME
ひがのあや
東京都品川在住。小学生の2人の子供を育てながら、ファッション・グルメ・トラベル系のWEBライターとして取材・ライティング・リサーチ業務を行う。長いお休みには国内旅行で美味しいモノを食べ歩き、普段は時間があればアンテナショップやデパ地下を巡っている。