進化する食卓

ネットでは買えない?関東では入手困難な「三田(さんだ)とまと使用 とんかつソース」を味わう

関西のスーパーは関東よりソース売り場が大きい?

旅先でスーパーマーケットに行くと、新しい発見や珍しいもの、地元のスーパーマーケットとの違いに気づくことがあります。この夏、関西地方を旅したとき、関西のスーパーマーケットはソース売り場がとても充実していることに気づきました。

売り場面積も広く、ウスターソース、とんかつソースはもちろん、どろソースやお好み焼き用ソースなど見ているだけで楽しいラインナップが揃っています。

我が家の冷蔵庫に入っているソースは、カゴメのウスターソースとオタフクのお好みソースの2種類です。ウスターソースはカレーの隠し味用、オタフクソースはトンカツやお好み焼き、たこ焼きに使っています。

普段ソースをあまり使わない私ですが、急にソースに興味がわいてきました。そんな時、兵庫県の友人から「三田とまと使用 とんかつソース」をもらいました。兵庫県でしか売っていないソースと聞いて、早く食べてみたくて仕方ありませんでした。やっぱりトンカツは「とんかつソース」で食べるのが美味しいんです。

洋食調味料「とんかつソース」の発祥は兵庫県神戸市

「とんかつソース」が誕生したのは兵庫県の神戸です。兵庫港が開港してから西洋文化が広まる中で、庶民の間で特に人気だったのが「とんかつ」でした。広まっていく洋食に合うソースを作りたいとの思いで試行錯誤が繰り返されます。

日本で最初に浸透したソースはウスターソースでした。しかし醤油のようにさらっとしたウスターソースはコロッケなどの揚げ物にかけると味が染みる前に滴り落ちてしまいます。

どうにかとろみのあるソースができないものかと試行錯誤の末、コーンスターチを色々な温度帯で混ぜていくうちにある高温帯でコーンスターチを混ぜるとソースがどろっと固まり、その状態を保つことが分かったのです。

昭和23年日本初の家庭用「とんかつソース」がオリバーソースから販売され、新しい洋食の調味料として日本中に広まりました。たこやきやお好み焼きにソースをかけるようになったのもこの頃で、日本のソースとして新しい食文化が生まれ定着していったのです。

JA兵庫六甲パスカルさんだオリジナル「三田とまと使用 とんかつソース」

兵庫県三田市はトマトの生産が盛んで、熟しすぎたものや、大きくなりすぎたものなど味は美味しいのに流通できないトマトを活用しようと、篠山市のソースメーカー「七星ソース」と「パスカルさんだ」で共同で開発されたのが「三田とまと使用 とんかつソース」です。

味の濃い三田産トマト「桃太郎ファイト」がたっぷりと使われています。その含有量は30%と、見た目からもトマトがたっぷり入っているのが分かる赤みを帯びた色になっています。
ネットでの販売もしておらず、都内で見かけたことはありません。JA兵庫六甲の直売所15ヵ所でしか購入できないという、レアなとんかつソースです。

入手困難と聞くとちょっとずつ使いたくなりますが、美味しいからあっという間になくなってしまいそうです。

「三田とまと使用 とんかつソース」はトマトの酸味とソースの甘みが絶妙

「三田とまと使用 とんかつソース」を小皿に取ってみると、瓶に入っている時よりも澄んだ赤い色をしているのが分かります。ちょっぴり舐めてみると、トマトの酸味とソースの旨みと辛みが感じられます。とんかつや揚げ物にかけるのはもちろん、どう使っても美味しくなるに違いないと確信します。

「三田とまと使用 とんかつソース」はトンカツだけではなく、揚げ物全般、オムライスやハンバーグのソースとしてもおすすめです。
甘さと酸味、スパイシー加減といいどれもが絶妙なバランスなので、どんな料理にも合わせやすくなっています。

メンチカツのソースとして使った翌日、ちょっと雰囲気を変えて、「三田とまと使用 とんかつソース」を使った鶏肉の照り焼きを作ってみました。ソースを使って照り焼きを作るのは初めてでしたが、「三田とまと使用 とんかつソース」のおかげで簡単に美味しく作れました。

みりんを使ったので一般的な照り焼きよりは色が浅めになっていますが、「三田とまと使用 とんかつソース」の風味を邪魔しない美味しいソースになりました。野菜にもよく合うので、付け合わせにドレッシングなど必要ありません。

「三田とまと使用 とんかつソース」を使った鶏肉の照り焼き風レシピ

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人数: 4人分


料理時間:

材料

  • 鶏もも肉 2枚
  • 塩・こしょう 適量
  • ——-
  • ソース用
  • 料理酒 大さじ2
  • みりん 大さじ1
  • 三田とまと使用 とんかつソース 大さじ6
  • 醤油 大さじ2
  • 水 1/2カップ

工程

1、鶏もも肉はフォークでところどころ穴を開けて塩こしょうをしておく。
2、ソースの材料を混ぜておく。
3、フライパンで皮を下にして鶏肉を焼いていく。焼いているうちに余分な脂が出てくるので、キッチンペーパーで拭きながら、両面をこんがり焼き目がつくまで焼く。
4、混ぜておいたソースの材料を回し入れ、煮立ったら弱めの中火にして蓋をして5〜6分蒸し焼きにする。
5、蓋を取って火を強め、フライパンをゆすりながらソースを絡めていく。照りが出るまで2〜3分煮詰める。
5、食べやすい大きさに鶏肉を切って器に盛り、フライパンに残ったソースをかければ完成。

揚げ物をあまりしない家庭だと、ソースが余ってしまうこともありますが、この「三田とまと使用 とんかつソース」はアイデア次第で色々な料理に合わせやすい万能ソース。関東ではなかなか手に入らないと思いますので、兵庫県に行かれた時には、ぜひ探してみてください。

参考サイト:パスカルさんだ http://www.jarokko.or.jp/Sol/Shops/Pascal/

ABOUT ME
ひがのあや
東京都品川在住。小学生の2人の子供を育てながら、ファッション・グルメ・トラベル系のWEBライターとして取材・ライティング・リサーチ業務を行う。長いお休みには国内旅行で美味しいモノを食べ歩き、普段は時間があればアンテナショップやデパ地下を巡っている。