豆を煮るのは時間がかかって難しい、というイメージがありませんか? 最近ではドライパックになって売っているものもあり、手軽に料理できるものも増えています。これまであまり豆を料理する機会はなかったのですが、最近おいしい豆が食べたいなと思い始めました。
甘くない、そしてぽそぽそしていない豆を探して始めたところ、たまたま「これおいしいよ」と渡されたのがこの「ひたし豆」です。さて「ひたし豆」はどう料理したらいいのかな。
ひたし豆とは茹でこぼした青大豆を、調味料と合わせただし汁につけたもの
袋には「ひたし豆」と書いてありますが、ひたし豆というのは東北・信越地方の郷土料理です。茹でこぼした青大豆を、しょうゆやみりんと合わせただし汁につけたものです。
新潟県、山形県、福島県、宮城県そして長野県の信濃エリアではおせち料理に「ひたし豆」を使われています。数の子と合わせて「数の子豆」としても食べられています。
青大豆はその名の通り青い大豆の品種で、枝豆と似ていますが枝豆とも違います。大豆が成熟する前に収穫するのが枝豆ですが、青大豆は一般的な大豆とは違い、成熟してもきれいな緑色のままです。青大豆は大豆に比べて甘さがあり、うま味や甘さがぎゅっと濃縮されているのが特徴です。
青大豆は病気にかかりやすく栽培が難しい上、地表近くに実がなるので収穫も手作業で行われるため、なかなか流通していません。実がなる時期の9月から11月頃に涼しくなっている、北海道や東北地方で作られています。
「ひたし豆」は枝豆のようなほどよい歯ごたえがあるので、お酒のおつまみにもいいと言うのも納得です。水に浸す時間は必要ですが、調理時間は短いので常備菜としても重宝します。
「ひたし豆」の料理方法-下ごしらえ-
袋に入った「ひたし豆」はまずよく水で洗ってから使います。そして一晩水につけてから料理に使うのがベストですが、夕食に使うなら朝起きてから水に浸しても十分間に合います。私は寝る前に水につけておこうとしたのにうっかり忘れて寝てしまいましたが、朝起きてから水に漬けても十分柔らかく、美味しく料理できました。
水につけておくと皮がしわしわになってふやけ、まんまるだった「ひたし豆」が枝豆のような状態になります。途中でふとボウルをのぞいたら「芽が出るのでは?」思ってしまうほどしわしわで驚きました。6〜12時間も水に浸しておけば十分です。
「ひたし豆」を十分に水につけたら、その水ごとお鍋に入れ煮ていきます。「ひたし豆」はコトコト煮るというほど煮る必要はありません。15〜20分程度、ふたはせずにアクを取りながら煮ていきます。
ここまでが下ごしらえ。ひたし豆を作るときも、豆ご飯にするときも、ここまでは共通です。塩を入れて煮て、サラダに乗せても美味しく食べられます。しょうゆやみりんと合わせただし汁に一晩漬けても、ポン酢に漬けても美味しく食べられます。
「ひたし豆」の料理方法-「ひたし豆」で豆ご飯はいかが?-
材料
- 白米 3合
- ひたし豆(乾燥) 100g
- 塩 小さじ1
- 酒 大さじ1
- 昆布 約10cm
枝豆くらいの固い食感がお好みの方は、下茹でする時間を短めの約10分くらいにすると美味しく仕上がります。
豆ご飯はいつもえんどう豆で作っていましたが、「ひたし豆」で作った豆ご飯はしっかりとした豆の食感を楽しめます。比べてみると豆らしい青々しさや、ほくっとした風味は控えめです。豆の青い風味やほくほく感が好きな方にはちょっと物足りなく感じるかもしれません。枝豆のようなしっかりとした食感の豆が好きなので、次に見かけたら「ひたし豆」を常備しておきたいなと思います。