ここ数年バタバタしているからと言い訳をしてサボっていた初夏のシロップ作り。今年こそ実行するために、まずはシロップ作りに必要なお砂糖探しからスタート。今年は喜界島の「ざらめ糖」を使ってミントシロップを作りました。喜界島の「ざらめ糖」、一体どんな味なのでしょうか。
鹿児島県・喜界島はサトウキビ栽培が盛んです
江戸時代、日本で最初に砂糖の製造を始めたのは当時の琉球、沖縄県でした。その後、奄美大島や喜界島、徳之島でも、サトウキビは栽培されるようになり、今でも喜界島はサトウキビ栽培が盛んです。
奄美大島や喜界島でサトウキビ、と聞くと黒糖のイメージが強いですよね。黒糖の生産ももちろん盛んで、ブロック状のものだけでなくごつごつした形のものや口溶けのいいタイプのもの、もちもちしたものなど種類も豊富です。
ざらめ糖とは
「ざらめ糖」はサトウキビを搾り、不純物と糖蜜の一部を取り除いただけで生産されています。粗糖とも呼ばれています。以前「よいこのあんこ」を購入したときに、粗糖が使われている優しい味わいを知ってから、ずっと粗糖の存在が引っかかっていました。粗糖、つまり「ざらめ糖」をやっと味わえる!わくわくします。
「ざらめ糖」と普通のお砂糖との違い
ご自宅ではどんなお砂糖を使っていますか? 上白糖、三温糖、てんさい糖、きび砂糖などが一般的なところでしょうか。
上白糖や三温糖はサトウキビが原料で、精製されているお砂糖です。三温糖は白くないので精製されていないと思われることも多いのですが、精製する過程の加熱で色が付くので、実は上白糖と三温糖には栄養面での大きな違いはありません。
精製されたお砂糖が健康によくないと言われているのは、血糖値が急激に上昇してしまうことが原因です。砂糖を摂りすぎるとキレやすくなる、というのもこの血糖値の乱高下にあると言われています。
きび砂糖もサトウキビが原料で、サトウキビから絞った液を煮詰めて作られます。精製されてないのでサトウキビの風味もミネラルも残り、そして体内でゆっくりと消化されます。今回私が購入した「ざらめ糖」もこのきび砂糖です。スーパーなどで売られているきび砂糖よりも「ざらめ糖」の方が結晶が粗いので「ざらめ糖」という名前にも納得です。
そしてもう一つ、精製されたお砂糖を避けている方にも人気のてんさい糖は、サトウキビではなくてんさいという大根が原料です。サトウキビは熱帯の植物なので「砂糖は体を冷やす」とも言われていますが、てんさいは寒冷地で育つ植物なのでてんさい糖は「体を温める作用がある」と言われています。
きび砂糖と「ざらめ糖」を比べてみました
我が家にあったきび砂糖と「ざらめ糖」の写真です。上の小皿に入れたきび砂糖は粒子が細かく、さらさらに見えますが触ってみると見た目よりもしっとりとしています。下の小皿に入った「ざらめ糖」は砂糖の結晶が分かるほどに粒が大きく、見た目もしっとりとしていて水分を感じます。
いつものきび砂糖は近所のスーパーで買ったもので、料理やカフェオレ入れたりと何にでも使っています。溶けやすくコクが出るので、毎回きび砂糖を選んでいます。
松山の「ざらめ糖」はサトウキビだけの甘さなのは分かっているのに、それが味覚で理解できず軽く混乱してしまうほど。サトウキビだけでこんなの深い味わいになるなんて、と驚かされます。
きび砂糖と「ざらめ糖」、どちらも同じサトウキビのお砂糖で、言ってしまえば同じもの。でも明らかに風味が違います。粒の大きさも関係しているのでしょう。きび砂糖は口の中であっという間に溶け、甘みとコクを感じている間に風味が消えてしまいます。
「ざらめ糖」は口の中でゆっくりと溶け、先ほどのきび砂糖よりもゆっくりと甘みが伝わってきます。甘さも淡くほんのりとしていて、きび砂糖のように強い甘みは感じません。それなのに、口の中に残る後味がしっかりとしていて風味が濃い。「ざらめ糖」だけ口に入れても美味しく、後を引きます。
まさか同じきび砂糖で、こんなに味の違いを感じるなんて驚きました。お砂糖だけで味わってもこんなに味が違うのだから、とわくわくしながら料理に使ってみました。いつも通り作った肉じゃがの味が、深く広がったように感じます。やはり調味料で料理の味は大きく変わるんだな、と実感しました。
松村「ざらめ糖」の公式サイトはこちら