進化する食卓

島根県「べにふうき」「べにひかり」は国産紅茶の品種

世界の主要茶生産国はインド、スリランカ、ケニア、中国、インドネシアの5か国で、全生産量の約80%を占めています。それ以外のアフリカ、ネパール、そして日本でも、特色のある紅茶が生産されています。紅茶の輸入自由化に伴い市場から姿を消してしまった国産紅茶を復活させようという動きが、日本の各地で起こっています。

日本で開発された「べにふうき」

国産紅茶の「べにふうき」は、日本で紅茶用に開発された品種です。ダージリンが交配されていますが、アッサム種に近い品種です。香りはダージリンに近く爽快さがありますが、紅茶の色は鮮やかな色合いです。

「べにふうき」は、花粉症対策に飲むと効果があると言われていますがそれは「べにふうき」を緑茶として飲むとアレルギーを抑制する可能性があるメチル化カテキンを多く摂取でき効果があると話題になっています。

緑茶は葉を蒸した後に揉んで乾かして製造する半発酵茶、紅茶は乾かして軽く水分を飛ばした後で揉み、ほぐして発酵させてから乾かして製造する発酵茶です。

製造方法が違うだけなのですが、メチル化カテキンは発酵工程で消滅してしまいます。「べにふうき」を花粉症対策で飲みたい方は、紅茶ではなく緑茶の方を選びましょう。

幻の紅茶とも言われる「べにひかり」

「べにひかり」は、日本で開発されたアッサム系紅茶用茶樹品種です。1969年に紅茶品種として農林省に登録されましたが、紅茶の輸入自由化などもあり国内でもほとんど栽培されていませんでした。そのため幻の紅茶と呼ばれるようになったのです。

最近ではまだまだ流通する量は少ないですが、「べにひかり」の紅茶も目にするようになりました。香りは清涼感のあるスッキリとした香り、紅茶の色も明るいオレンジがかった色味です。苦味が少なめでアイスティーにも向いています。

国産紅茶は、海外産の紅茶と違い華やかさには欠けるかもしれません。緑茶のように苦味もうま味として味わえる国産紅茶ならではの風味は、ぜひ一度体験していただきたい深い味わいです。

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ひがのあや
東京都品川在住。小学生の2人の子供を育てながら、ファッション・グルメ・トラベル系のWEBライターとして取材・ライティング・リサーチ業務を行う。長いお休みには国内旅行で美味しいモノを食べ歩き、普段は時間があればアンテナショップやデパ地下を巡っている。