自分が生まれ育った地域で食べていた野菜は、どこでも当たり前に売られているものだと思っていました。進学、転勤、結婚などで生まれ育った地域を離れて初めて地元にしかない食材だったと知ることも少なくありません。
旅行などで初めて訪れた地域で、珍しい野菜に出会うのもおもしろいですね。旅行中でもスーパーに行き、珍しい調味料や食材を探すのは楽しいものです。
最近、ごく普通のスーパーでは売られていない珍しい野菜を取り扱う八百屋さんが増えて来ました。ついつい珍しい野菜を手に取っては買ってしまいます。どうやって料理するのかをお店の方に聞くのも楽しい時間です。
今回私が初めて出会った「かつお菜」は、福岡では一般的な野菜だそうです。
出汁いらずのかつおの味がする「かつを菜」
店頭で初めて「かつお菜」を見たとき、その大きさに驚きました。30cmほどはあり、しっかりとした葉は、厚みのある縦に長くなっています。葉にはくしゃっとした縮みがあり、鍋に入れても食べてもいいのだとか。
「かつお菜」は、アブラナ科の葉野菜で「高菜」の近縁種とされています。漬け物になっていない生の高菜の葉を見たことがないのですが、しわの入り方は菜の花に似ています。
味がしっかりしていて旨みが多く含まれ、かつおの出汁が無くても美味しいという事から「かつお菜」と呼ばれるようになったという節もあります。漢字では「勝男菜」と書くので、博多のお雑煮には欠かせない縁起のいい野菜としても知られています。
最近ではお正月近くにのみ販売されるなど「かつお菜」の生産量は減っていたのですが、全国的に伝統野菜をに直していこうという動きにより、徐々に生産量も持ち直してきているそうです。
「かつお菜」で作る煮びたし
調理法が分からなかったのでお店の方にうかがったところ、アクが出るのでほうれん草ように茹でるのがおすすめ、とのことでした。お鍋に入れても美味しいそうです。
初めてなのでしっかり味わってみたいので、お鍋ではなく煮びたしを作ってみることにしました。出汁がいらないほどの風味とのことなので、出汁は使わずに作ってみます。
材料
- かつお菜 1束
- 油揚げ 1枚
- 醤油 大さじ2
- みりん 大さじ1〜2
初めて食べるかつお菜は、しっかりとした歯ごたえの、風味の濃い葉物野菜です。出汁を入れなくても風味が濃いので、煮びたしにしても美味しくいただけます。言われなかったら、出汁が入っていないと言うことにも気付かれないかもしれません。
しっかりとした風味が特徴のかつお菜。次に見つけたら、また違う調理法を試してみたいです。