料理を一層美味しくするための調味料として、本みりんは日本の食卓に欠かせません。しかし、最近ではたくさんの種類の本みりんがあるため、どれが良いのか悩む方も多いようです。
この記事では、本みりんのおすすめ商品、そして代用品として使える調味料についてご紹介します。料理の仕上がりに大きな影響を与えるみりん選びのポイントを押さえつつ、代用品を使う際の注意点も解説します。
本みりんとは?和食に欠かせない昔からの甘味料
本みりんは、和食に欠かせない調味料の一つで、醸造された甘味とアルコールが特徴です。米、米麹、焼酎などを使って長期間発酵させることで、その独特の甘みと旨味が引き出されています。
本みりんは元々、砂糖が貴重なものだった時代に、庶民が甘味料として重宝したもの。アルコール分を含んでいるため、料理の際には煮物や照り焼きに使用すると、食材の臭みを取り、味に深みを与えます。
本みりんとみりん風調味料の違い
スーパーなどで本みりんを探すと、同じように見えて「本みりん」と「みりん風調味料」と書いてあるものがあります。みなさん、一度はこの違いについて不思議い思われたことがあるのではないでしょうか。
「本みりん」と「みりん風調味料」の違いを知っておくことは大切です。
本みりんは発酵によって作られた自然な甘さが特徴ですが、みりん風調味料は人工的に砂糖などで甘さを調整したもので、アルコール分は含まれていません。
料理の風味にこだわる方は、本みりんを選ぶのがベストです。ただし、値段はみりん風調味料のほうがリーズナブルなので、毎日のお料理に使うには、みりん風調味料でも十分です。
昔ながらの本みりん | 一般的な本みりん | みりん風調味料 | |
原料 | もち米・米麹・本格焼酎 | もち米・米麹・醸造アルコール・水アメ | 水アメやブドウ糖・ 化学調味料など |
アルコール | アルコールを14%含む酒類 | アルコールを14%含む酒類 | アルコールは1%程度 |
そのまま飲んでも美味しい。 | 飲めるが、そこまで美味しくない | おすすめできない | |
製法 | 江戸時代に確立された製法によって造られる伝統的な本みりん。本格焼酎に蒸したもち米と米麹を加えて仕込み、じっくり熟成させて造られる。 | 短期間で大量生産できるように、蒸したもち米と米麹に、アルコールと水アメを加えている。 | 合成酒のように化学的に醸造される、みりんに似せた調味料。水アメやブドウ糖に、化学調味料を混合して造る。 |
日本の法律では、アルコール度数が1%以上の飲料や調味料は酒税法の対象となり、酒類とみなされます。そのため、本みりんは酒類として取り扱われ、購入の際には酒税が課されています。
一方で、「みりん風調味料」はアルコールを含まないか、1%未満のアルコールしか含まれていないため、酒税の対象外です。みりん風調味料は一般の食品として扱われ、価格も安く手に入りやすいのが特徴です。
「みりんタイプ調味料(発酵調味料)」も人気
最近では、「みりんタイプ調味料(発酵調味料)」と呼ばれる製品も登場しています。これらは、原材料にもち米・米麹・醸造アルコールを使用しており、本みりんに非常に近いものです。アルコールも含まれていますが、塩が加えられているため、酒税の対象とはならず、本みりんよりも安価で販売されています。
どうして本みりんを使うの?その目的と効果
本みりんには、料理を美味しくするだけでなく、料理の見た目をよくしたり、お魚の臭みを消すといった効果があります。以下は本みりんを使う目的について、5つ紹介します。
料理にコクと深みを与える
本みりんは、もち米や米麹を発酵させたことで得られる自然な甘味と旨味が特徴です。これにより、煮物や照り焼きなどの料理にコクと深みを加え、食材の味わいを引き立てます。
照りやツヤを出して見た目をよくする
本みりんに含まれる糖分が、加熱されることで料理に美しいテリやツヤを生み出します。特に照り焼きや煮物で使われることが多く、見た目の良さをアップさせる効果があります。
食材の臭みを消す
本みりんに含まれるアルコールは、料理中に臭みを和らげる効果があります。特に魚や肉料理の際に使うと、食材の臭みを軽減し、風味を整えることができます。
柔らかく仕上げる
本みりんのアルコール成分が、食材の繊維をほぐし、肉や魚を柔らかくする効果があります。煮込み料理や長時間調理する際に、この効果が特に発揮され、食材がふっくらとした食感になります。
保存効果を高める
本みりんのアルコールと糖分には、食材の保存を助ける効果があります。アルコールが殺菌作用を持つため、調味液やタレに本みりんを加えると、保存期間が長くなることがあります。
自分に合った本みりんを見つけよう!本みりんの選び方
本みりんには、いくつかのブランドや種類がありますが、選び方のポイントを押さえることで、自分に合った本みりんを見つけやすくなります。
本みりんを選ぶ際の3つのポイント
甘さの強さ
本みりんの味わいはみりんのもつ甘さによって変わってきます。お料理に甘さをしっかりと感じたい場合は、糖度が高いものを選ぶと良いでしょう。特に煮物やお菓子作りに使う場合は、甘味が強い方が美味しく仕上がります。
アルコール度数
本みりんには10〜14%程度のアルコールが含まれています。アルコールを飛ばすためには十分な加熱が必要ですが、その過程で料理に深みが加わります。アルコールに敏感な方は、アルコール度数が低いものを選ぶと良いでしょう。
価格と容量
本みりんは、価格も幅広く、高級なものは少し手に取りづらいかもしれません。日常的に使うのであれば、コストパフォーマンスの良いものを選び、特別な料理の際には少し贅沢なものを使うと使い分けができます。
4. おすすめの本みりん5選
ここでは、特に人気の高い本みりんを5つ紹介します。それぞれの特徴を把握した上で、用途に合わせた選び方をしてみましょう。
1. タカラ「本みりん」
- 特徴:甘味が強く、どんな料理にも使いやすい万能タイプ。
- レビュー:伝統的な製法で作られており、しっかりとした甘味とコクがある。煮物や照り焼きには最適。
2. 三河みりん「三州三河本みりん」
- 特徴:濃厚な旨味としっかりとした甘さが特徴。
- レビュー:高品質で本格的な料理を作りたい方におすすめ。お正月の料理や特別なイベントでの使用にも適している。
3. 九重味醂「純三河本みりん」
- 特徴:愛知県三河地方の原料米だけを使ったこだわりの一品。
- レビュー:添加物などの心配もなく安心して使える。
4. キッコーマン「マンジョウ本みりん」
- 特徴:バランスの取れた甘味と旨味。
- レビュー:照り焼きや煮物に使うと、素材の旨味を引き立てる優れた調味料。
5. 宝酒造「福来純三年熟成本みりん」
- 特徴:3年間熟成されたまろやかな味わい。
- レビュー:高価格帯だが、その風味は格別。和食の本格派料理人からの評価が高い。
本みりんがない時の代用品
本みりんが手に入らない、あるいはカロリーや糖質を控えたい場合、代用品を使うことができます。以下は、本みりんの代用品としておすすめの調味料です。
1. みりん風調味料
みりん風調味料は、価格が手頃でスーパーで手軽に手に入る代用品です。しかし、アルコール分は含まれていないため、料理の仕上がりや風味は本みりんとは少し異なります。特に煮物など、アルコールで臭みを取る役割が必要な料理には注意が必要です。
2. 砂糖+料理酒
砂糖と料理酒を組み合わせて、本みりんの代用をすることも可能です。甘さを調整する際は、砂糖の量を調節しながら使用するのがポイントです。例としては、料理酒大さじ1に対して砂糖小さじ1を加えると、みりんの代用品として使用できます。
3. はちみつ+酒
砂糖よりも健康志向な代用品として、はちみつを使う方法があります。はちみつは自然な甘味を持つため、料理に深みを与える一方で、カロリーや糖分の摂取を抑えたい場合に有効です。
本みりん | みりん風調味料 | 砂糖+料理酒 | はちみつ+酒 | |
---|---|---|---|---|
甘味 | 自然で濃厚 | 人工的 | 可変 | 自然で優しい |
アルコール分 | あり | なし | あり | あり |
カロリー | 高め | 低め | 調整可 | 健康的 |
本みりんについてのよくある質問(FAQ)
Q: 本みりんとみりん風調味料の違いは何ですか?
A: 本みりんは米を発酵させて作られた天然の甘味料で、アルコール分が含まれています。みりん風調味料は、砂糖や甘味料を使って人工的に作られたもので、アルコール分が含まれていません。
Q: 代用品を使った場合、味の違いはどのくらいありますか?
A: 代用品を使う場合、風味や甘味のバランスに多少の違いが出る可能性があります。特に、料理に使用する際には、甘さやアルコール分を調整する必要があります。
まとめ
本みりんは、料理に自然な甘さと味わいを与えてくれる調味料です。一般に販売されているみりんは、本みりん、みりん風調味料、みりんタイプ調味料の3種類ありますが、昔ながらの製法でつくられた本みりんは余計なものが含まれておらず、本来のみりんの味を楽しむことができます。