秩父で初夏の豊かな緑を感じながらのんびりティータイムを過ごした後は、再び市街地に戻って秩父神社へと向かいます。
前編はこちら!
【スケジュール 〜後半〜】
- 秩父神社を参拝
- ノスタルジックな番場通りを散策
- 秩父芋菓子専門店 芋うららでお芋スイーツを満喫
- 「祭の湯」でおみやげ探し
- 西武鉄道特急ラビューであっという間に池袋へ
家康が再建 色鮮やかな権現造りが美しい秩父神社
広々とした空と緑に囲まれた「MAPLE BASE(メープルベース)」を後にして、西武秩父駅方面へ戻って秩父神社へと向かいます。2000年前に創建されたとも言われている秩父神社は、秩父地方の総社でもあり、現存している社殿は天正20年(1592年)に徳川家康公から寄進されました。江戸時代初期の建築様式をよく留めていることもあり、埼玉県の有形文化財に指定されています。
大きな木々に囲まれた大きな石造りの鳥居をくぐり、奥へと進んでいくと色鮮やかな彫刻が目を引く権現造りの本殿が見えてきます。2023年に4年に渡る改修工事を終えたばかりということもあり、息を呑む美しさです。
色鮮やかな彫刻はぐるりと本殿を囲むように装飾されています。最も有名なのが、名工・左甚五郎(ひだりじんごろう)作の「つなぎの龍」です。
知恵の象徴であるふくろうの頭が真北を向いた「北辰の梟(ふくろう)」。学業成就にご利益があると言われ、多くの受験生の絵馬が納められています。秩父神社のホームページにも登場しています。
日光東照宮の「見ざる・言わざる・聞かざる」の三猿が有名ですが、秩父神社のお元気三猿は「よく見・よく聞いて・よく話そう」というもの。元気で笑顔の絶えない生活ができるよう祈願できます。
ノスタルジックな番場通りをのんびりお散歩
お参り後は秩父神社の前をまっすぐ伸びる「番場通り」へ。石畳の道を西武秩父駅方面に歩いて行くと、趣のあるレトロな建物が数多く並んでいます。思わずどこを見ても写真を撮りたくなってしまうほど、素敵な建物ばかりです。
営業中のパーラーや煙草店、バーやホテルなどの店舗として営業中の建物はもちろん、かつて診療所だった民家まで、大正ロマンあふれる建造物ばかりで心がときめきます。壁面の細やかな装飾、趣向を凝らした窓枠など、日中もいいけれど灯りがともった夕暮れどきや夜の雰囲気も見てみたくなりました。
平日ということもあってか、人通りはそれほどなくのんびり撮影しながら歩くことができました。多くはないながらも車も通りますので、注意が必要です。
秩父芋菓子専門店 芋うららでお芋スイーツを満喫
たっぷり散策して、そろそろ疲れが出てくる頃。「番場通り」を秩父鉄道御花畑駅方面へ進んで行くと、お目当てのお店が見えてきました。きっとこのあたりで甘くて冷たいものが食べたくなると目星をつけていたのが、お芋スイーツのお店「芋うらら」です。
店内にはショーケースとレジカウンターがあり、飲食スペースはありません。お店の横に屋根のあるベンチがあり、ノスタルジックな街並みを眺めながらお芋スイーツを楽しめます。
メニューを見ながら「ソフトクリーム」と「蜜がけ大学芋」で迷っていたら、大学芋の上にソフトクリームが乗った「蜜いもソフト」を見つけました。しかもソフトクリームはバニラ、さつまいも、ミックスの3種類から選べます。ソフトクリームの上から蜜をかけてくれると店員さんに聞き、すぐに「蜜いもソフト」に決めました。
どちらの味も楽しみたいから、ソフトクリームはミックス。バニラ味も濃厚で、こってりとしたさつまいものやさしい甘さが疲れた体に染みわたります。たっぷりとかけられた蜜は甘じょっぱく、ソフトクリームの甘さが引き立ちます。
「芋うらら」のメニューの中でもっとも大きく、目を惹いたのが「いもんぶらん」。注文を受けてから目の前で絞ってくれるおいもの下には、サクッとしながら雪のような口どけのお菓子が入っています。このお菓子は和銅鉱泉旅館が運営する「秩父菓子処 栗助」の定番人気商品「すのうぼうる」。秩父産メープルシロップの上品な甘さと軽やかな食感がアクセントになっています。
たっぷりのお芋ペースト、ひんやりとしたアイスクリーム、サクッしながらスッと溶ける「すのうぼうる」、カリッとしたお芋チップ。調和のとれた味わいは、芋うららならではの絶品スイーツです。
店頭では「焼き芋」や「生スイートポテト」、「芋けんぴ」や「うららのプリン」などおみやげにもぴったりの芋菓子が販売されています。「芋けんぴ」はプレーン、蜜がけ、ハニーバター、ブラックペッパー、コンソメの5種類のフレーバーがあり、おやつからおつまみまでお好みに合わせて楽しめます。
色鮮やかな「生スイートポテト」は紫いも・太白いも・プレーンの3種類。お芋そのままの色味が美しいしっとりタイプのスイートポテトです。
駐車場も14台あるので車で来店もでき、クレジットカードや電子マネー、PayPayなどのQRコード決済も選べます。
定休日は火曜日、営業時間10:00~17:00までとなっています。
おみやげを買ってラビューであっという間に池袋へ
芋うららでおいしいスイーツを食べて大満足し、西武秩父駅までお散歩がてら歩きます。秩父の街を歩きながら駅までは10分弱といったところでしょうか。ちょうどいい距離です。
「西武秩父駅前温泉 祭の湯」へ入り、特急電車の時間までおみやげを探します。売り場も広く、商品数も多いので限られた時間の中で迷ってしまいます。「おいしそうな野菜も買いたいけれど、夕方の電車は混雑するだろうから厳しいかな。秩父名物の豚肉の味噌漬けも気になる……」とあれこれ考えながら、荷物にならず毎日がちょっとうれしくなる物を探します。
電車の時間を気にしながら決めたのが、パッケージもおしゃれでおいしそうな「NEGI MISO」と「冷汁うどんつゆ」です。
深谷ねぎを毎日もっと気軽にのっけて楽しんで欲しいという思いから生まれた「NEGI MISO」。トロトロになるまで炒めた深谷ねぎに、カリッと揚げたにんにくチップとねぎみそ用手作りコチュジャンを加えたもの。炊きたてごはんや焼き餃子、うどんやそうめんなどの「のっけて食べる」のがおすすめで、店頭のポップを読んだだけでお腹がすいてしまいそうです。
「冷汁うどんつゆ」は、これからの季節にぴったりの冷たいうどん用の濃縮タイプのつけつゆ。ベースは米と麦の合わせ味噌で、練りごまとすりごまを合わせアクセントに国産大葉の粉末が加えられています。「冷汁うどんつゆ」に水ときゅうりや薬味を加え、冷たくしめたうどんをつけるだけなので火を使わなくて作れるのもうれしいポイントです。
ラビューのおともは「西武秩父駅前温泉 祭の湯」の売店で購入したさやま茶。まろやかでしっかりと甘みがあり、それでいて後味スッキリ。普段飲んでいるペットボトルの緑茶と比べても、風味が全然違います。
ご当地緑茶は旅の締めくくりにぴったり。おいしいお茶を飲みながらおしゃべりしていたら、池袋まであっという間。新幹線や飛行機もいいけれど、いつもの街並みを高速で走る特急列車はまたひと味違う旅行気分が味わえます。
知名度の高い観光地でありながら、秩父夜祭の時期ではない今はそこまで観光客が多くなかった秩父。東京から1時間ちょっとで行ける秩父に、非日常感を味わいに行ってみませんか?