進化する食卓

現代日本人に食べてほしい「まごはやさしい」食べ物

皆さんは「まごはやさしい」という言葉を聞いたことがありますか?「孫は優しい」ということではもちろんありません。これは昔から、私達日本人が健康のために取り入れたほうがいいと言われている食べ物の頭文字をとった合言葉です。

 

食が溢れる中、何を選ぶのかが課題

 

今の日本は飽食社会です。食の欧米化がどんどん進み、手軽に食べられるパンや脂がのったお肉を食べることは、今や日常風景です。東京にいれば世界中のありとあらゆる国の料理が食べられますし、食に関する選択肢は本当に幅広い状況です。

 

そんな中、皆さんは毎日どのようにして自分が食べるものを選んでいるでしょうか。

食べたいときに食べたいものだけを食べていては、栄養バランスが偏ります。また無理な食事制限も、心と身体にいいとは言えません。バランスよく食べているつもりでも、献立がワンパターンだったり、知らず知らずのうちに使う食材に偏りが出ていたりなんてこと、経験ないでしょうか。

 

美味しく食べて、かつ健康であり続ける。そのためには日本人の体質に合った、昔から日本で食べてこられたものを上手に取り入れることが大切です。そしてそれが「まごはやさしい」食べ物なのです。

 

 

「まごはやさしい」の意味

それではこの言葉が意味する食材を、順番にひも解いていきましょう。

 

「ま」…まめ(豆類)

大豆製品はもちろん、エンドウ豆、枝豆、そら豆、黒豆など、豆は日本人にとって身近な食材です。良質な植物性たんぱく質を多く含み、「畑の肉」とも呼ばれています。

 

「ご」…ごま

小さな粒に何種類もの栄養素をバランスよく含んでいるごま。皮を擦ったすりごまの方が、より効率よく栄養素を吸収できます。抗酸化作用があり、アンチエイジング効果も期待できます。

 

「は(わ)」…わかめ、転じて海藻類

海藻はミネラルをたっぷり含んだ「海の野菜」。わかめ、ひじき、昆布、のりなどが食卓では活躍します。生タイプだけでなく乾燥タイプもあるので、長期保存もしやすいです。

 

「や」…やさい

四季のある日本では、季節に合わせて様々な種類の野菜が豊富に取れます。夏の野菜は身体を冷やし、冬の野菜は身体を温めます。旬の野菜をたっぷり食べるようにしましょう。

 

「さ」…さかな

海に囲まれた日本では、昔から魚は貴重なたんぱく源でした。魚に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)は認知症予防に、EPA(エイコサペンタエン酸)は動脈硬化の予防に効果があると言われます。頭からしっぽまでまるごと食べられる小魚は、カルシウムの摂取にもおすすめです。

 

「し」…しいたけ、転じてきのこ類

低カロリーながら栄養豊富で、不溶性食物繊維を多く含むきのこ類は、ダイエットにもぴったり。特に干しシイタケは旨味成分をたっぷり含んでおり、出汁をとったり具材に使ったり重宝します。

 

「い」…いも(いも類)

ジャガイモ、さつまいも、里芋など、料理に加えるだけで食べごたえ十分な満足感が得られるいも類。糖質であるデンプンはエネルギー源として重要であり、食物繊維は生活習慣病の予防につながります。

 

上手に摂取するコツは、合わせ技にアリ!

慣れていない人が「まごはやさしい」を意識して食事をとろうとすると、いくつも品数が必要になったりして、うまく摂取できないことがあります。そこでオススメなのが、複数のキーワードを一度に食べられるおかずです。

まずは「ひじき煮」。大豆、ひじき、レンコン、人参、干しシイタケ、油揚げなど、具沢山のひじき煮を作ることで、「ま・は(わ)・や・し」の4つが一度に摂取できます。

他にごま、シラス、刻んだ大根の葉を炒って自家製ふりかけを作れば「ご・や・さ」の3つをクリアできます。この2つは実際私もお弁当に取り入れていて、とても便利です。

 

ぜひ毎日の献立選びの際には、「まごはやさしい」を意識してみてくださいね。

ABOUT ME
稗田麻衣
日本初のハラール対応レシピ専門サイト「HALAL RECIPES JAPAN」代表。食生活アドバイザー。ムスリムをはじめ、食事に制限がある人にも楽しんでもらえる日本の家庭料理レシピを研究する傍ら、和食の素晴らしさを国内外に伝える活動を展開中。また小学生2人の娘達を育てる母親として、食育を日々実践している。