しっかりと下調べしてから行くお散歩も楽しいけれど、ふらりと見つけたお店に立ち寄ってお買い物をするのも楽しいもの。
今回は浅草散歩の途中で立ち寄った胡麻の油問屋磯村政次郎商店で見つけた「まさじろうさんの胡麻油」をご紹介します。
昭和10年から浅草寿町で油屋を営む磯村政次郎商店
浅草は歴史あるものから新しいものまでが当たり前のように並んでいる、とてもおもしろい町です。東京でも3本の指に入る観光地なので、休日だけでなく平日でも常に観光客が多く、毎日にぎわっています。
にぎやかな浅草寺付近も楽しいですが、少し離れてお散歩してみると静かで落ち着いたお店が多いことに気づきます。
有名なパン屋さん「ペリカン」に行った時に見つけた磯村政次郎商店も、実は一度通り過ぎてしまいました。通り過ぎてから「あら、今胡麻油って書いてあった?」と気になって戻り、お店へ入りました。
磯村政次郎商店は、その外観からも分かるように胡麻油を中心に取り扱う油問屋です。創業は昭和10(1935)年の老舗で、創業者はもちろん磯村政次郎氏です。
店内には「旅する食卓」でもご紹介した、130年以上続く老舗の胡麻メーカー九鬼産業株式会社の胡麻油も取り扱っています。
胡麻油が中心ですが、いりごま、すりごま、ねりごまなどの胡麻製品も取り扱っています。
磯村政次郎商店こだわりの「まさじろうさんの胡麻油」
磯村政次郎商店へ入る前から真っ先に目に入るのが、ずらっと積み上げられた胡麻油の一斗缶。そして正面には美しい黄金色をした瓶がきれいに並べられています。
この黄金色の胡麻油が磯村政次郎商店の看板商品、「まさじろうさんの胡麻油」です。
これは、創業者の政次郎氏が天ぷらには本当に品質の良い胡麻油をと強い信念で天羅店をまわり、職人の方々に何度もだめ出しを受けながらも決して諦めずにメーカーと一緒に改良を重ねて生み出された胡麻油です。
厳選に厳選を重ねた良質の胡麻のみを使い、低温でゆっくりと時間をかけて焙煎。そしてやさしく圧をかけて搾り、和紙でじっくり丁寧に濾して仕上げられています。
これまでは業務用の一斗缶のみを販売していましたが、家庭用サイズ275gの小瓶も販売されるようになりました。たっぷりと使いたいという方には910g入り缶も用意されています。
香りを楽しみたい「まさじろうさんの胡麻油」
磯村政次郎商店へ入ると、すぐにお店の方が出迎えてくれ商品の説明をしてくれます。「まさじろうさんの胡麻油」も、ぜひ香りをお試しくださいとふたを開けて香りを確認させてくれました。
香った瞬間、思わず「わ!すごい!」と声が出てしまうほどこれが本当にいい香り。天ぷらを揚げるための胡麻油ですから当然なのですが、いい天ぷら屋さんに行った時のあの高級感ある胡麻油の香りがします。
「まさじろうさんの胡麻油」には、手のひらサイズの使い方メモも一付けてもらえました。
塩を振ったサラダにも、納豆や冷ややっこ、お刺身や焼肉、卵かけご飯やポテトサラダなど色々な料理と合わせて楽しむことができるとのこと。どれもおいしそうです。
いつも我が家で作るささみときゅうりのあえものを「まさじろうさんの胡麻油」を使って作ってみましたが、やはり香りが良く胡麻油の風味も強すぎません。主張しすぎないのにしっかりと存在感のある胡麻油です。
「まさじろうさんの胡麻油」をバニラアイスにトッピング
メモの中でも興味を惹かれるのは「勇気を出してレッツトライ!バニラアイス」です。胡麻の風味のアイスクリームは最近では珍しくありませんが、私は自分で選んで食べたことはありませんでした。好んで食べないけど、嫌いなわけではありません。
とは言っても、アイスクリームに胡麻油というのはさすがに抵抗がないと言ったらうそになります。
器にバニラアイスクリームを盛り、胡麻油をティースプーンで1杯弱かけます。ドキドキしながら口へ運ぶと、まったく油っぽさは感じません。あまりに自然な風味なので、逆に違和感を感じてしまうほど。胡麻油が入っているとは思えない、油の重さを全く感じないサラッとした胡麻の風味がします。
体が求める油ってこういうものなのかしら、などと考えているうちにあっという間にアイスクリームを完食していました。浅草土産としても人気の磯村政次郎商店の「まさじろうさんの胡麻油」。火を通さずこのまま風味を味わって欲しい胡麻油です。