進化する食卓

ここにもパンダ!笹団子が丸ごと入った『笹だんごパン』

東京・上野動物園で5年ぶりに誕生したジャイアントパンダ「シャンシャン」。12月には一般公開も予定されており、パンダ好きというわけではなくても、なんとなくそわそわしてしまいます。関連グッズを目にすることも増えた先月末、たまたま入った店で、見つけてしまったのが、この「小竹の笹だんごパン」です。でっぷりとしながらも、愛嬌のあるパンダのパッケージ。そのかわいさもさることながら、中に包まれているのは、その名のとおり、丸々一個の笹団子。炭水化物×炭水化物という恐ろしくも素敵なパンです。

新潟ご当地「サンドパン」で有名な老舗パン屋

愛嬌のあるパンダのイラストが目を引く笹だんごパン。製造・販売するのは、新潟県上越市にある小竹製菓です。大正15年に菓子店として創業。昭和28年には、パンの製造部門も設置し、製造販売を始めました。パン屋としては上越市でもっとも古くからある老舗です。特に有名なのは、コッペパンにホワイトバタークリームをはさんだ「サンドパン」。新潟のソウルフードと言われるもので、販売するメーカーはいくつもありますが、中でも「小竹のサンドパン」は人気だといいます。

開発に7年、パンも笹団子も、もっちもち

そんな老舗の小竹製菓が2015年に発売したのが、新潟県の名産品である笹団子とパンを組み合わせたこの笹だんごパン。組み合わせ自体は、あまり珍しくもないようですが、小竹の笹だんごパンはひと味、違います。開発に要した期間は7年。こだわりがぎゅっと詰まっています。

その一つがパン生地に米粉を使ったこと。もちっとした食感へのこだわりから、地元産のコシヒカリが使われています。またパンの表面に焦がしきなこをのせることで風味を高めています。中に包まれた笹団子もこだわりの品です。菓子としても販売している自家製のもので、頸城のこしひかりと蓬の新芽、隠し味にヤマゴボウの葉を加えた香り豊かな生地。餡の甘さもほどよく、ほっとする味わいです。炭水化物×炭水化物というと重く感じてしまいますが、笹団子を包むパン生地も薄いため、思ったよりも軽く食べられます。

笹だんごパンは焼いてもおいしい

パンのもちっと感と笹団子のもちっと感。2つのもちもち感が特徴の笹だんごパンですが、個人的には焼いて食べるのもおすすめです。パン生地のもちっとした食感は薄れてしまいますが、香ばしくさくっとしたパン生地もなかなかのもの。熱を加えることにより、中の笹団子は、そのままのときよりも、やわらかくなります。

笹だんごパンは都内でも購入できます!

新潟県上越市が推奨する「メイド・イン上越認証品(特産品)」にも指定され、新たな名産品として知名度があがっている笹だんごパン。
地元、上越市以外でも購入することが可能です。通信販売に対応しているほか、東京都内には直接購入できる店舗もあります。のもの全店で取り扱っているほか、秋葉原にある「日本百貨店しょくひんかん」、表参道にある新潟県のアンテナショップ「ネスパス表参道・新潟館」などでも販売されています。ただ、入荷数は多くなく、入荷日も限られているので、注意が必要です。入荷日が多いのは、東京駅にある「のもの丸の内店」で、週4回火曜、木曜、金曜、土曜に入荷しています。そのほかのお店は、週1回です。

保存料は含まれていないため、消費期限は製造から3日。出荷日の朝、蒸し上げた笹団子をパン生地に包み、焼き上げ、発送するという体制をとっています。上野公園のシャンシャン効果もあり、売れ行きは好調。販売店の方では入荷を増やしたいようですが、生産体制が限られるため、なかなか難しく、入荷してもすぐに売り切れてしまうというのが現状のよう。気になる方は、出会えたときに購入することをおすすめします。

ABOUT ME
蒼井 翠
北海道で生まれ、全国各地で育つ。専門紙で10年超、記者をした後、再び大学へ。食の知識を深めるべく、親子ほど年の離れた学生と学ぶ日々を送る。地域に根付く食、そして、食を支える人々。その思いを届けることが、目下の目標。