進化する食卓

最新スポット「GINZA SIX」でも人気!土釜のお弁当「峠の釜めし」は昭和の味わい

鉄道旅に欠かせないのが駅弁です。数ある駅弁の中でも見つけるとつい購入してしまうのがおぎのや「峠の釜めし」です。数ある駅弁の中でも土釜に入っているというインパクトのある見た目、重みは他にはない個性的な駅弁です。

1958年に誕生!益子焼の土釜に入った「峠の釜めし」

おぎのやは1885(明治18)年、信越本線の高崎~横川間開通した時に横川駅で「おむすび」を販売し始めました。全国でもまだ駅弁販売が珍しかった時代に誕生した老舗です。その後幕の内弁当なども販売されましたが、4代目の社長である高見澤みねじ氏が自らホームに立って旅行者たちに「食べたい駅弁について」聞き取りを行いました。

「あたたかくて、家庭的な楽しいお弁当が求められている」と「峠の釜めし」が誕生したのは今から約60年前の1958(昭和33)年のことです。当時温かいまま食べられる駅弁はとても画期的で、旅行客の口コミや雑誌に掲載されたこともあって爆発的な人気でした。

その後、車での旅行が増えたこともあって1962(昭和37)年に「峠の釜めしドライブイン」(現在の荻野屋横川店)を開店しました。今では諏訪店、長野店、富岡製糸場前店、高崎や清里の駅売店だけでなく、新幹線の車内販売でも「峠の釜めし」を買うことができます。

東京駅や上野駅、そして今では2017年にオープンした「GINZA SIX」でも「峠の釜めし」を購入することができます。

ふたを開けるときのわくわく感がたまらない「峠の釜めし」

数ある駅弁の中でも、「峠の釜めし」のわくわく感は他の駅弁とは格段に違います。益子焼の土釜というのももちろんありますが、紐を解いて包み紙を外して、という作業が期待を高めます。

そして重みのある蓋をそっと開ければ、宝石箱のような色とりどりの具材がキレイに並べられた釜飯とご対面です。「峠の釜めし」の真ん中にはぷりっとしたウズラの卵、そしてつやつやに煮含められた椎茸、大ぶりの栗の甘露煮、ぴかぴかと光る杏子、色鮮やかなグリーンピース。どれも具材の色合いが美しく、食べるのがもったいなく感じてしまうほど。

甘辛く味付けられた鶏肉、関西風の味付けの筍、そして風味豊かに炊きあげられたご飯。どれを口に入れてもため息が出てしまう、いつ食べても変わらない美味しさです。かわいい釜の形をした容器に入れられた香の物も、口直しには欠かせない存在です。

重いと分かっていてもついつい持ち帰ってしまう「峠の釜めし」の容器。私だけかしらと思っていましたが、おぎのやのホームページには空き容器の釜を使ってご飯を炊くことができるのだとか。白米だけでなく、醤油炊き込みご飯のレシピも掲載されているので、今度試してみようと思います。

おぎのやの「峠の釜めし」、公式サイトはこちら

ABOUT ME
ひがのあや
東京都品川在住。小学生の2人の子供を育てながら、ファッション・グルメ・トラベル系のWEBライターとして取材・ライティング・リサーチ業務を行う。長いお休みには国内旅行で美味しいモノを食べ歩き、普段は時間があればアンテナショップやデパ地下を巡っている。