大阪は見るところも遊ぶところもいっぱい! 華やかさのある新スポットもいいけれど、人情味あふれる商店街を散策してみませんか? 様々なお店が並ぶ天神橋筋商店街にある、ドラマや映画で見たようなレトロな雰囲気のお好み焼店「双月」で本場のお好み焼きや焼きそばを満喫してました。
日本一の長さ!天神橋筋商店街
天神橋を起点に、北は天神橋筋七丁目まで伸びる天神橋筋商店街。NHK朝の連続テレビ小説『ちりとてちん』や『ごちそうさん』のロケ地にもなった、大阪を代表する商店街の一つです。
昔ながらの大衆食堂やお惣菜屋さん、老舗の刃物屋さんやお豆腐屋さん、陶器に着物など約800店舗が並び、端から端まで歩くだけでも約40分かかります。アーケードがついているので雨の日でも安心してお買い物ができます。
天神橋筋商店街「天三以南(天三、天二、天一)」へのアクセスは、地下鉄堺筋線・谷町線「南森町」、JR東西線「大阪天満宮」からすぐの場所にあります。駅を出ればすぐに商店街なので迷うことはありません。
天神橋三丁目商店街、通称「天三(てんさん)」のアーケードには鳥居のオブジェが飾られています。南から「真朱(しんしゅ)」「桔梗(ききょう)」「浅葱(あさぎ)」「萌葱(もえぎ)」と日本の伝統色が並んでいます。
商店街には大阪の激安スーパーとして知られる「スーパー玉出」もあり、ただ歩いているだけでも大阪らしい雰囲気を味わえる商店街です。
おいしいお好み焼きを食べるなら「双月」
せっかく大阪にきたからにはおいしいお好み焼きが食べたい! 商店街を歩きながらお好み焼き屋さんを探していた時に見つけたのが「双月」です。あまりの行列ぶりに一度は通り過ぎたのですが、諦めきれず戻ってみたら運よく行列がなくなっていました。
あと一組というのがなかなか長く感じてしまうもの。そして人が並ぶと次々に人が並びはじめ、面白いことに5分ほどで大行列ができていました。
店頭にあるショーケースにはお好み焼きや焼きそばの食品サンプルが置かれ、桂文珍師匠や桂文枝師匠のサインも飾られていました。
店内に入ったらすぐに注文できるよう、並んでいる間に何を頼むか決めておきたいところ。「お好み焼き」と「ねぎ焼き」は絶対に頼みたい、できれば「焼きそば」も食べたいけれどそこまで食べられるか…なんて相談しながら待っていると10分もしないうちに店内へ案内されました。
お好み焼きは12種類、ねぎ焼きは9種類ある「双月」
「双月」の店内へ入ると、全席4名掛けの半個室タイプになっています。どのテーブルも中央に鉄板がついていて、1卓に4名まで座ることができます。
店内はクーラーが効いていて、柱や壁に何台も扇風機が設置されているので、夏でも快適な空間であつあつのお好み焼きを食べることができます。
まずは「お好み焼き」から決めることにします。「お好み焼き」だけでもいかぶた玉、いかえび玉、いかにく玉、いか玉、ぶた玉、ミックス焼…と冬季限定のかき玉などを含めると12種類もあります。ねぎ、おもち、チーズ、キムチ、モダン焼用そば玉などトッピングもプラスできます。お好み焼きも大盛にできます。
「モダン焼き」とは、関西のお好み焼きに焼きそばの麺を入れて焼いたもの。焼きそばが入ったお好み焼きといえば「広島風お好み焼き」の印象が強いですが、それとはまた別物です。麺と具材や生地を別々に焼いて乗せる広島風と違い、「モダン焼き」は生地の中に麺を入れ軽く混ぜて一緒に焼くのが一般的です。
「モダン」という名前は「これまでと違う新しいお好み焼き」といった「モダン」という説と、「盛りだくさん」から「モダン」へと変化したという説があるようです。
たまにしか食べられない本場の「お好み焼き」だからこそ定番も食べたい。あれこれ迷った末に「いかぶた玉」と「ぶた玉モダン焼き」を注文しました。
次は「ねぎ焼き」を選びます。ぶた、いか、えび、にく、ミックスやデラックス、冬季限定のかきなどを含めると9種類もあります。「お好み焼き」が「いかぶた玉」と「モダン焼き」なので、「ねぎ焼き」は「にく」を選んでみました。だし醤油とレモンで食べるのがおすすめだそうで、楽しみです。
お好み焼きは自分で焼いても焼いてもらっても◎
注文したドリンクはコーラ。瓶と氷の入ったコップが映画やドラマで見るシーンのようで、気分が盛り上がります。
しばらくすると、生地と具材の入ったお好み焼き用カップが運ばれてきて「焼きましょうか?」と聞いてもらえます。せっかくなのでお願いすると、カップの一番上に乗っている肉を鉄板に乗せ、焼いている間に軽く混ぜた生地を鉄板に乗せて焼いていきます。流れるような手際の良さについつい見入ってしまいます。あっという間に3枚が鉄板の上に並べられ、いい頃合いで返しにきてくれます。
テーブルにある棚には甘口と辛口の2種類のソース、マヨネーズ、だし醤油、七味、かつお節、にんにくオイルが置いてあります。
「お好み焼き」「ねぎ焼き」が焼き上がったら、まずはたっぷりとマヨネーズを塗っていきます。「お好み焼き」には甘口、辛口のお好みのソースをかけ、かつお節と青のりをかけて完成です。
「お好み焼き」はちょっぴり焦げたソースのにおいが香ばしく、ピリッとスパイシーな辛口ソースが口いっぱいに広がります。ふわっとした生地にプリッとした大きなイカ、キャベツのシャキッと食感にほどよい酸味のマヨネーズ。さすが本場の味です。
焼きそばが入った「モダン焼き」は、もっちりとしていてお好み焼きよりボリューム感があります。甘口のソースをかけてみると麺や生地の甘さがよりまろやかになり、辛口のソースをかけてみると甘さを引き立てるアクセントになります。つまり、どちらもおいしい!
「ねぎ焼き」はソースではなくだし醤油をかけて、かつお節を乗せてできあがり。食べる前にレモンを絞ると味変も楽しめます。ぶつ切りにした青ねぎはシャキシャキと心地よく、じわーっと牛肉の旨みが広がってきます。香ばしいだし醤油とたっぷり乗せたかつお節、レモンをかけるとパッと爽やかな風味が広がります。お好み焼きと比べるとサクッとしているので、両方食べ比べるのもいいですよ。
にんにくオイルをかけると、和風だった「お好み焼き」がイタリアン風味にガラッと変わります。正直「お好み焼きににんにくオイル…?」と半信半疑だったのですが、このおいしさは予想外でした。イタリアンレストランで見かけるガーリックオイルは唐辛子やにんにくがボトルの中に入っていますが「双月」のはオイルのみ。しつこさはなく、にんにくの優しい風味を楽しめます。
せっかくの機会だから、ご飯とお味噌汁のついた「焼そば定食」も注文。先にご飯と赤だしのお味噌汁が運ばれてきて、しばらくするとお皿に乗った熱々の焼きそばが来ました。焼きそばの麺は太めで、豚肉、キャベツ、もやしがたっぷり入っています。甘みのあるソースにもっちりした麺、シャキシャキ野菜が白いご飯によく合います。
「双月」の店内は国内外を問わず観光客の方も多く、それでいながら1人でお好み焼きを楽しむ男性もいました。初めての場所なのに懐かしさを感じ、ノスタルジックな気分にさせてくれる、とても居心地のいいお好み焼き屋さんでした。
2名様以上で、月~金曜日19:00までに来店できる方は電話予約できます。ノスタルジックな雰囲気の中でおいしいお好み焼きを食べたい方におすすめしたいお店です。