進化する食卓

【京都駅チカお土産スポット4】 少しずついろいろ楽しめる「おみやげ小路 京小町 」

旅先で見たことのないお菓子に出会うと心ときめきます。しかも地元で長年愛されているとなれば美味しいに違いありません。でもいきなり箱で買うのは不安なので、少しの量を試しに買いたい!そんな希望に応えてくれる「おみやげ小路 京小町 」が2018年10月、京都駅中央改札を出てすぐ左側にオープンしました。

「京都のホンモノをお気軽にお求めいただける京土産売場」がコンセプトなだけあって、老舗の商品を少量から購入できるので、ちょっとずついろいろ試してみたい方や、たくさんの人に少しずつのお土産を買いたい方にぴったりのお店です。

「京の和菓子 のれんめぐり」で老舗の味を手軽に味わう

店に入るとまず目に入るのが、おみやげ小路 京小町南館限定「京の和菓子 のれんめぐり」です。伝統ある京の和菓子のおいしさをもっと知って欲しいと、老舗の若手後継者たちが企画したそうです。

一店一店のれんをくぐって買い求めるイメージで、パッケージは老舗の御紋を染め抜いたのれんデザインに統一されています。1つが300〜500円程度で購入できるので、ちょっとしたお土産に最適です。

お饅頭や生八つ橋、飴に豆菓子とバラエティー豊富な品揃え。
何を買おうか迷ってしまいますが、ときどき無性に食べたくなる「蕎麦ぼうろ」を買うことにしました。

蕎麦の香ばしさがクセになる「丸太町 かわみち屋」の「蕎麦ぼうろ」

ぼうろといえば、多くの人が子どもの頃よく口にした「たまごボーロ」を思い浮かべるかもしれません。「たまごボーロ」も「蕎麦ぼうろ」も、元をたどれば室町末期にポルトガル人により伝えられた南蛮菓子に行き着きます。

当時は小麦粉に砂糖を加え練って焼いたものでしたが、ここに鶏卵を加え、蕎麦の野趣味あふれる香りを生かすよう焼き上げたのが「蕎麦ぼうろ」です。梅の花の形がかわいらしく、これも長年愛される理由かもしれません。

いつまでも飽きのこない素朴な味わいとカリカリとした食感。クッキーなどの焼き菓子よりは堅めながら口どけがよいので、ご年配の方へのお土産にもおすすめです。

スモーキーな香りが特徴の京番茶と良く合うので、一緒に買って帰ってほっこりとしたお茶の時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

丸太町 かわみち屋「蕎麦ぼうろ」と総本家 河道屋「蕎麦ほうる」

実は「丸太町 かわみち屋」と「総本家 河道屋」でほぼ同じものが作られている「蕎麦ぼうろ」。ちなみに「総本家 河道屋」では「蕎麦ほうる」の名前で売られています。

店名の読みが同じ「かわみちや」でパッケージもよく似ているので、恥ずかしながらこれまで2つのお店で出しているとは気づかずにいました。もしかしたら「蕎麦ぼうろが食べたい!」と思いながら買っていたのは「蕎麦ほうる」だったかもしれません。材料は同じですが味や食感に多少の違いがあるそうなので、一度食べ比べをしてみなければ。

「総本家 河道屋」からのれん分けしたのが「丸太町 かわみち屋」とのことですが、その二つの商品がこうして肩を並べて共存しているところにも、京都らしさを感じます。

丸太町 かわみち屋

「おみやげ小路 京小町」で見つけた かぎや政秋の「こゆ栗」

京都には数多くの和菓子店があります。京菓子協同組合に所属しているだけでもその数なんと100社以上!しかも老舗が多く、こじんまりと営業している和菓子屋さんに実は壮大な歴史があったりします。

京都大学からほど近い百万遍に店を構える「かぎや政秋」もその一つ。
ガイドブックなどではあまり紹介されませんが、栗羊羹にきな粉をまぶした「黄檗(おうばく)」、粒あんを薄く延ばして表面を焼き上げた「ときわ木」、アーモンドを入れた落雁「野菊」などオリジナリティーあふれる京菓子を多く取り扱っている名店です。

「かぎや政秋」の歴史は江戸時代まで遡ります。元禄9年に本家である鎰(かぎ)屋延秋が創業し、そこから大正9年に分家したのが鎰屋政秋です。昭和5年には現在の百万遍に移転しました。
第二次世界大戦の影響で一時休業を余儀なくされますが、昭和25年に営業を再開します。この際本家の廃業に伴い、現在も続く看板商品「黄梁」(鎰屋政秋では「黄檗」に名称変更)と「ときわ木」を継承します。

魅力的な商品が揃うなか、買ってみたのは看板商品「ときわ木」の栗バージョン「こゆ栗」です。
手芒豆を使った栗きんとんを薄くのばし、表面を焼き上げてあります。しっとり柔らかな食感で、口に入れるとほろりとくずれ、上品な栗の香りが広がります。
上質な抹茶や緑茶といただくのも、気軽にコーヒーなどど楽しむのもおすすめです。

かぎや政秋

足を踏み入れるまでは、観光客向けのいわゆるお土産屋さんを想像していましたが、実際には京都の老舗の見本市のような品ぞろえにワクワクしました。
お土産や自分用に食べきりおやつを買うのもいいですが、ここでお気に入りの和菓子を見つけて、実際の店舗を訪れるというのも楽しいかもしれません。

なお北館は2019年3月改装オープン予定とのことなので、こちらも楽しみです。

おみやげ小路 京小町
JR京都駅中央口1階 西側
8:30~20:00

京都〈かわみち屋〉そばぼうろ270g

価格:1,080円
(2019/1/22 14:13時点)
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ABOUT ME
阿東いつ子
埼玉県出身。 おいしいものが大好きで、農業系の大学を卒業後、食品の研究開発、商品企画、販売と、食べ物から離れられず現在に至る。 結婚を機に京都市に移り住んだものの、いつまでたっても観光客気分が抜けません。